Sunday, June 26, 2022

米連邦最高裁、73年の人工妊娠中絶判決(ロー対ウェイド判決)を覆す

米連邦最高裁は6月24日、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下しました。今回の訴訟は、妊娠15週以降の中絶を禁止するミシシッピー州法は「ロー対ウェイド」判決などに照らして違憲だとする同州のクリニックの訴えに基づくもので、当該ミシシッピ州の州法の合憲性が争われていました。保守派判事6人が合憲と判断、リベラル派判事3人が反対しました。


1973年の「ロー対ウェイド判決」について最高裁は「憲法は中絶の権利を与えていない」と断言し、「中絶を規制する権限は国民と国民に選ばれた議員に戻される」と指摘しました。


「ロー対ウェイド判決」を覆す判断については、保守派判事5人が支持、リベラル派判事3人が反対しました。ミシシッピ州法を支持したロバーツ最高裁長官は、ロー対ウェイド判決を覆す判断は示しませんでした。


リベラル派のブライヤー、ソトマイヨール、ケーガンの3判事は反対意見を共同執筆し、「今回の判断の結果は明らかだ。女性の権利および自由で平等な市民としての地位を縮小させる」という認識を示しました。


1973年の「ロー対ウェイド判決」は、胎児が子宮外で育成可能になる妊娠24ー28週間までの女性の人工中絶権を全面的に認め、6カ月までも条件付きで認める内容です。この時期まで、女性が人工中絶を選ぶ権利は憲法が保障するものだと認めました。


1992年には、女性の中絶の権利を認めた同判決の中核部分を支持する判断が5対4の僅差で支持されました。その際、共和党大統領が指名したアンソニー・ケネディ判事が最後に考えを変え、判例維持に回りました。


今回の判決で「ロー対ウェイド」判例が覆されたため、いわゆる「トリガー法」(連邦最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆せば自動的に施行される、中絶禁止の州法)を用意し、すでに施行した13州を含め、26州が中絶規制を強化する可能性があります。各州がすでに可決もしくは可決しようとしている州法案から判断すると、強姦や近親相姦による妊娠の中絶は例外的に認める規定がある州は、3割以下とのことです。こうした州に住む女性は、別の州の医療機関に移動する経済的コストを被るほか、州によっては訴訟を起こされるリスクがあります。


オクラホマ州では、アメリカで最も厳しい中絶禁止法を5月下旬に施行されていました。同州では、受胎の瞬間から中絶は禁止されています。妊婦の安全が危険にさらされる医療上の緊急事態を除き、ほとんどの例外は認められていません。


引き続き中絶権が守られている州は、20州とのこと。出産年齢の女性約2650万人がその20州に住んでいるそうです。


中絶が禁止される州で中絶クリニックが次々と閉じる中、中絶を認める州との州境近くでは中絶クリニックが増えると予想されています。合法的に中絶手術を受けられる場所へ移動する時間や資金がない人は、違法だとしてもオンラインで経口中絶薬を注文するなど、他の手段を選ぶ可能性が高くなると言われています。


2019年のアメリカでは、60万~80万件の中絶手術が行われました。米疾病対策センター(CDC)によれば、6件に1件の妊娠は中絶され、その90%以上は妊娠15週までの初期に行われました。中絶手術を受ける半数以上の女性はすでにほかに子供がいる母親で、ほとんどの人にとって初めての中絶となりました。妊娠中絶する女性の過半数が20代で、2019年には56.9%を占めました。


米国では、中絶は、米国内で女性の自己決定権を重視する支持派と、胎児の生命を重んじる反対派が長年にわたって激しく対立してきました。女性の選択の自由を支持するバイデン政権は中絶の権利の法制化を目指しており、11月の中間選挙で争点化しようとしています。


中間選挙で大敗する可能性のある民主党は、中絶問題を理由に、女性の選択権を重視する女性たちが自分たちに投票してくれるよう期待しています。しかし、たとえ中間選挙で民主党が上下両院の多数党であり続けたとしても、この最高裁判決を覆すことはできません。


対照的に、全米で中絶を禁止する連邦法を成立させたい共和党の議員は大勢おり、仮に次の選挙で共和党が議会の多数を占めた場合は、それが次の争点になるのかもしれません。また、憲法は中絶権を保障しないとした今回の論法が、同性婚を禁止するためにも使われる可能性も指摘されています。


現在の最高裁の結果は、トランプ前大統領が判事を3人指名したことが大きかったと思います。2016年大統領選挙で、当時のトランプ候補は、「ロー対ウェイド」判決を覆す裁判官を指名すると公約しました。具体的には、トランプ候補は、民主党のヒラリー・クリントン候補を相手にした16年の大統領選候補者討論会で、「ロー対ウェイド」判決を覆す判断をする最高裁判事を指名すると約束しました。


トランプ氏は、大統領退任から17ヶ月を経て、選挙公約の実現を果たしたことになります。4年間の大統領在任期間にトランプ大統領の指名人事により保守派が過半数となりました。当時のトランプ大統領は2017年にニール・ゴーサッチ氏、18年にブレット・カバノー氏、20年にエイミー・バレット氏の計3人の保守派裁判官を最高裁判事に指名。16年の就任時にはリベラル派が4人、保守派が4人と拮抗していた最高裁のバランスは、トランプ氏の離任時には保守派6人、リベラル派が3人と、保守派の優勢となりました。今回の判決では、トランプ大統領が指名した3人の判事はいずれも「ロー対ウェイド」判決を覆す多数意見を支持しました。


