10月25日、アメリカの議会下院で、マイク・ジョンソン議員(51、共和党)が下院議長に選ばれました。賛成220票、反対209票の賛成多数で決定され、今月3日以降不在となっていた議長ポストがようやく埋まることになりました。
前議長の解任から約3週間にわたった議会の混乱と共和党の内紛が、ようやく終わったようです。ジョンソン氏は2016年から、ルイジアナ州の選挙区選出の下院議員を務めています。研究委員会の委員長を務めました。穏やかな物腰の保守派の弁護士で、ラジオの司会者を務めています。この日の議長選では、過半数の220票を獲得した。
下院では10月3日、マッカーシー氏が議長を解任され、後任選びが進められていましたが、選出は難航。4人目の候補でやっと決着しました。
ジョンソン氏の選出は、ドナルド・トランプ前大統領寄りの共和党右派にとっての勝利となります。党内穏健派も候補を立ててきましたが、支持を広げられませんでした。
投票後に下院本会議場で演説したジョンソン氏は、「われわれは今、異常な危機の中におり、世界はわれわれが強くあることを求めている。混乱と暴力が中東地域と東ヨーロッパを揺るがし、インド太平洋地域でも緊張が続いている。揺らいではならない」と述べ結束を訴えました。そして「私はまもなくこの議場に最初の議案を提出する。それは友人であるイスラエルを支持するためのものだ」と述べ、下院としてイスラエル支持を明確にする決議案を提出する考えを示しました。その他、議長としての主な優先事項として、国境警備、インフレ、中東での紛争を列挙しました。
ジョンソン氏は、中絶の権利や同性婚に反対するなど、多くの問題で断固として保守的な立場を取っています。ウクライナをめぐっては、党内の右派の多くと同様、さらなる支援に反対しています。
ジョンソン氏は、2020年大統領選でのトランプ氏の敗北をめぐって、選挙結果を法的に争った中心人物の一人でした。
下院の勢力は共和党221、民主党212となっており、法案採決において造反はほとんど許されない状況にあります。
Thursday, October 26, 2023
米下院、議長にジョンソン氏選出
Sunday, October 8, 2023
イスラエル・パレスチナ武装勢力間の衝突
イスラム組織ハマスが10月7日の大規模攻撃で狙ったのは、イスラエルだけではないようです。この地域では、米国がイスラエルとサウジアラビアの関係正常化を後押しするなど新たな安全保障秩序の構築に向けた動きが活発化しており、ハマスにはパレスチナ国家樹立への希望を脅かしかねないこうした動きにくさびを打ち込む狙いがあったとみられています。ハマスを支援するイランも、警戒感を強めていました。
米国は、サウジとの防衛条約締結などを見返りにサウジとイスラエルの国交正常化を進めています。
パレスチナ当局者によると、イスラエルを攻撃しハマスの武装集団のメッセージは、イスラエルが安全保障を望むならばパレスチナ人を無視してはならず、サウジアラビアとのいかなる合意もイランとの緊張緩和が崩れることになる、というものです。
ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏は、カタールを拠点とするテレビ局アルジャジーラで、アラブの国がイスラエルとの間で結ぶ正常化の合意により、この衝突が終わることはないと述べました。
イスラエルにすり寄りつつあるサウジアラビアや、イスラエルを支援して正常化を後押ししている米国に対するメッセージでしょうか。
イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸では今回の大規模攻撃の数カ月前から、イスラエル側の取り締まり強化、パレスチナ市街地での攻撃、パレスチナ人集落へのユダヤ人入植者の襲撃など、暴力が激化していました。ネタニヤフ首相が率いる強硬右派政権の下でパレスチナ人が置かれた環境は悪化し、和平への努力は何年も停滞しています。
一方で、サウジアラビア側は米国との防衛条約締結に強い決意を持っており、パレスチナ人に有利な譲歩を引き出すために正常化の合意を遅らせることはないと思われます。
レバノンにおけるハマスの指導者、オサマ・ハムダン氏は、10月7日の大規模攻撃により、イスラエル側の安全保障上の要求を受け入れることで平和が実現することはないとアラブ諸国は理解すべきだ、と述べたようです。
10月7日に行われたハマスによる攻撃は、イスラエルがエジプトとシリアから攻撃を受けた1973年の第四次中東戦争の開始から50年の節目に行われました。
1973年以降、エジプトとイスラエルは平和条約を結び、複数ののアラブ諸国もイスラエルとの関係を正常化させました。しかし、パレスチナ人は国家樹立の夢はむしろ遠のいています。
ハマスの行動は、パレスチナの問題は国交正常化交渉の中のサブトピックの1つとして扱われるべきではないということをサウジアラビア側に明確に示したのでしょうか。
