長女は現在アメリカのマサチューセッツ州にある大学の2年生ですが、大学3年の奨学金・学生ローンの申請が既に開始されています。
この申請手続きは、毎年行うもので、結構大変で気が遠くなるような作業です。
奨学金・学生ローンの申請は、大きく分けて2種類あり、「FAFSA」と「CSS Profile」があります。
本年9月から始まる長女の大学3年用の奨学金・学生ローンを申請するために、「FAFSA」も「CSS Profile」も1月26日に申請を完了しました。
長女の大学は、年間の授業料と寮費を合わせれば8万ドル以上かかるので(授業料:6万1646ドル、寮費関連経費:2万591ドル)、サラリーマンの私は、長女が返済不要の奨学金と学生ローンを得なければ支払うことはできません。
それでは「FAFSA」とは何でしょうか。
「FAFSA」は「Free Application for Federal Student Aid」の略で、連邦政府からの財政支援を得るための申請システムです。連邦政府の財政支援(「返済不要の奨学金(グラント)」や「学生ローン」など)の財源をそれを必要とする学生に適切に配分することを目的に、各家庭の財務情報を集めるものです。
申請にあたっては、学生とその両親の収入や財産についての情報を入力します。入力された情報をもとに、親が負担することが求められる期待額(EFC(Expected Family Contribution))が計算されます。
各家庭が1年間に負担できる学費の上限額である「EFC(Expected Family Contribution)」が、1年間にかかる学費の総額(授業料、寮費、食費およびその他の諸経費)を下回る場合、差額がファイナンシャル・ニーズとなります。「FAFSA」に登録されている家庭の収入や資産の情報を元に、「EFC」が算出されます。「FAFSA」に登録すると「SAR(StudentAid Report)」というレポートが提示され、そのレポートから「EFC」の額等が分かります。
「FAFSA」は連邦政府の財政支援のための申請書ですが、各州も、州の財政支援を配分するために「FAFSA」の申請情報を使います。また、各大学も、大学の財政支援を決定するために「FAFSA」の申請情報を使います。多くの場合、大学が財政支援ののパッケージ(大学がその学生に対しオファーする「グラント」と「学生ローン」の組み合わせ)を決定するために「FAFSA」の情報を使います。つまり、「FAFSA」はすべての財政支援(ファイナンシャル・エイド)を受けるための一番の大元となる申請書です。
「FAFSA」は申請は無料です。「FAFSA」は、大学に在学する期間を対象に毎年申請するもので、次年度のための申請がその年の1月1日から始まりますが、これから大学1年生になるという学生は、前年(高校最終学年)の10月から「FAFSA」の申請は始まります。
「FAFSA」の申請は、必要な情報が手元にありさえすればそれほど時間がかかりませんが、収入や確定申告の数字を間違えることはできないので、申請する前に何度も確認する必要があります。
「FAFSA」申請にあたり、前年度分及び今年度分の確定申告(Tax Return)、税関連書類、非課税収入関連書類の中の情報は極めて重要ですので、手元に集めておくことをお勧めします。
なお、アメリカ市民及び永住者ではない外国人の学生には「FAFSA」や「ローン型の奨学金」は適用されません。
長女はアメリカの市民権を持っているため「FAFSA」を毎年申請しているわけです。なお、「学生ローン」だけでなく、「親用ローン」もあります。しかし、親である私たちは昨年まで外国人だったので、この「親用ローン」を得ることはできませんでした。しかし、昨(2021)年11月23日に妻は永住者としてアメリカに入国したので、妻は、今年から、長女の大学のための「親用ローン」を得る資格を得ました。しかし、何と言っても「ローン」は「ローン」です。将来、利子をつけて返済する必要がありますので、「ローン」を受けなくて済むのであれば受けないに越したことはありません。家族で検討した結果、長女の「グラント」及び「学生ローン」を昨年と同じレベルで得られれば、なんとか長女の大学3年の学費を負担することはできそうだということで、妻が「親用ローン」を申請することはしませんでした。
以上を簡単にまとめると、アメリカの大学の学費は高額なので(長女の大学は授業料・寮費を合わせて年間8万ドル以上)、多くの学生は連邦政府や通う大学からの財政支援(ファイナンシャル・エイド)を得て学費を抑えて大学に進学します。学費全額を自費で支払うのが困難な学生が不足分(ファイナンシャル・ニーズ)の一部を負担してもらう制度が、「ファイナンシャル・ニーズベース」の奨学金です。そして、この「ファイナンシャル・ニーズ」を算出するために最も広く利用されているサービスが「FAFSA」というわけです。
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