トランプ氏が大統領在任中に保守派判事3人を選んだことの影響は計り知れず、今後も様々な判決を通してその影響は続くことになります。

Monday, June 20, 2022

コモンアップ:エッセイ

アメリカの大多数の大学は、様々な書類から、出願者の学業成績(GPA)、経歴、リーダーとしての素質、志望動機を審査します。900校近い大学が、「コモン・アプリケーション(Common Application) (通称コモンアップ)」と呼ばれる共通願書を採用しており、出願者は、個人情報、学歴、成績(PGA)、共通テスト(SAT/ACT)のスコア、課外活動やリーダーシップ活動、先生からの推薦状、エッセイを入力します。全てを入力すれば、最後に送信ボタンを押して願書を提出せば終わりです。


エッセイは、大学入学プロセスの中で最も重要です。学校の成績は、高校4年間に受けた授業での努力の結果の反映であり、SATや ACTの点数は、受験者の実力の一面に過ぎません。担任教師の推薦状は、他の生徒を比較した教師の見解です。


それに引き換えエッセイは、受験者の準備と努力が直接反映されます。何度も見直して書き換え、先生などの意見も聞いてみることができます。大学に提出する書類の中でエッセイは、自分自身が書いた唯一のものであり、選考プロセスでエッセイが大学のアドミションオフィスの担当官の目に留まるかどうかのカギともなります。


アメリカの大学に合格するためには、PGAやSAT/ACTの点数のような定量的情報と、定性要素を提出する必要があります。アドミションオフィスの担当官がが後者の定性要素で出願者を比べるのは難しいでしょう。PGA、SAT/ACTの点数、課外活動は名門大学に合格するには欠かせないものですが、非常に狭き門であるからこそ、他の出願者よりも自分を際立たせる何かが必要になります。


そのためエッセイが重要視されるわけです。出願者はエッセイを通してアドミションオフィスの担当官に自分に関する主張を唱えるのです。


希望の大学に合格したいのであれば、印象に残るコモンアップのエッセイを書くことが最重要でしょう。エッセイでは、自分の生い立ち、家族、経歴、知的興味、そして将来の計画(大学で学びたいこと、大学卒業後の夢)に踏み込むと良いと言われています。エッセイの最終的な目的は、それを読んだ入試担当責任者が、受験者の人物像を捉え、応募の動機を理解し、「この生徒にうちの大学で学んでほしい」と思わせることです。


そのためには野心的になる必要があります。入学願書で自分の夢を語り、将来の計画を明確に述べた方が良いでしょう。

650語のエッセイを通して、どうすれば他の受験者より自身を際立たせることができるかを考える必要があります。


コモンアップのエッセイは、7つのトピックから1つを選んで書くようです。数年前のコモンアップのエッセイの7つのトピックは以下の通りです。


①自分自身のアイデンティティーの核となる背景やストーリーがあり、それなしでアプリケーションは完結できないと信じている学生がいます。あなたもそうであれば、そのストーリーを聞かせてください。


②自分が遭遇する障害から学ぶものは、将来の成功に繋がるかもしれません。困難や、進歩の妨げになった事や、失敗した時の事を語って下さい。そして、その事が今のあなたにどう影響したか、その経験から何を学びましたか?


③あなたがある信念や考え方に疑問を呈したり、挑戦したりした時のことを思い出してください。あなたはどう考えましたか? 結果はどうでしたか?


④あなたが解決した課題や解決したい課題について述べてください。知的な挑戦、研究上の疑問、倫理的な葛藤など、個人的に重要なものであれば、規模は問いません。あなたにとっての重要性を説明し、解決策を特定するために取った手順を示してください。


⑤成果や出来事、新たな認識など、自分自身の成長や自分や他人に対する新しい理解をもたらした事柄について説明してください。


⑥時間を忘れて取り組みたくなるようなトピック、アイデア、コンセプトを説明してください。なぜそれはあなたを惹きつけるのですか? 何が、誰があなたをそうさせたのですか?


⑦あなたが自由に選んだトピックについてエッセイを書いてください。あなたがすでに書いたもの、異なる質問への回答、あなた自身が考案したものなど、何でも結構です。


以上、が7つのエッセイのテーマです。どのテーマを選択するにしろ、アドミッション エッセイとは、どのような人間であるか大学に知っても らうための手段であることを忘れないことが重要です。大学側は、模範解答を追 求しただけのありきたりな内容よりも、個性や能力を自信を持 ってアピールできているエッセイを求めているはずです。

次女のカレッジ・アプリケーション・プロセス開始

次女は6月2日に高校11年生を終えました。いよいよ今年の8月下旬から高校最終学年となる12年生になります。


次女にとり今年で最も重要なことはアメリカの大学に願書を出すことです。出願書類はオンラインで受け付けるのが一般的です。個々の大学が独自のアプリケーション・フォームを用意している場合もありますが、近年は多くの大学で共通で利用できるアプリケーション・サービスを採用する大学が増えています。中でも、最も多くの大学に採用されているのが「コモン・アプリケーション(通称Common App(コモンアップ))」です。


コモンアップは、非営利団体によって運営されている、大学のアプリケーションのサービスです。このサービスを利用することで受験生にとっては複数の大学を受験しやすくなり、大学側にとっても、受験者数の増加が見込めるため、年々採用する大学が増えています。コモンアップは、アイビー・リーグの各大学をはじめ有名私立大学に出願するためのシステムとして知られていますが、120校以上の州立大学でも採用されています。即ち、コモンアップは最も多くの大学で採用されている共通出願システムであり、アメリカの大学を受験する学生が、最初に取り組むべきアプリケーションです。


コモン・アップ提出の期限は1月1日ですが、アメリカには、「合格したら必ずその大学に入学する」という約束を交わす「Early Decision」というシステムがあり、この「Early Decision」の期限は11月1日のため、「Early Decision」を利用する場合、コモンアップの提出期限は11月1日となります。「Early Decision」で出願するのは、自分がどうしても行きたいと考える大学1校のみ。その他の大学へは、通常の出願方法(Regular Decision)であれば出願してもかまいません。