ネタニヤフ首相は以前、イスラエルとアラブ諸国の和平合意について、パレスチナに拒否権を持たせるべきではないと述べていました。
一方のイランは、パレスチナ人による自衛の行動だと表明。最高指導者ハメネイ師の顧問は、イラン政府は「パレスチナとエルサレムが開放されるまで」パレスチナの武装勢力と共にあり続けると述べました。
イランは中東一帯で数々の武装勢力を支援しており、ガザのほかレバノンやリア、イラク、イエメンで存在感を高めています。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は先週、サウジアラビアとの国境沿いにバーレーン軍兵士を攻撃して4人を殺害しました。
今回のパレスチナ武装勢力の攻撃は、米国とサウジアラビア、イスラエルの間で画期的な合意が成立するのを阻止する狙いがあったのかもしれません。
先週のアメリカの経済
先週末、米株式相場は反発しました。S&P500種株価指数は週間ベースでは5週間ぶりの上昇となりました。
9月雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る伸びとなり、米金融当局による追加利上げの論拠を強める格好となりました。
9月の雇用統計はリセッションを予想する声と整合しているとの指摘もあります。非農業部門雇用者数の伸びについて現時点で米経済には明るいニュースですが、市場と金融当局にとってはそれほど良いニュースではないかもしれません。
米国債利回りは雇用統計発表直後に急伸しています。10年債利回りは一時17ベーシスポイント上昇の4.89%、30年債の利回りは一時16bp上昇の5.05%と、それぞれ2007年以来の高水準に達しました。10年債利回りと30年債利回りは週間ベースではともに20pを超える上昇と、昨年12月以来の大幅高となりました。それに比べると短期債利回りの上昇は限定的でした。先物トレーダーは連邦公開市場委員会(FOMC)が12月会合で政策金利を0.25ポイント引き上げる確率を50%強とみています。11月は利上げ見送りの可能性が高いとみられています。
ドルは、雇用統計発表直後は力強く上昇しましたが、国債利回りが伸び悩むと失速し、下げに転じました。主要10通貨では円が唯一、対ドルで下落。一時は149円53銭まで売られました。
追加利上げや金利高止まりへの懸念が強まっていることが、最近の原油安の背景にあるようです。同時に、テクニカルな売りやアルゴリズムに基づいた取引も下げにつながりました。
ニューヨーク金相場は反発しました。米雇用者数が予想を大幅に上回り、米国債利回りが上昇したため金は一時下げたものの、上げに転じました。
Tuesday, October 3, 2023
アメリカ連邦議会下院議長、解任される
10月3日(火)、アメリカ連邦議会下院でケビン・マッカーシー議長(カリフォルニア州選出)の解任動議が一部の共和党議員も賛成して可決され、史上初めて議長が解任されました。
マッカーシー議長解任投票の直後、パトリック・マクヘンリー下院議員(ノースカロライナ州選出)が臨時議長に指名されました。
来週10月10日(火)に下院議長選出のための会合を開く見込みです。マッカーシー前議長は、次の下院議長選には再出馬しないと述べています。下院は、新議長を選出するまで通常の運営を再開することはできないそうです。
マッカーシ議長解任動議に賛成票を投じた共和党下院議員は、①マット・ゲーツ(フロリダ州)、②アンディ・ビッグス(アリゾナ州)、③ケン・バック(コロラド州)、④ティム・バーチェット(テネシー州)、⑤イーライ・クレイン(アリゾナ州)、⑥ボブ・グッド(ヴァージニア州)、⑦ナンシー・メイス(サウスカロライナ州)、⑧マット・ローゼンデール(モンタナ州)の8名の議員です。
投票後、共和党の議長候補としては、ジム・ジョーダン下院議員(オハイオ州選出)、スティーブ・スカリス下院院内総務(ルイジアナ州選出)、トム・エマー下院院内総務(ミネソタ州選出)、ケビン・ハーン下院議員(オクラホマ州選出)などが挙げられています。
マッカーシーの議長職解任に賛成した8人の共和党議員は、主に彼の財政問題への対応と暫定予算法案への怒りを理由に挙げています。
パトリック・マクヘンリー臨時議長には、選挙で選ばれた下院議長のすべての権限が与えられています。マッカーシー前下院議長は、本年1月に議長に選出された際、マクヘンリー議員(ノースカロライナ州選出)を臨時議長の役割に抜擢していました。臨時議長は、議長が解任されるか無能力になるまで、下院事務局によって秘匿され、2001年9月11日以降、政府の継続性を確保するために考案されたプロセスです。
下院議長が退任させられた後、一時的な交代プロセスが実施されたのは今回が初めてです。マクヘンリー臨時下院議長は「代理」であるため、大統領職の継承権はありません。
