初めての海外生活となるお子様が、アメリカの現地校で英語を上達させながら学校の授業にもついていくようになるのは、確かに大変です。特に年齢が高ければ高いほど、その苦労は計り知れません。
親御さんは、お子様の年齢が低い時期は、英語の習得、つまりバイリンガルになることを夢みます。
お子様の年齢が高くなるにつれ、帰国後の中学受験、高校受験、大学受験が視野に入ると、バイリンガルどころではなくなります。放課後のクラブ活動もせず、近所の駿台やSAPIXに直行するのですから、アメリカ人の友達はできず、英語もなかなか上達しないのは必然と言えます。
一方で、英語の上達の観点から、うまくいった例もあります。スポーツ活動に積極的に参加させた例です。私の知り合いのご両親は、お子様がG7(日本でいう中学1年生)の時にアメリカに来ました。ご両親は、息子に英語だけは身につけてほしいという一心から、お子様を地元のサッカーチームに入れ、サッカーチーム中心の生活をされました。お子様は、スポーツを通じてチームメイトと仲良くなり、週末や夏休みは、地方遠征に行き、州の大会で準優勝しました。英語の上達は早く、5年間でネイティブ並みのスピーキング力を身につけました。
ご両親は、お子様の帰国後の学校のことはあまり考えず、現地校の勉強のことさえもとやかく言わないタイプのご両親でした。お子様の現地校の成績は「中の下」でしたが、ご両親は兎にも角にもお子様の英語の習得とスポーツでの活躍だけを考え、「授業の成績が悪くても、落第点を取らなければ良い」というくらいのおおらかな対応をされていました。
ご家族は5年間のアメリカ生活の後に、ASEANのとある国に転勤されました。高校の最終学年となったお子様は、その国でもサッカーのクラブチームに所属し活躍した後、日本の有名大学に帰国子女枠とスポーツ推薦枠の両方で合格したと聞いています。今ではこの有名大学のサッカーチームの代表選手として活躍しています。
このように、現地での生活において自分の居場所を見つけることは大事だと思います。数学が得意であれば、現地校のマス・チームに入って活躍できるでしょうし、そのチーム内で仲良くなれば英語も上達するでしょう。大抵の現地校には、ロボティクスというクラブチームがあり、ロボットを作ってロボット大会で優勝することを目標にしています。理数系が得意なお子様であれば、ロボティクスのチームに入って充実した高校生活を送ったり、「アプリ」のプログラミングやコーディングを行うクラブで活躍する日本人高校生もいます。
このように、高校生にもなると、スポーツやクラブ活動など何かに打ち込めるものがあれば、現地校で友達もできやすく、英語も上達するのではないでしょうか。
もちろん、現地校の授業・宿題・テストへの対応や、帰国後に受験を控えているお子様の受験対策は別問題です。
親と子の悩みはつきません。
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