「Early Decision」を利用してコモンアップを提出した場合、通常12月中旬に結果が判明します。通常枠(Regular Decision)での願書提出期限が1月1日ですから、通常枠で願書を提出する前に、「Early Decision」の結果が判明することになります。


「Early Decision」で出願することは、合格したらその大学に必ずいくことを約束していますので、通常枠である「Regular Decision」に比べて合格率が高いと言われます。


ユニバーサル・カレッジ・アプリケーションも共通出願システムの一つです。エッセイや推薦状が不要なアドミッションにも対応できることから、より自由度の高い出願システムを求める大学を中心に採用されてきました。しかし、最近は、コモンアップとの違いがあまりなくなったことと、コアリションの台頭により、ユニバーサル・カレッジ・アプリケーションを採用する大学は減り、今ではこのアプリケーションを採用する大学は激減しています。


その他の出願システムとして、特定の地域、学校群を対象とした共通出願システムを採用する大学もあります。UCスクール10校(バークレー、デービス、アーバイン、ロサンゼルス(UCLA)、マーセド、リバーサイド、サンディエゴ、サンフランシスコ、サンタバーバラ、サンタクルーズ)への共通の出願システムは有名です。Apply Texas(applytexas.org) はテキサス州内の私立大学、州立大学への出願システムで、63校で採用されています。Apply SUNY (suny.edu/applysuny)はニューヨーク州立大学への出願システムで、州内の57のキャンパスで採用されています。


2016年から、全米を代表する83校が「コアリション」というグループを作り、新たなアプリケーション・システム「コアリション・アプリケーション」を使っています。この新システムの狙いは、コモン・アプリケーション偏重で同質化しつつあるアドミッションを見直し、各大学が学生の将来性をより的確に評価することです。コアリションには、アイビー・リーグの各校や主要なリベラルアーツ・カレッジ、州立大学など150校以上の大学が加盟しています。


コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションは、どちらもオンラインのプラットフォームで、学生たちが複数の大学に出願が出来るものです。どちらの出願システムも、個人の重要な情報、例えば連絡先、課外活動、成績、エッセイが記入出来ます。コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの出願は基本的にはどちらも無料です。


この2つのシステムは一見類似していますが、実は大きな違いがあります。コモンアップは、出願大学数は20校に制限されていますが、コアリションアップはその制限がありません。コモンアップは、各大学ごとに個々の願書出願を必要ですが、コアリションアップは、同アプリケーションを導入している大学であれば同じ願書を出願可能です。


コモンアップ、コアリションアップなどに加盟せず、大学独自の願書の提出が必要な大学もあります。MITやジョージタウン大学などはそうですので、注意が必要です。


次女は、昨日からコモンアップの記入を始めたようです。次女のカレッジ・アプリケーション・プロセスがいよいよ始まったということでしょうか。長い道のりですが親としては可能な限りの支援をしていくつもりです。

Sunday, June 19, 2022

夏休み:長女はチリで研究調査と財団でインターンシップ、次女は高校で研究調査とインターンシップ

長女は5月中旬に大学2年生が終わり、次女は6月2日に高校11年生が終わり、それぞれ長い夏休みに入りました。


長女は、大学が終わって直ぐにメリーランド州ベセスダの実家に戻り、1週間滞在していました。その後、5月31日から6月17日まで、大学の研究調査のためチリに滞在しました。この研究調査は、米陸軍士官学校(ウエストポイント)と米海軍兵学校(アナポリス)の学生との合同研究調査であり、予算は全て連邦政府から出たようです。そのため、サンティアゴやその他の都市での宿泊は、全て5つ星ホテルに無料で宿泊したため、長女は喜んでいました。


無事チリでの研究調査を終え、6月17日朝5時にヒューストン空港に到着しましたが乗り継ぎ便が機体不良でキャンセルされました。新たな乗り継ぎ便は午後5時発の便となり、結局ヒューストン空港内に12時間滞在しました。午後9時にダレス空港に到着。サンティアゴのホテルを出たのは16日午後2時ですから、ホテルを出てから30時間かかってやっとダレス空港に着きました。


長女は、6月21日から、ワシントンDC内のある財団でインターンとして8月下旬まで働きます。昨年のインターンシップはジョンズ・ホプキンズ大学 高等国際問題研究所(SAIS)ライシャワー東アジア研究所で行いました。今年のインターンシップも国際関係関連の研究調査のようです。しっかり働いて、いろんなことを学び、人脈を広げていってほしいものです。ちなみに今回のインターンシップのお給料は時給16ドルとのこと。


次女は6月2日に夏休みに入り、6月6日にベセスダの実家に戻って来ました。コロナ感染症が収束しつつあることもあり、このところアメリカは、国内線はどこにいくのも超満席です。直行便は料金がすごく高いため、次女は往復とも乗り継ぎ便を利用することに。実家には1週間しか滞在しませんでした。実家に戻ってきた理由は、6月4日(土)にACTテストを受けるためです。どうしてもMathのスコアをもう1点か2点上げる必要があり、online tutorを雇って準備しました。今回実家でACTを受けたのは、次女が寮生活しをしている私立高校の地域では、なぜか6月はSAT/ACTテストを実施してないからです。次女はACTテストを再受験することを当初は嫌がっていましたが、将来大学で環境科学の分野で研究調査を行いたいのであれば、MathとScienceのスコアでもう少し結果を出さないと大学進学に不利になることをようやく納得したようで、今回試験を受けることになりました。試験の手応えを聞いても、なんだからわからない反応で親としてはちょっと心配です。まあ、なるようにしかならないのですが。


