先週末、米株式相場は反発しました。S&P500種株価指数は週間ベースでは5週間ぶりの上昇となりました。
9月雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る伸びとなり、米金融当局による追加利上げの論拠を強める格好となりました。
9月の雇用統計はリセッションを予想する声と整合しているとの指摘もあります。非農業部門雇用者数の伸びについて現時点で米経済には明るいニュースですが、市場と金融当局にとってはそれほど良いニュースではないかもしれません。
米国債利回りは雇用統計発表直後に急伸しています。10年債利回りは一時17ベーシスポイント上昇の4.89%、30年債の利回りは一時16bp上昇の5.05%と、それぞれ2007年以来の高水準に達しました。10年債利回りと30年債利回りは週間ベースではともに20pを超える上昇と、昨年12月以来の大幅高となりました。それに比べると短期債利回りの上昇は限定的でした。先物トレーダーは連邦公開市場委員会(FOMC)が12月会合で政策金利を0.25ポイント引き上げる確率を50%強とみています。11月は利上げ見送りの可能性が高いとみられています。
ドルは、雇用統計発表直後は力強く上昇しましたが、国債利回りが伸び悩むと失速し、下げに転じました。主要10通貨では円が唯一、対ドルで下落。一時は149円53銭まで売られました。
金利市場の反応が年内追加利上げ観測の高まりというより、主として利下げ観測の後退に集中した感じです。
先週、ニューヨーク原油先物相場は反発しました。ただし、週間では9%下げ、3月以来の大幅安となりました。追加利上げの可能性が金融市場を混乱させ、現物市場でのタイトな状況を打ち消す格好となりました。
追加利上げや金利高止まりへの懸念が強まっていることが、最近の原油安の背景にあるようです。同時に、テクニカルな売りやアルゴリズムに基づいた取引も下げにつながりました。
ニューヨーク金相場は反発しました。米雇用者数が予想を大幅に上回り、米国債利回りが上昇したため金は一時下げたものの、上げに転じました。
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