マクヘンリー臨時議長はマッカーシー前議長の盟友であり、本年1月には下院共和党の各派閥との重要な交渉役を務め、マッカーシー議員が議長になるための票を得るための取引を仲介しました。また、マッカーシー議長とジョー・バイデン大統領との債務上限取り決めでも中心的な役割を果たしました。
長年のマッカーシー前議長の盟友であるマクヘンリー臨時議長は、下院を休会させ、各会派が会合を開き、今後の道筋を練ることを許可しました。
今月末に48歳になるマクヘンリー臨時議長は、ノースカロライナ州第10選挙区で10期目を務めています。ノースカロライナ州シャーロット周辺で育ちました。ノースカロライナ州立大学を経て、シャーロットのすぐ西にある小さなカトリック校、ベルモント・アビー・カレッジを卒業。大学在学中の1998年、州下院議員選挙に出馬して落選しました。マクヘンリーはワシントンを拠点とするメディア・コンサルティング会社、ジョージ・W・ブッシュの2000年大統領選挙キャンペーン、米労働長官の特別補佐官として働いた経験があります。2002年に州下院議員に27歳で当選しました。2004年に連邦下院議員に初当選し、下院金融サービス委員会の委員長を務めました。
Sunday, October 1, 2023
米連邦議会上下両院で「つなぎ予算」可決、バイデン大統領が署名し成立
9月30日夜、米議会上下両院は、10月1日から45日間の予算執行を可能にする「つなぎ予算」案を可決しました。共和党のマッカーシー下院議長が、同党のみで投票すべきとする党内強硬派の主張を退け、民主党の圧倒的な支持を含む超党派の賛成で成立することとなりました。連邦政府機関の閉鎖が確実な情勢でしたが、土壇場で回避できました。
法案は11月17日までの暫定予算。下院が335対91で、上院が88対9で可決し、その後バイデン大統領が署名し成立しました。予算が通らず、4回目となる連邦政府機関の閉鎖は確実とみられていました。閉鎖されると、政府職員400万人のほとんどが無給となり、国立公園から金融規制当局まで、さまざまな連邦政府サービスが停止することになっていました。
下院でつなぎ予算を支持した民主党議員は209人と共和党の126人を大幅に上回りました。
ただ、ウクライナ支援が除外されたことは、少なくとも当面、ゼレンスキー大統領にとっては痛手です。ゼレンスキー大統領は先週、バイデン米大統領や議員らと会談し、F16戦闘機や、長距離ミサイルシステム「ATACMS」など、新たな兵器システムの供与を要求していました。
バイデン大統領は「ウクライナに対する米国の支援が中断されることは、いかなる状況においても許されない」と述べ、マッカーシー下院議長がウクライナ支援策を別途可決することを約束したと付け加えました。
しかし、アメリカの新会計年度が始まる10月1日までにアメリカ連邦議会が新たな歳出法案について共和・民主両党が合意に至らなければ、連邦政府の多くの部分が閉鎖を余儀なくされところでした。アメリカの連邦議会は、会計年度ごとに新たな予算案を可決しなければいけません。
いわゆる、この「つなぎ予算」が成立しなければ何が起きていたのでしょうか。
議会が予算案で合意できなければ、ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)トップが連邦政府全体に、閉鎖を開始せよという指示を出すことになっていました。
(政府機関への影響)
軍と法執行機関の制服組は任務を継続するようです。各機関が過去に公表した政府閉鎖を巡る計画によれば、国土安全保障省など一部の機関では多くの職員が出勤し続ける可能性が高く、例えば商務省では大半の職員が帰宅を命じられます。
ただし、ホワイトハウスはかなり広範な裁量を持ち、職員を仕事に呼び出したり、自宅で待機させたりすることができるそうです。
出勤にせよ自宅待機にせよ、政府機関の閉鎖中、約450万人いる連邦職員は誰も給与を受け取れません。2019年に成立した法律に基づき、政府機関の再開後、職員に対する未払い賃金が補償されます。
必要不可欠な政府サービスの多くは、閉鎖中も継続されます。米国債の元利払いは行われます。社会保障制度の給付金小切手は配送されるし、郵便物も届けられます。
その他の日常的な政府業務、例えば、一部の食品検査や中小企業への融資承認などは、一時的に停止する可能性があります。
(政府の請負業者への影響)
政府職員と政府の請負業者は、最も深刻な影響を受ける可能性がある。2019年には一部の公務員が請求書の支払いに窮するケースが発生し、連邦政府と契約を結ぶ業者は請求書が処理されなかったり、政府の建物から閉め出されたりした。政府職員と異なり、請負業者は閉鎖中に失った仕事の報酬を補償されないようです。
(旅行者への影響)