次女は6月12日(日)に実家を離れ、寮生活しをしている私立高校がある地域に戻りました。当初は前から続いている環境系の研究を行いながら、高校でサマープロログラムをとる予定でしたが、直前になり、サマープログラムをとることはやめ、高校でインターンをすることになったため、高校の寮に住めなくなりました。焦った私は色々調整した結果、これまで娘さん3人を次女が通っている高校に通わせたあるご家庭が、同じ高校の生徒をホームステイさせていることを知りました。幸いその生徒は夏休みで不在のため、そのご家庭にお願いして、夏休みの間、次女はそのご家庭にホームステイすることになりました。約6週間の滞在で、彼女の部屋の中にバストイレが付いており、1日3食・学校への送り迎え付きで、費用は4900ドルです。寮の食事に辟易していた次女は、毎日美味し食事をとれることに大喜びしています。


ホストファミリーの3人の娘さんは、長女はイェール大学を卒業、次女はプリンストン大学、三女はマウント・ホリヨーク大学に現在通っています。私の次女は、ホストマザーや娘さんたちから大学進学のことを聞いているようで、素晴らしい機会に巡り合えたと感じているようです。イェール大学とプリンストン大学はアイビーリーグの大学で、マウント・ホリヨーク大学は、セブンシスターズ(かつてのアメリカ北東部の名門女子大7校の総称)の一つでアメリカ最古の女子大で、化学や生物などの素晴らしいカリキュラムがあります。


次女は、毎日、ホストマザーに車で高校に送ってもらい、研究とインターンシップを行なっています。ちなみにインターンシップは時給10ドルで1日2時間。週100ドルで6週間で600ドルを稼ぐことになります。


次女は7月23日にベセスダに再び戻ってきます。実家では、大学のアプリケーション・プロセスに没頭することになります。アメリカの多くの大学の共通の願書であるCommon App やUCスクールの共通の願書を書いたり、各大学で要求される追加エッセイを1大学につき1つから6つほど書くことになります。


ともあれ次女にとり今年の夏はとても大事な夏となります。


Monday, May 30, 2022

日本、6月10日より外国人観光客の入国再開へ(当面添乗員付きに限定)

現在日本は、コロナウィルス感染症対策として外国人の入国制限をしているため、査証取得者しか入国できません。このため私の周りの多くのアメリカ人から、早く観光で日本に行きたいので外国人観光客にも入国を認めてほしいとの声をたくさん聞いてきました。円安の影響もありインバウンドの熱は相当高くなっています。


日本政府はこの度、新型コロナの水際対策で止めていた外国人観光客の入国を6月10日から再開することを決めました。アメリカを含む98の国と地域を対象とし、まずは、添乗員付きのツアー客に限定することにしています。


日本政府は、6月1日から一日当たりの入国者数の上限を、今の1万人から2万人に引き上げることにしていて、観光目的の入国もこの枠の中に含まれます。


外国人観光客の受け入れ再開は、新型コロナで大きな打撃を受けた観光業や地域経済の回復につながることも期待されますが、年間3000万人を超えていたコロナ前に戻るには、まだまだ時間がかかる見通しです。


ともあれ、外国人観光客の入国の再開は朗報ですね。円安も重なり訪日需要はますます高まっています。G7各国並みに水際対策の緩和や撤廃がさらに進むことを切望する声は大きいです。


日本政府は、新型コロナウイルスの水際対策が6月1日から緩和されるのを前に、入国時の検査や待機措置を免除する国や地域のリストを公表しました。アメリカや韓国など98の国と地域から入国する場合はワクチンを接種していなくても検査などを免除するとしています。


インドやベトナムなど合わせて99の国や地域については3回のワクチン接種を受けていれば検査や待機措置を免除するとしています。3回接種していない場合は検査を行ったうえで最短でも3日間の自宅などでの待機を求める方針です。


パキスタン、フィジー、アルバニア、シエラレオネの4か国についてはこれまでどおり検査を継続し、3回の接種を受けている場合は自宅で、受けていない場合は国が指定する宿泊施設で最短でも3日間の待機を求めるとしています。


日本政府は、今後の水際対策の在り方について「段階的に平時と同様の受け入れを目指していく。入国者総数の管理を含め、検疫体制や防疫措置の実施状況を勘案し、新型コロナの国内外の感染状況や主要国の水際対策の状況などを踏まえながら適切に判断していく」としています。


コロナ感染症対策は、社会経済活動との両立を徐々に図る局面に至っているということだと思います。

Friday, May 6, 2022

ポップコーンの素:トウモロコシの穀粒(コーン・カーネル(corn kernel))

1985年にスタンフォード大学に留学した時、ルームメートが簡易な「ポップコーン製造機」を持っていました。

これに似たポップコーン製造機でした。

トウモロコシの穀粒を入れてスイッチを入れると、穀粒が入った底から熱風が出ます。この熱風で穀粒が次から次へとはじけてポップコーンになると、ポップコーンは軽いので熱風で押し出されて、製造機の前に置いたボウルに自動的に入ります。トウモロコシの穀粒は、はじけるまでは時間がかかりますが、一つの穀粒がはじけ始めると、次から次へとはじけて、あっという間に穀粒分のポップコーンが出来上がります。


その後、1989年にロサンゼルスで1人で住むようになり、ジャンクフードは体に悪いしお金もないので、「ポップコーン製造機」を20ドル程度で購入しました。今でも20、30ドルで購入できると思います。日本のアマゾンでも、上記写真の製造機は2400円で購入で来ます。


ポップコーン製造機を購入後、すぐにトウモロコシの穀粒を買いに「ラルフス」という大型スーパーに行きました。


そこではたと気づきました。トウモロコシの穀粒を英語でなんというのかわからなかったのです。店員を見つけてポップコーンを作りたいと言ったら、電子レンジでチンしたらすぐにできるタイプの紙袋に入ったポップコーンの素を出してきた。


