次女は6月2日に高校11年生を終えました。いよいよ今年の8月下旬から高校最終学年となる12年生になります。
次女にとり今年で最も重要なことはアメリカの大学に願書を出すことです。出願書類はオンラインで受け付けるのが一般的です。個々の大学が独自のアプリケーション・フォームを用意している場合もありますが、近年は多くの大学で共通で利用できるアプリケーション・サービスを採用する大学が増えています。中でも、最も多くの大学に採用されているのが「コモン・アプリケーション(通称Common App(コモンアップ))」です。
コモンアップは、非営利団体によって運営されている、大学のアプリケーションのサービスです。このサービスを利用することで受験生にとっては複数の大学を受験しやすくなり、大学側にとっても、受験者数の増加が見込めるため、年々採用する大学が増えています。コモンアップは、アイビー・リーグの各大学をはじめ有名私立大学に出願するためのシステムとして知られていますが、120校以上の州立大学でも採用されています。即ち、コモンアップは最も多くの大学で採用されている共通出願システムであり、アメリカの大学を受験する学生が、最初に取り組むべきアプリケーションです。
コモン・アップ提出の期限は1月1日ですが、アメリカには、「合格したら必ずその大学に入学する」という約束を交わす「Early Decision」というシステムがあり、この「Early Decision」の期限は11月1日のため、「Early Decision」を利用する場合、コモンアップの提出期限は11月1日となります。「Early Decision」で出願するのは、自分がどうしても行きたいと考える大学1校のみ。その他の大学へは、通常の出願方法(Regular Decision)であれば出願してもかまいません。
「Early Decision」を利用してコモンアップを提出した場合、通常12月中旬に結果が判明します。通常枠(Regular Decision)での願書提出期限が1月1日ですから、通常枠で願書を提出する前に、「Early Decision」の結果が判明することになります。
「Early Decision」で出願することは、合格したらその大学に必ずいくことを約束していますので、通常枠である「Regular Decision」に比べて合格率が高いと言われます。
ユニバーサル・カレッジ・アプリケーションも共通出願システムの一つです。エッセイや推薦状が不要なアドミッションにも対応できることから、より自由度の高い出願システムを求める大学を中心に採用されてきました。しかし、最近は、コモンアップとの違いがあまりなくなったことと、コアリションの台頭により、ユニバーサル・カレッジ・アプリケーションを採用する大学は減り、今ではこのアプリケーションを採用する大学は激減しています。
その他の出願システムとして、特定の地域、学校群を対象とした共通出願システムを採用する大学もあります。UCスクール10校(バークレー、デービス、アーバイン、ロサンゼルス(UCLA)、マーセド、リバーサイド、サンディエゴ、サンフランシスコ、サンタバーバラ、サンタクルーズ)への共通の出願システムは有名です。Apply Texas(applytexas.org) はテキサス州内の私立大学、州立大学への出願システムで、63校で採用されています。Apply SUNY (suny.edu/applysuny)はニューヨーク州立大学への出願システムで、州内の57のキャンパスで採用されています。
2016年から、全米を代表する83校が「コアリション」というグループを作り、新たなアプリケーション・システム「コアリション・アプリケーション」を使っています。この新システムの狙いは、コモン・アプリケーション偏重で同質化しつつあるアドミッションを見直し、各大学が学生の将来性をより的確に評価することです。コアリションには、アイビー・リーグの各校や主要なリベラルアーツ・カレッジ、州立大学など150校以上の大学が加盟しています。
コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションは、どちらもオンラインのプラットフォームで、学生たちが複数の大学に出願が出来るものです。どちらの出願システムも、個人の重要な情報、例えば連絡先、課外活動、成績、エッセイが記入出来ます。コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの出願は基本的にはどちらも無料です。
この2つのシステムは一見類似していますが、実は大きな違いがあります。コモンアップは、出願大学数は20校に制限されていますが、コアリションアップはその制限がありません。コモンアップは、各大学ごとに個々の願書出願を必要ですが、コアリションアップは、同アプリケーションを導入している大学であれば同じ願書を出願可能です。
コモンアップ、コアリションアップなどに加盟せず、大学独自の願書の提出が必要な大学もあります。MITやジョージタウン大学などはそうですので、注意が必要です。
次女は、昨日からコモンアップの記入を始めたようです。次女のカレッジ・アプリケーション・プロセスがいよいよ始まったということでしょうか。長い道のりですが親としては可能な限りの支援をしていくつもりです。
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