旅行者が足止めされることはありませんが、遅れや混乱に直面する可能性はあるようです。2019年の政府閉鎖中には、運輸保安局(TSA)の多くの職員が給与の支払い停止を受け、出勤を取りやめました。その結果、全米各地の空港で待ち時間が長くなる事態となりました。少数の航空管制官が一部の空港で「病欠」したことにより、航空交通に障害が起きたこともあります。たとえ短い閉鎖であっても新人管制官の研修が中断され、人員不足解消の取り組みが大きく後退しかねないようです。
米国入国者をチェックする税関・国境警備局(CBP)では、2022年に公表された政府閉鎖を巡る計画によると、大半の職員が引き続き業務にあたる見込みのようです。
(国立公園・国立博物館)
政府機関閉鎖が数日以上にわたり続く場合、多くの国立公園や博物館は閉鎖するか運営業務を縮小する公算が大きいとのこと。詳細は公園ごとに異なる可能性があります。
(学生ローンの返済)
政府が提供する連邦学生ローンの返済猶予措置が終わり、借り手は10月1日から返済を再開することになりますが、それが政府機関閉鎖の開始と重なる可能性がありました。それでも借り手は返済を行う必要があります。
(経済への影響)
米政府支出は国内総生産(GDP)の約4分の1を占めています。突然その支出が鈍化すれば、またそれが数週間続くとなればなおさら、経済に目に見える影響を及ぼす可能性があります。
一部の資産によれば、政府閉鎖によってGDP成長率が年率換算で毎週0.2ポイントずつ押し下げられると予想。2019年に5週間続いた一部閉鎖の後、米議会予算局(CBO)は経済損失が約110億ドル(現在のレートで約1兆6000億円)生じたと推計。このうち30億ドルは取り戻せないとのことです。同年の場合、一部機関はすでに予算を確保していたため、業務を停止しなくてもすみました。
以上が、つなぎ予算が成立しなかった場合の影響です。
連邦政府の閉鎖は、上下両院が10月1日の会計年度開始前に承認しなくてはならない政府支出のうち、約30%について合意できない場合に起きることになっていました。今回のつなぎ予算成立で、少なくとも今回は連邦政府の閉鎖は免れました。しかし、この法案は11月17日までの暫定予算です。こうした騒ぎは、つなぎ予算の期限が切れる45日後に再び繰り返される可能性が高いでしょう。共和党と民主党、そして共和党内部で、政府支出の程度や政策をめぐる根本的な意見の相違が解消されていないからです。
短期的法案の可決のために民主党票に頼るというマカーシー連邦下院議長の決断は、強硬右派が下院で反乱を起こすきっかけになる可能性があります。マカーシー議長を指導者の座から排除しようとする強硬派が、今後いわゆる「立ち退き動議」を提出するかどうかが注目されます。
マカーシー議長は9月30日の記者会見で、自身に反発する議員に対し、「議会には大人がいるはずなので」、「私に対して動議を出したいなら、そうすればいい」と挑戦的に述べました。
米経済はすでに高い金利や自動車労働者のストライキ、連邦学生ローンの返済再開などを背景に、秋に入って不透明感に覆われています。どうなるのでしょうか。
アメリカの大学は高い!:デューク大学1年目秋学期の費用(4万5,900.40ドル)
次女は、本年(2023年)8月からノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大学に通っています。
アメリカの大学の授業料は高額で有名ですが、デューク大学はどうでしょうか。
授業料や寮費等をしたためてみます。
⚫️デューク大学1年生 秋学期分費用
・授業料:$3万1,725ドル
・寮費:4,942ドル
・食費:4,247ドル
・健康保険料:3,282.12ドル
・ヘルス費:472.50ドル
・リクリエーション費:180ドル
・学生活動費:149ドル
・学生サービス費:376ドル
・初期登録料:180ドル
・ノースカロライナ州税(寮費分):250.28ドル
・ノースカロライナ州税(食費分):68.25ドル
・レジデンシャル・プログラム費:55.25ドル
・デューク・メール・ボックス費:38ドル
計4万5,990.40ドル(秋学期分)
なんと,半年分で4万5,990.40ドルです。
春学期分も同じくらいの額だとすると,日本円で軽く1200万円を超えてしまいます。
長女が受けたアメリカの大学の奨学金と学生ローン
長女は、現在アメリカの大学の4年生。
大学1年生のときから、返済不要の奨学金を受けています。
その額の変遷を記そうと思います。
⭕️長女が受けたアメリカの大学の返済不要の奨学金
・大学1年:1万5,400ドル
・大学2年:3万5,400ドル
・大学3年:3万5,700ドル
・大学4年:5万3,200ドル(見込み)
合計:13万9,700ドル
こう見ると、長女の大学での評価がよかったのか、年々、親の負担は減っています。今年に限って言えば、次女も大学生になったことが大きく考慮されていると思います。