自分は、「corn seedsが欲しいんだよ」と言いましたが、店員はよくわからない反応でした。「ポップコーン製造機で作リたいんだよ」と言ったら、店員は、「ああ、君が欲しいものは、corn kernelsだね」と言いながら、corn kernelsが並んでいる棚を示してくれました。


私はそこで初めてポップコーンの素はcorn kernels(コーン・カーネル)と呼ぶことを知ったのです。「corn seedsじゃないんだ」と思ったわけです。



では「kernel」とはどういう意味でしょうか。それは、植物の堅果の仁や、外皮の中の実のことをkernelとも呼びます。そして、小麦やトウモロコシの穀粒のこともkernelと呼ぶそうです。したがって、トウモロコシの穀粒は「種」ではないんですね。


トウモロコシには、さまざまな種類があ利ます。例えば、デントコーン、フリントコーン、スイートコーン、フラワーコーン、ワキシーコーン等です。


ポップコーンを作れる種類は、実は一種類しかありません。普段私たちが食べているトウモロコシの穀粒では、ポップコーンは作れないんです。熱で温めても「ポップ」しないそうです。


ポップコーンが作れるトウモロコシの種類を「Zea Mays Everta」と呼びます。この種の穀粒のみが、乾燥した熱にさらされると穀粒の水分が膨張して爆裂(ポップ)してポップコーンになります。

唯一ポップコーンを作れるトウモロコシ、Zea Mays Everta



自家製で作るポップコーンは、原材料がトウモロコシの穀粒だけですから、他のスナック菓子と比べて健康への害がほとんどないと言えるでしょう。もちろん、塩やバターをかけすぎると体によくないと思いますが。


ということで、大昔から私のおやつは、自家製ポップコーンなのです。




Sunday, May 1, 2022

2回目の帯状疱疹 (Shingles) のワクチン接種

昨日、コロナウィルス感染症ワクチンの2回目のブースター接種を終えましたが、本日(5月1日)、帯状疱疹(Shingles)のワクチン接種を受けてきました。


場所は、前回(2021年12月30日)と同じ、そして昨日のブースター接種の場所と同じ「SAFEWAY」の薬局です。


予約は、今朝、携帯のサイトから取りました。簡単に予約が取れたのは、需要が多くないのでしょうかね。「SAFEWAY」の薬局に行き、前回と同じ174ドルを払って、待合室で10分くらい待ちました。昨日のブースター接種は左腕にしたので、帯状疱疹のワクチン接種は右腕にしました。量はブースター・ワクチンの方が少ないためか、今日の帯状疱疹のワクチン接種の方が痛みが大きかったです。


前回の様子は、このサイトで報告しました。

https://lifeinwestchesternyusa.blogspot.com/2021/12/shingles.html


帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。

 

通常、皮膚症状に先行して痛みが生じます。その後皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合があります。多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、これは「帯状疱疹後神経痛(PHN)ピーエイチエヌ」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症です。また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。


帯状疱疹は、多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。


水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏していて、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。発症すると、皮膚の症状だけでなく、神経にも炎症を起こし、痛みが現れます。神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、痛みが続くことがあります。


神経が損傷されることで、皮膚の症状が治った後も痛みが残ることがあり、3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)ピーエイチエヌとよびます。PHNは、「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛みや、「ズキンズキンとする」痛みが特徴です。


PHNになりやすい因子として、年齢(高齢者に多い)、痛みが強い、皮膚症状が重症である、などがあります。50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるといわれています。


帯状疱疹は頭部から顔面に症状が現れることもあり、目の症状として角膜炎や結膜炎、ぶどう膜炎などの合併症を引き起こすことがあります。重症化すると視力低下や失明に至ることがあります。


その他の合併症として、顔面神経麻痺や耳介の帯状疱疹を特徴とする「ラムゼイ・ハント症候群」とよばれるものがあります。耳の神経への影響から、耳鳴り、難聴、めまいなどを生じます。


帯状疱疹は、ワクチンで予防できます。ワクチンには、感染症の原因となる細菌やウイルスの病原性を弱くしたものや、成分の一部を取り出したもの、また病原性を全くなくしたものがあります。ワクチンを体内に接種すると、そのワクチンの成分(細菌やウイルス)に対しての免疫力を高め、病気の発症や重症化を抑えることができます。


帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。


帯状疱疹の発症率は50歳以上で増加し、50代、60代、70代と加齢に伴ってさらに増加します。また、帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクも加齢とともに高くなるといわれています。なお、帯状疱疹のワクチン接種の対象は、50歳以上の方です。


ワクチン接種により、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫力を高めて、帯状疱疹の発症を予防することができます。また帯状疱疹を発症したとしても軽症ですみ、帯状疱疹後神経痛(PHN)などの後遺症の予防にもつながるとのデータもあります。


2回目の帯状疱疹のワクチン接種が終わり、これで当分安心です。



Saturday, April 30, 2022

2回目のブースター接種

今日(4月30日(土))に2回目のブースター接種を受けました。これでコロナワクチンを4回接種したことになります。

場所は前回と同じ近所の大型スーパー「SAFEWAY」の薬局。

2週間前に予約を取り、少し遅れて行きましたが、待ち時間3分、所要時間1分で終わりました。

痛みもなく、現在も副反応は出ていません。前回も出なかったので気にもしていませんが。


今回も過去3回と同じファイザーを接種しました。モデル名を接種しようかどうか迷いましたが、結局同じものを選びました


今日の接種で当面は安心でしょうか。


の数週間、昼夜と毎日のように仕事でいろんな方と食事をしていますが、ワシントンDCのレストランは完全に復活している感じです。食事中は当然ですが、レストランに入る時もワクチン証明書やマスク着用は求められません。


