そもそもこのブログで使用している「奨学金」という言葉は混乱しやすい言葉です。なぜなら、日本で「奨学金」と言えば、そのほとんどが無利子や低利子で借りられる「返済義務のある学費ローン」のことだからです。もちろん、日本でも成績優秀者や特待生の学費免除のようなものはありますが。
アメリカでは、「返済不要な奨学金」も「学生ローン」も、総じて「ファイナンシャル・エイド(Financial Aid)」と呼ばれています。「返済不要なファイナンシャル・エイド」は、「スカラーシップ(Scholarship)」と言われ、このブログでは、「奨学金」と表しています。
日本でいう「返済義務のある奨学金」は、このブログでは、「学生ローン(Student Loan)」と呼ぶことにします。留意点は、このブログで言うアメリカの「学生ローン」は、日本で言う「学生ローン」と全く異なります。なぜなら、日本の「学生ローン」は、サラ金に近い、かなり高い金利だからです。
アメリカの「学生ローン(Student Loan)」は、比較的金利が低く日本の「返済義務がある奨学金」に近いものだと思います。
このブログで言う「奨学金」は、日本の「給付型奨学金」に近いものです。
アメリカの「奨学金」には、大きく分けて以下の3種類があります。
①ニード・ブラインド・スカラーシップ(Need Blind Scholarship)
②ニード・ベースド・スカラーシップ(Need-Based Scholarship)
③メリット・ベースド・スカラーシップ(Merit-Based Scholaship)
①「ニード・ブラインド・スカラーシップ」は、財政能力(家庭の経済状況)を合否の判定材料に使用せず、合否決定後、財政援助が必要とみなされた場合には、必要に応じた財政援助が「必ず」与えられるという入学制度。「Full need」 ともいわれます。
②「ニード・ベイスド・スカラーシップ」は、学費が払えない家庭の子には必要に応じて出来る限り学費の援助をするというものです。①の「ニード・ブラインド・スカラーシップ」との違いは、合格しても必ず必要な額の奨学金が出て進学が保証されるわけではないというものです。毎年の基金には予算がありその範囲内で出来る限り必要なところに配分されますが、必要としている人全員に必要な額が行きわたるわけではありません。希望額の一部しかもらえなかったり、出願が遅かったり、補欠だったりすると合格しても、既に今年度の予算がなく奨学金がもらえないこともあり得ます。足りない分は自分たちで調達してきてやりくりするしかありません。
③「メリット・ベースド・スカラーシップ」は、成績優秀者への学費給付ですが、最近は、奨学金のの予算の大半が「ニード・ベースド・スカラーシップ」となりつつあり、かつての「メリット・ベースド・スカラーシップ」は大幅に減額の傾向にあります。
②の「ニード・ベースド・スカラーシップ」を申請したら合否に響くかどうかについては、奨学金を全く申請しない人は、大学も基金を使う必要がありませんので、「同じ優秀さ」であれば、入学に有利になり得ます。
しかし、そもそも奨学金を申請しない学生は少なく、大半の大学も、奨学金ありきで学校が運営されていますので、そこまで心配する必要はないと思います。
No comments:
Post a Comment