次に、長女の連邦政府から受けた学生ローンを書きます。これは長女は社会人になって返済するものですが、連邦政府からのローンである限り、「年収の数パーセントの返済」という条件になっているようで、日本の学生ローンのように大きな負担になることはないようです。年収が低ければ返済する額も少なくて済むからです。気をつけなければならないことは、連邦政府以外から、たとえば民間の銀行から借りた場合は、将来返済が大変になるとよく聞きます。なぜなら、年収を問わず、毎年(毎月)返済する額は同じだからです。
⭕️長女が受けたアメリカの大学の学生ローン
・大学1年:1万1,402ドル
・大学2年:1万0,392ドル
・大学3年:5,442ドル
・大学4年:5,442ドル(見込み)
Saturday, September 30, 2023
アメリカの大学4年生(最終学年)の長女の秋学期の授業料の支払い
長女は、今年(2023年)9月からアメリカの大学の最終学年である4年生になりました。
7月14日、秋学期分の授業料を含む費用9,424ドルを大学にオンラインで済ませました。費用を整理して、再び記します。
⭕️長女のアメリカの大学4年生の秋学期分の費用。
・授業料:3万3,179ドル
・健康保険料:4,080ドル
・ヘルスサービス料:1,090ドル
・活動費:396ドル
合計3万8,745ドル
長女は、今はキャンパスの外でハウスシェアをしているので、これらの住居費や食費は含まない、授業料を中心とする大学に支払う費用は、秋学期分で3万8,745ドルです。これは今のレート(1ドル=約150円)で581万1,750円。
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⭕️長女が大学よりもらっている奨学金や学生ローン(秋学期分)
・返済不要の奨学金(grant):2万6,600ドル
・学生ローン:2,721ドル
合計2万9,321ドル
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次女が大学生になったおかげで、親の負担が増えるということで、返済不要の奨学金を秋学期分として2万6,600ドルもいただきました。昨年の秋学期分の奨学金は1万7,850ドルですから、8,750ドルも多くいただいたことになります。
大学の授業料関係経費3万8,745ドルと奨学金及びローンの合計2万9,321ドルの差額は9,424ドル。これが親がポケットから支払う金額となります。今の為替レートで 141万3,600円。高額ですが、払えない額ではなありません。
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残念ながら、大学関係経費は、これだけではありません。
⭕️シェアハウスをしている家賃と食費、光熱費等
・家賃:月1,050ドル、年1万2,600ドル
・光熱費:年間500ドル程度
・食事代:年間1000ドル程度
・お小遣い:月200ドル、年2,400ドル
よって、大学の生活費には、年に1万6,500ドル(247万5千円)かかります。
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なお、大学の授業料関係経費から奨学金及びローンを引いた額9,424ドルが春学期分も同じ額だと想定すると、上述したように1年で1万8,484ドル。1年分の「生活費」1万6,500ドルを合わせると、3万4,984ドル。今のレートで524万7,600円。
大学から約800万円も奨学金をいただきながら、親が支払う金額が約525万円なんて、アメリカの大学はやはり高いです。円安は親の懐を痛めます。
Friday, September 29, 2023
英国の大学の授業料は安い?(アメリカ・デューク大学との比較)
アメリカの大学の授業料は年6万ドル台。今のレートで900万円。これに寮費、食事代、健康保険料諸々を加えると、年9万ドルを超えます。9万ドルは今のレート(1ドル=150円)で約1200万円です。
次女のデューク大学1年生の例を例示します。
23−24年秋学期
授業料:3万1725ドル
寮費:4942ドル
食事代:4272ドル
ノースカロライナ税(寮費):250.28ドル
ノースカロライナ税(食事代):68.25ドル)
健康保険料:3282ドル
Health Fee:472.50ドル
Residential Programming Fee:55.25ドル
Student Activity Fee:149ドル
Student Service Fee:376ドル
Duke Mail Box:38ドル
Recreation Fee:180ドル
First Time Registration:180ドル
計4万5990.28ドル=689万8542ドル(今のレート1ドル=約150円)
春学期分も同じ額であるとすると、単純に2倍すると1379万7084円となります.