最近、バウザー・ワシントンDC市長、レイモンド商務長官、ガーランド司法長官、ペロシ連邦下院議長、ライス副大統領、サキ・ホワイトハウス報道官、ベディングフィールド大統領広報局長などが次々と感染していますが、世の中は全く気にしていないようです。


これもコロナウィルス感染症による重篤者や死者が増えていないからでしょうか。日本でも毎日感染者数が8千人が続いていましたが、社会は平然としていましたね。同じ理由でしょうね。


最近、多くのアメリカ人の友人から「日本は外国からの観光客を受け入れるよう規制を緩和してほしい」と言われます。私もそうなるよう祈るばかりです。


次女の高校卒業生の進学先

次女はある州にある私立高校に通っています。現在の学年はG11で、日本で言えば高校2年生です。


1863年に創立したキリスト教系の私立学校であり、KからG12までのクラスがあります。幼稚園、小学校、中学校、高校が全て広大な同じ敷地の中にあるわけです。キャンパスの広さは何と25エーカー。即ち、10万1171平方メートルもあるんですね。でも全米のボーディングスクールのキャンパスの平均規模は125エーカーと言われていますので、次女の学校のキャンパスはボーディングスクールの中では小規模です。これは、多くのボーディングスクールがどちらかというと山間部などの田舎にあるのに対し、次女の高校は50万人弱の都会にあるからです。


KからG12までの生徒数は2000人ちょっと。先生と生徒の割合は1対16です。寮生は99人しかいません。寮生の8割近くは外国人の留学生と言われています。次女を含むアメリカ人の寮生のほとんどはカリフォルニア州出身です。そういう意味では次女は東海岸出身なので珍しい寮生ということになります。寮に住んでいる留学生の出身国の割合は不明ですが、中国人や韓国人、インド人が多いそうです。中にはメキシコ人もいます。


次女の高校の卒業生はいかなる大学に進学するのでしょうか。過去4年間で4人以上合格者を出した(即ち、毎年1人以上合格者がいる)大学で昨年も合格者を出した大学を一部列挙します。

◯アイビーリーグ(8校中)

 ①ハーバード大学

 ②プリンストン大学

 ③ブラウン大学

 ④コーネル大学

◯タフツ大学

◯ボストン・カレッジ

◯ボストン大学

◯ニューヨーク大学

◯ジョージタウン大学

◯ノートルダム大学

◯スタンフォード大学

◯カリフォルニア州立大学(UCスクール10校中)

 ❶バークレー校

 ❷ロサンゼルス校(UC LA)

 ❸サンディエゴ校

 ❹アーバイン校

◯サンフランシスコ大学

◯サンディエゴ大学

◯南カリフォルニア大学(USC)

◯ユタ大学

◯ワシントン州立大学


過去4年間に4人以上の合格者は出していないが、昨年合格者を出した大学を一部列挙します。

◯マサチューセッツ工科大学(MIT)

◯カリフォルニア工科大学(Caltech)

◯❺カリフォルニア州立大学デービス校

◯ベイラー大学

◯ブランダイズ大学

◯デューク大学

◯ジョージワシントン大学

◯パーソンズ美術大学

◯ポモナ大学

◯アメリカ空軍士官学校

◯アメリカ海軍士官学校

◯アリゾナ大学

◯デンバー大学

◯ミシガン大学

◯ネブラスカ大学

◯ペース大学

◯⑤ペンシルベニア大学(アイビーリーグ)

◯ライス大学

◯ピッツバーグ大学

◯サラローレンス大学

◯テネシー大学

◯テキサス大学

◯テキサスA&M大学

◯バッサー大学


昨年は合格者を出していないが、過去4年間に1人でも合格者を出した大学を一部列挙します。

◯アイビーリーグ(残り3校)

 ⑥コロンビア大学

 ⑦イェール大学

◯ボードイン大学

◯❻カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校

◯カールトン大学

◯オハイオ州立大学

◯スワスモア大学

◯アメリカ陸軍士官学校

◯メリーランド大学

◯バンダービルト大学

◯ウィリアムズ大学


以上、次女の高校が過去4年間に進学した大学の一部です。諸先輩方は、比較的良い大学に言ってますね。


次女はどうなるのでしょうか。プレッシャーを与えないようにしつつ、親として情報提供や助言はできますが、最後は祈るのみです。

Wednesday, April 27, 2022

大学からの勧誘資料

現在高校生でG11の次女は、ある州のボーディングスクールに通っています。昨年12月30日にお伝えしたように、我が家には毎日のように次女宛てにアメリカの大学から勧誘の資料が届いています。(https://lifeinwestchesternyusa.blogspot.com/2021/12/blog-post_59.html


その後もいろんな大学から資料が届いていますが、昨日、ハーバード大学とシカゴ大学からも資料が届きました。


調べてみると、多くの有名大学は、SATとACTテストの結果のリストを有料で購入しているそうです。その結果をもとに大学によっては1万人から10万人の全米の生徒に、このような勧誘の資料を送っているとのこと。


勧誘の資料が届いたからと言って喜んではいけません。なぜなら、それによりその大学への入学が保証されているわけでは全くないからです。


子供がSATやACTのテストである程度良い点をとったという程度のことです。


ではなぜ大学は勧誘の資料を送るのかというと、一つは、何万人の学生の中から原石を見つけたいということもあるでしょうが、最大の理由は、大学への合格率を下げるためです。合格率が低いとその大学のレベルは高いと見られるからです。何万人の学生に資料を送付した結果、勘違いしてアプリケーションを送る学生が多くなればなるほど、合格者の数は変わらないため、合格率は下がるというわけです。


ハーバード大学の合格率は4%です。ハーバード大学は、昨年新一年生を2320人取りました。アプリケーションを送った全米の学生数は5万7786人です。


2320人の合格者中、中部大西洋岸(Mid-Atlantic)からの合格者が20.7%と最も多いようです。中部大西洋岸の州は、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、デラウェア州、メリーランド州、ワシントンDC、バージニア州、ウェストバージニア州の7州及び1特別地区です。外国人留学生は15.6%もいるとのこと。


