「移民多様化ビザ抽選プログラム」に2019年10月14日に応募、2020年6月6日に当選した妻は、2020年10月11日に帰国、2020年10月27日に「移民ビザ申請書(DS260)」を「ケンタッキー領事センター(KCC)」に提出してから約「1年間」、妻の実家の近くで1人でアパート暮らしをしながら、KCCからの「アメリカ大使館の面接日時設定通知」をひたすら待つという生活を強いられました。
妻は、KCCからの連絡の見通しがないまま、2021年7月に移民ビザ取得のための健康診断をアメリカ大使館が指定する医療機関で受診しました。
その後、とうとうKCCから連絡が来なまま2021年8月に入りました。妻の当選の権利が失効する9月30日まであと1ヶ月半。妻も私もだんだん弱気になっていきました。
妻は、KCCに審査の検討状況を照会するメールを8月24日と9月21日の2度送りましたが、KCCからは「メールを受信しました」という「自動返信メール」が来るだけでなしのつぶてでした。
私もなんとかして力になりたいと思い、当選の権利失効まで2週間となった2021年9月16日にアメリカ大使館の知り合いに相談しました。アメリカ大使館としても、KCCからの連絡待ちで、KCCに正規のルートで照会することしかできないとの回答でした。まあ、KCCからすると、全世界のアメリカ大使館からの一つ一つの案件に関する照会にいちいち回答なんかできないのでしょう。力関係は、アメリカ大使館<KCC <国務省領事局といったところでしょうか。
当選の権利執行まであと1週間となった2021年9月22日、私はとあるアメリカ人の旧友に相談しました。旧友は、国務省の知り合いに照会はしてみるが、その知り合いは国務省領事局の人でもないし、期限まであと1週間しかないので、流石にこれはどうすることもできないであろうとの反応でした。
妻の当選の権利が失効まで1週間を切ったため、妻も私もほとんど諦めかけていた中、2021年9月24日(金)に東京のアメリカ大使館から妻に突然電話がありました。「提出すべき必要書類(出生証明書、健康診断書、警察証明、財政証明など)が準備できているかどうか」の確認と「まだKCCから審査完了の通知があったわけではないが、仮に通知がくれば、アメリカ大使館で面接をするので、都合の良い日時を教えてくれ」との連絡でした。妻は全ての書類を既に整えていたので、週明けとなる9月27日(月)の朝一の面接を希望すると回答しました。
この狐に包まれたような急転直下の展開に、妻も私も大歓喜するというよりも、まず、このうれしい現状を理解するのに少し時間がかかりました。
そして、9月25日(土)午前、KCCから、
①アメリカ大使館での面接を9月27日(月)午前8時に設定したこと
② KCCが妻のケースの処理を完了したこと
を通知するメールが妻に届きました。
9月27日(月)早朝、妻は満を持してアメリカ大使館に赴き、面接を受けました。面接はあっという間に終わったそうです。
妻としては、「2020年10月11日の帰国」から「2021年9月27日のアメリカ大使館での面接/9月28日の移民ビザ発給/9月29日の移民ビザが貼られたパスポートの入手」までの約「1年間」は、精神的に相当きつかったと思います。
①KCCが妻のDS260を審査するのか、②審査しても認可するのか、③認可したとしても、期限(2020年9月30日)内にアメリカ大使館による妻の面接を設定してくれるのか、④面接をしたとしても、妻は面接に受かるのか、という諸点全ての見通しがつかない状況の中、約1年間、東京で1人で待機したわけですから。
当選の権利が失効する「2021年9月30日」はあたかも死刑執行日のようで、2020年10月27日にDS260をKCCに提出後、年が明けても、2021年の春になっても、待てど暮らせど連絡がありませんでした。とうとう2021年8月に入ってもアメリカ大使館からの連絡がなかったので、流石に焦り始め、妻は心半分、諦めかけていたようです。毎日、時が経つにつれ、希望が徐々に失われていく感じだったと思います。
「移民多様化ビザプログラム」に全世界で1500万人が応募すると言われており、このプログラムを通じて国務省が発行する移民ビザは毎年5万5千。したがって、このプログラムを通して移民ビザを取得できる確率は0.36%ということになります。日本人に限れば、日本人申請者は毎年5万人前後。そのうち当選するのは550人前後。したがって、日本人だけで考えると確率は約1%とということになります。
2021年度移民多様化ビザ抽選プログラムの当選者に関しては、前年同様、新型コロナウィルス感染症のパンデミックの影響により、KCCのDS260の審査が遅々として進まず、また、全世界にあるアメリカ大使館が一時閉鎖され面接の設定が遅れたり、1週間の面接の回数がかなり制限されたりしたため、2021年9月30日の締め切りまでに「移民ビザ」を取得できたのは、全世界で1万5千人と言われています。これは応募者1500万人の「0.1%」です。したがって、妻は、この「0.1%」に入れた、ということになります。
なお、9月24日のアメリカ大使館からの電話は摩訶不思議でした。KCCからのDS260審査完了通知前のことでしたから。ともあれ、妻としては、晴れてアメリカ大使館で面接を受け、「移民ビザ」を取得できたのですから、「1年間」の辛い闘いは、報われたと思いたいです。
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