アメリカの大学は、1年間で1379万7084円。
4年間で、5518万8336円となります。
日本の大学と比べると、かなり高額でだと思います。
しかし、他の国の大学はどうでしょうか。
英国の例を見てみます。
英国の大学システムは世界の上位100大学に11校、上位10大学に3校が入るほどの高い水準を誇り、世界的に重要な研究にとっても並外れた影響力を持っています。
しかし、英国はでは国内の学部生全てに対して政府が授業料の上限を設けています。インフレによるコスト急上昇にもかかわらず、その上限は2010年から事実上凍結されているそうです。米国の大学では最高の設備と研究を競い合う中で授業料が高騰し、学生に債務危機が広がっていますが、英国の大学は全く逆の問題を抱えているようです。大学側が授業料を十分得られない状況にあるということです。
大学は研究費から教員の給与、寮の部屋に至るまで何もかも節約しているほか、オンライン授業を増やしているようです。また市場価格の授業料を徴収できる留学生への依存を強め、自国の学生が減りつつあります。また、英国では数世代ぶりに10代の大学進学率が低下しています。
英国では、直近の年度に約30大学が赤字を計上しました。今年度はそれが3倍に増え、全体の約4分の1を占める可能性があるとのこと。昨年、賃上げを求める教員のストライキは約83大学に影響が及びました。
英国の大学の大多数は公立で、政府の年間予算に財源が組み込まれています。つまり授業料を決めるのは政治家や官僚であって大学ではないということです。学費が有料に変わった1998年以降、政府は授業料の水準を3度引き上げ、学生から猛反発を食らいました。
高インフレの影響で英国の平均給与が過去2年間下がっている中、英国政府が大学の授業料を値上げすることは当面ないと言われています。
これでは、質の高い教育を提供できなくなる可能性があるとの声もあるようです。最も優秀な人材を大学に呼び込めなくなり、サービスと知識で成り立つ英国経済に影響が波及する可能性があるとも。
英国では国内学生向け年間授業料が引き上げられたのは2012年以降に一度だけありました。2017年に9000ポンドから9250ポンド(約163万円から約168万円)に2.8%値上がりしました。2012年以降の学費はインフレ調整後の実質値で約3分の1減少しています。仮に授業料をインフレに連動させれば、1万4000ポンド近くになっていると推計されます。
英国のインフレが年率2%だった頃、授業料の上限はさほど大きな問題になっていませんでしたが、2022年に物価は平均8%上昇し、今年は7%前後上昇する可能性が高いため、相当な違いが生じています。
したがって、英国大学の目の前の課題は、コスト削減です。管理部門のスタッフや教員の一部を削減し、教育・研究分野の一部を縮小せざるを得ません。研究資金の持続可能性に問題が生じ、システム全体がきしみつつあるとの指摘もあります。
新型コロナウイルス禍の後もなお、英国の大学はオンライン教育に大きく依存しています。
英国の大学が収入増を求める中でここ数年、外国人留学生の数は急増し、留学生向け授業料も跳ね上がっているようです。ある大学の外国人留学生の平均授業料は2017年の1万8000ポンド(約326万円)から2万3750ポンド(約431万円)に上昇。これは米私立大学の授業料の上昇ペースを超えています。そのため、英国の大学には国内出身者よりも外国人留学生を優先するインセンティブが働いているようです。
アメリカのデューク大学の授業料は3万1725ドルですから今のレートで約475万8750円です。
こう比較すると、英国の大学の外国人の授業料(431万円)とデューク大学のアメリカ人の授業料(475.8万円)はあまり変わりませんね。
英国の大学にしろ、アメリカの大学にしろ、日本人にとってはかなり高額ですね。
Saturday, September 23, 2023
中国経済の「日本化」?