次女は、Early Decision、そしてEarly Decision II、最後にRegularの枠を使ってアプリケーションを提出することになりますが、そろそろアプリケーションを提出する大学を15から20程度に絞る作業に取り掛かる時期です。UC Schoolにもアプリケーションを出すのであれば、全く別のアプリケーションですので、作業はさらに増えます。


長女が2019年夏から冬にかけて経験したあの大学のアプリケーション・プロセスを次女が行うのかと思うと、親としても心が重くなります。でも頑張って手伝うしかないですね。


Saturday, April 23, 2022

長女の今年の夏のインターンシップ先が決まる

アメリカの大学生は、夏休みはインターンとして様々な場所で働きます。働く先は、企業、大学、シンクタンク、研究機関、メディア、コンサルタント会社、ロビイング会社、連邦・州・市議会議員事務所など無数にあります。


長女は昨年、大学1年生が終わった夏休みは、ジョーンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の「高等国際問題研究大学院(School of Advanced International Studies (SAIS))にある「エドウィン・ライシャワー東アジア研究所(The Edwin O. Reischauer Center for East Asian Studies)」でインターンとして、リサーチ・ペーパーを毎日のように書いていました。


長女は、どうやら今年の夏休みのインターン先が決まったようです。首都ワシントンDCに本部がある研究機関で6月から働くことが決まりました。大学は5月中旬に終わりますが、5月後半から大学の公式プログラムでチリに2週間留学するので、留学先から帰国してからとなります。


アメリカの大学生は、年が明けるとすぐに、その年の夏休みのインターンシップ先を見つけるために動きだします。常日頃から様々なイベントに参加して人脈を作るのもそれが理由です。


アメリカはコネ社会と言われています。インターンシップも、ある企業がホームページで募集をかけたとしても、多くがコネで採用が決まると言われています。インターンシップ先が決まった大学生がインターンとして働き始めてから1週間後に、その企業の人事部から初めて略歴を提出するように言われた、という冗談のような本当の話があります。


長女は、大学でグローバル・リーダーシップ関連の組織の幹部をしており、アメリカの行政府や議会、民間企業の著名人を呼んでオンラインで講演をしてもらうイベントに携わっています。そのため、講演者とは常に連絡をとっており、イベント後もやりとりをしているようです。これが長女の人脈形成に繋がっています。このため、インターンシップ先も一度のオンライン面接で決まったそうです。長女がインターン先のホームページから正式に応募せずインターン先が決まったことからも、アメリカのコネ社会の一部を少し垣間見れたような気がします。


今回の長女のインターンシップのお給料は、時給16ドルとのこと。日給128ドル、週640ドル、月2560ドルとなります。親としては、高額な大学授業料の支払いに少しでも貢献してもらいたいと思います。


とにもかくにも、今年も長女に夏のインターンシップ先が見つかって良かったと思います。

次女の環境科学への興味と研究(全米大会で3位に!)

高校生11年生の次女は、長女と異なり理科系です。高校10年生からある州のボーディングスクールに通い始めましたが、私立高校の良いところ、ありとあらゆる学校の施設が非常に充実していることです。理科系の実験室・研究棟があるんです。また、屋内外のプールだけでなく、飛び込み専用プール、水球専用プール、野球場、サッカー場、アメフト競技場、陸上競技場、室内外のバスケットコートからテニスコートまでなんでもあります。なぜなら、私立高校はお金持ちだからです。その分、授業料も高額です。


次女は、高校10年生からこの私立高校の転入したわけですが、その時からはまっていることは、環境科学の研究です。2019年にたまたまキャロライン・ケネディ次期駐オーストラリア米国大使(元駐日本米国大使)の次女タチアナ・シュロスバーグ(Tatiana Schlossberg)さんが書いた書籍「Inconspicuos Consumption: The Environmental Impact You Don’t know You have」という本を読み、環境科学に興味を持ったようです。


高校生の次女の環境化学の研究は、難しい過ぎて詳細はよくわかりませんが、どうやら衣類の染色についての研究のようです。衣類を染色する際、重金属や環境ホルモンなどの化学物質を出すため、それが川や海を汚染し、環境を破壊しているため、環境に優しい衣類の染色についての研究のようです。


この研究で、次女はすでに州のシンポジウムで優勝し、州を代表して、4月に行われる全米大会、5月に行われる国際大会に出席することになりました。4月の全米大会と5月の国際大会は、主催者が異なる全く別の大会です。


4月の大会は、昨日(4月22日(金))にニューメキシコ州アルバカーキーで行われました。「The 2022 National JSHS(Junior Science and Humanities Symposium)」という大会でした。


本日(4月23日(土))に結果発表があったと、先程、次女から連絡がありました。


次女は、どうやら、8つある部門のうち、ある部門で全米3位になったとのことでした。賞金4000ドルを獲得。私と妻は、大歓喜してお祝いのメッセージを次女に伝えました。

賞金4000ドルは、本人に現金が支給されるわけではなく、将来に通う大学の奨学金として支給されるようです。


次女は、純粋に好きでこの研究をしてきたと思いますが、結果を聞いた瞬間、親としては非常に現金なもので、今年の秋に行う次女の大学受験のことがすぐに頭に浮かびました。「全米大会で3位となれば、行きたい大学にアピールできることになる!」と。5月のジョージア州アトランタで開催される国際大会「The 2022 Regeneron International Science and Engineering Fair(ISEF)」にも州を代表して参加することが決まっていますので、ISEFで入賞でもしたら、更に行きたい大学への道が開けてくるのでは?、と大いに期待しています。