現在の中国の経済は、「日本化」していると言われています。
(中国経済の日本化)
「日本化」とは、日本が1990年代以降、好況から低成長、人口減少、デフレへと移行した経済停滞をさすようです。現在の中国経済が似たような様相を呈していると多くのエコノミストが指摘しています。
もっとも、中国の問題は多くの面で日本よりも扱いにくいかもしれません。一部の指標では、中国の公的債務残高は当時の日本よりも多く、人口構成はより厳しいです。中国が直面している地政学的緊張は、かつて日本が直面した対米貿易摩擦を超越しています。また、民間部門を厳しく取り締まっている中国政府は、イデオロギー的に当時の日本政府よりも経済成長の支援に消極的に見えています。
中国政府がもっと強力な措置を取らなければ、日本と同様の長期的な景気低迷に陥る可能性があるとの指摘もあります。中国政府はここ数週間、緩やかな金利引き下げなどの断片的な施策は講じましたが、成長回復に向けた大型刺激策の導入は控えています。
果たして、中国は「日本化」に向かうのでしょうか。中国の全般的な成長見通しは、以前の日本よりも急速に悪化している可能性があるとの見方もあります。
(日本との共通点)
現在の中国と30年前の日本には、重債務、高齢化、デフレの兆候など、多くの共通点があります。
(日本のバブル崩壊)
戦後の長い景気拡大期に日本は輸出大国となり、その後、90年代初頭に不動産と株式市場のバブルが崩壊し、経済は急速に衰えました。政策当局者が金利を事実上ゼロまで引き下げたものの、消費者や企業は新規の支出・投資に向けた借り入れではなく、債務返済によるバランスシートの修復に集中したため、成長は回復しませんでした。
(中国のバブル崩壊?)
中国でもまた、桁外れの経済成長が長年続いた後、不動産バブルがはじけました。中国政府は借り入れや消費促進に努めていますが、消費者は住宅ローンを繰り上げ返済しています。
民間企業も金利低下にもかかわらず投資に消極的で、中国では金融緩和が効力を失いつつあるのではないかという指摘もあります。
(中国の強み:日本との違い)
一方で、日本のような長年の経済停滞に中国が陥るとは限らないとの指摘もあります。中国には日本になかった強みがいくつかあります。
(1)まず、今後数年間の経済成長率は、90年代の日本をはるかに上回る公算が大きいことが挙げられます。
(2)中国の資産バブルはかつての日本ほど大きくありません。国内総生産(GDP)に対する不動産価格の比率は2014年時点で170%、20年には260%でピークに達しました。中国政府統計によれば、住宅価格はこのピークからわずかに下落したにとどまっています。株式市場の価値は21年にGDP比80%という直近のピークを迎えましたが、現在は67%となっています。
日本ではGDPに占める地価の割合が1990年には560%に達しましたが、94年には394%まで下落。1982年にはGDPの34%だった東京証券取引所の時価総額は、89年には142%まで上昇しました。
(3)現在の中国の強みとして都市化率の低さも指摘されています。日本では1988年時点の都市化率が77%でしたが、中国では2022年で65%となっています。人々が都市に移住して非農業部門の仕事に就くことで、生産性と成長率を高められる可能性があります。
(4)また、中国は資本市場の管理が厳格で、輸出に打撃を与える急速な通貨高のリスクは低いと言われています。日本はここ数十年の間に何度か急激な円高への対応に迫られ、それが経済的苦境を助長することもありました。
以上の点を勘案すると、中国がバランスシート不況に陥るという懸念は行き過ぎだと指摘するエコノミストもいます。
(日本よりも対応が難しい中国の問題)
しかし、現在の中国経済は、日本よりも対応が難しい問題が多くあるとの指摘もあります。
(1)まず、中国のほうが高齢化が深刻で、人口は2022年に減少に転じました。日本で人口が減り始めたのは2008年以降で、バブル崩壊からは20年近くたっていました。
(2)また、中国は先進国の地位を獲得する前に長期的な成長率低下の時期に突入します。豊かになる前に年を取ってしまうということです。2022年の中国の一人当たり所得は1万2850ドルで、1991年の日本の2万9080ドルをはるかに下回っています。
(3)債務の問題もあります。中国の地方政府によるバランスシート外の借り入れも含めると、中国の公的債務総額は2022年にGDPの95%に達したとみられていますが、日本の1991年時点の対GDP比率は62%でした。中国当局が財政刺激策を追求する能力は限られるとも言われています。
(4)外圧も中国のほうが圧倒的に厳しいです。日本は貿易相手国から多くの非難を浴びましたが、安全保障面で米国と同盟関係にあり、現在の米中関係の「新冷戦」のリスクは存在しませんでした。現在、米国と同盟国は、中国の先端技術へのアクセスを阻止し、同国のサプライチェーンへの依存を軽減しようと努めています。これが今年、対中直接投資の急減を引き起こし、長期的には成長を大幅に減速させる可能性もあります。
(5)中国政府が長期停滞のリスクを過小評価し、その回避に向けた取り組みを怠っているとの懸念もあります。主要金利の緩やかな引き下げ、マンション購入額に占める頭金の比率引き下げ、民間部門への声高な支援表明は、これまでのところ信頼感の回復にほとんどつながっていません。中国を再び成長軌道に乗せるためには、財政・金融・不動産の各政策でより協調的な緩和が必要であるとの指摘もあります。ただ、習近平国家主席は家計や消費者に対する政府支援は「福祉主義」だとして、拡充には思想的に反対の立場です。
果たして、中国の「日本化」はあるのでしょうか。。。
バイデン大統領の弾劾調査の見通し
下院委員会の広報担当者は、9月28日の審問では憲法上、法律上の問題点に焦点が当たるだろうと述べました。
Saturday, September 9, 2023
トランプ前大統領、サウスダコタ州知事の指示を取り付ける
9月8日(金)、トランプ前大統領は、サウスダコタ州での選挙集会に登場しました。2020年米大統領選挙への干渉に関する罪でジョージア州フルトン郡で起訴されて以来、初めて公の場に姿を現した集会となりました。
同集会に、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム州知事も出席し、トランプ前大統領は「合衆国大統領として完全かつ全面的に支持する」と述べ、トランプ前大統領への支持を公式に表明しました。
「これらの問題でなすべきことをやってくれると私が信頼しているのは、トランプ大統領だけです。他の候補者たちは、本当に重要なとき、国のために正しいことをするのが難しいときに戦っているのを見たことがない」とノーム州知事は述べました。
トランプ前大統領は、自分に対する91件の刑事告発は政治的な動機によるもので、再選を阻むためのものだとの主張を述べ、「われわれの国を取り戻す」ために「死に物狂いで戦う」よう支持者に呼びかけました。また、「我々は共に戦い、共に勝利し、そして共に正義を求める」と支持者に訴えました。
4つの起訴にまたがる重罪への対応に多くの時間を割いているトランプ前大統領は、2024年米大統領選挙において、共和党予備選でリードを広げています。
今週発表されたある報道機関の世論調査によると、トランプ前大統領は対立候補であるデサンティス・フロリダ州知事氏に30ポイント以上の差をつけています。
Tuesday, September 5, 2023
カマラ・ハリス米副大統領は「ウサギの耳」
ジャーナリストのフランクリン・フォア氏が最近『The Last Politician』という本をだしました。その著書によると、カマラ・ハリス米副大統領は自分がどう見られているか不安でたまらず、「ウサギの耳」と呼ばれているそうです。
ハリス副大統領が自分のチームの不始末に関する「破滅的な記事」をオンラインで読んだとき、彼女は「記者に協力していると疑われた補佐官を一時的に凍結させることで対応した」とフォア氏は書いています。
この本は、バイデン大統領とハリス副大統領の間の力関係を掘り下げています。
フォア氏は、「バイデン大統領は彼女に "非の打ちどころのない敬意 "をもって接したが、オバマ政権で当時のバイデン副大統領が果たした実質的な役割をハリス副大統領に渡さなかった」と書いています。バイデン大統領は、「オバマ大統領がバイデン副大統領を必要としたのと同じように、ハリス副大統領を必要としていなかった」とも書かれています。
フォア氏によると、バイデン大統領が就任した当初は、ハリス副大統領と毎週ランチをする予定でしたが、次第に予定が合わなくなり、「バイデン大統領はハリス副大統領を指導する義務を特に感じていなかった」と書いています。
厳しい評価ですね。