次女は、アートにも興味があり、小さい頃から絵画教室に通い絵を書いてきました。昨年、あるポスター展で州で優勝しています。このようなことも大学進学に有利に働くと良いのですが。


親の思いとは裏腹に、次女は、環境問題に関心があり、世の中をよくしようという純粋な思いで研究に没頭しているようです。将来、科学者にでもなるのでしょうか。次女の無限の可能性に親の夢は膨らむばかりです。

Wednesday, April 20, 2022

永住者としての「ソーシャル・セキュリティ・カード」取得の苦労(その2)

妻は、就労制限のないソーシャル・セキュリティ・カードを入手するために、まず、手続きを調べました。

社会保障局のウェブサイト (https://www.ssa.gov/)で調べると、手続きを意外と簡単でした。

「ソーシャル・セキュリティ・カード申請書」、「古いソーシャル・セキュリティ・カード」、そして「グリーン・カード」を持って、近くの「ソーシャル・セキュリティ・オフィス」で申請すれば良いことがわかりました。


問題は、シルバースプリングにある「ソーシャル・セキュリティ・オフィス」に予約を取ろうとしても、電話が全くつながらないことでした。


2022年1月終わりに、2時間くらい何度も電話をかけたらやっと繋がったため、3月31日(木)に予約を取ることができました。


3月31日(木)の朝一で、シルバースプリングのオフィスに行ってみたら、予約が取れていないことが判明。ショックでした。コロナ禍で予約が取れた者以外は取り扱わないそうで、冷たく追い返されました。その際、現場にいた警備員から、「必要な書類が揃っているのであれば、「ドロップ・オフ」もできるんだよ。」と言われました。申し込み用紙と関連書類を封筒に入れて、シルバースプリングの「オフィス内」にある「ドロップ・オフ・ボックス」に入れれば、その後、当局が審査して、「新たなソーシャル・セキュリティ・カード」を自宅に送付する、ということでした。


問題は、この「ドロップ・オフ」を行う場合、封筒に申請書類に加え、実物の「グリーン・カード」を同封するため、紛失する可能性があるかもしれないということです。


悩んだ妻は、結局、2022年4月4日(月)にシルバースプリングの「ソーシャル・セキュリティ・オフィス」に行き、「ソーシャル・セキュリティ・カード申請書」と「古いソーシャル・セキュリティ・カード」、そして「グリーン・カード」を封筒に入れて、「ドロップ・オフ」をしました。


あとは、「就労制限事項の記載のない新たなソーシャル・セキュリティ・カード」と「グリーン・カード」が届くのを待つのみとなりました。


予想に反し、1週間後の4月11日(月)に妻の「ソーシャル・セキュリティ・カード」が自宅に郵送されました。妻は、あまりにも早い取得に驚いていました。

2022年4月11日に届いた妻のソーシャル・セキュリティ・カード
ソーシャル・セキュリティ番号の上に就労制限事項の記載がない。
以前のカードと異なり、カードの中央最下部に「USA」の記載と
その右側にに発行日(2022年4月7日)の記載がある。


就労制限事項の記載のない「ソーシャル・セキュリティ・カード」を手にした妻は、喜びもひとしおだったようです。ところが、すぐに新たな懸念が浮上しました。

妻の「グリーン・カード」が同封されていなかったのです。

新たな「ソーシャル・セキュリティ・カード」は、どうやら社会保障局から直接送付されたようなので、妻の「グリーン・カード」が同封されることはないとは思いましたが、それでは一体、どこにあるのか?

「グリーン・カード」がなければ、妻が緊急の用事で急遽日本に帰国した場合、その後、再びアメリカに戻ったら、空港での入国ができないことになります。

焦っ私は、翌4月12日(火)に、シルバースプリングの「ソーシャル・セキュリティ・オフィス」に電話で確認することにしました。しかし、これまた電話をかけまくるのですが、なかなかつながりませんでした。何十回目の電話でやっとつながり、事情を話しました。オフィスの担当者は、このようなことはよくあることで、「グリーン・カード」は非常に重要なのでUPSで送付するが、自宅に誰もいなければ、「ソーシャル・セキュリティ・オフィス」に送り返されるのだと。担当者は、妻の個人情報を確認したうえで、「上司にメールで事情を説明し、あなたの配偶者の「グリーン・カード」がオフィスに戻ってきたら、再送するよう手配しておく。」と言われました。

半信半疑でしたが、担当者の言葉を信じで、翌週まで様子を見ることにしました。

翌週の4月18日(月)になっても妻の「グリーンカード」は届きませんでした。

翌4月19日(火)午前に、もう一度シルバースプリングの「ソーシャル・セキュリティ・オフィス」に電話をして、同じことを伝えました。担当者はまた同じことを繰り返すのみ。

その週に届かなかったら、4月25日(月)に、オフィスを訪れて確認をするつもりでした。

ところが同日(4月19日(火))の夕方、とうとう妻の「グリーン・カード」は、無事UPSで配送されたのでした。

これにはオチがあります。あれだけ「グリーン・カード」は大事なので、不在の場合は「ソーシャル・セキュリティ・オフィスに戻されると言っていたのに、妻がアマゾンで注文した商品が届いたので玄関を開けてみたら、その商品の上に、妻の「グリーン・カード」が入ったUPSの封筒がそっと置かれていたのでした。

あなおそろし。

ともあれ、妻はこれで、

①グリーンカード


②就労制限事項の記載のないソーシャル・セキュリティカード


③メリーランド州の運転免許証(リアルID)


④メリーランド州のナンバープレート(と自分名義の自家用車)

を取得。

これらに加え、⑤自分名義のクレジットカード、⑥自分名義の銀行口座と小切手を持っているので、アメリカで永住者として生きていく準備はほぼ整ったと言って良いでしょう。