アメリカの大多数の大学は、様々な書類から、出願者の学業成績(GPA)、経歴、リーダーとしての素質、志望動機を審査します。900校近い大学が、「コモン・アプリケーション(Common Application) (通称コモンアップ)」と呼ばれる共通願書を採用しており、出願者は、個人情報、学歴、成績(PGA)、共通テスト(SAT/ACT)のスコア、課外活動やリーダーシップ活動、先生からの推薦状、エッセイを入力します。全てを入力すれば、最後に送信ボタンを押して願書を提出せば終わりです。
エッセイは、大学入学プロセスの中で最も重要です。学校の成績は、高校4年間に受けた授業での努力の結果の反映であり、SATや ACTの点数は、受験者の実力の一面に過ぎません。担任教師の推薦状は、他の生徒を比較した教師の見解です。
それに引き換えエッセイは、受験者の準備と努力が直接反映されます。何度も見直して書き換え、先生などの意見も聞いてみることができます。大学に提出する書類の中でエッセイは、自分自身が書いた唯一のものであり、選考プロセスでエッセイが大学のアドミションオフィスの担当官の目に留まるかどうかのカギともなります。
アメリカの大学に合格するためには、PGAやSAT/ACTの点数のような定量的情報と、定性要素を提出する必要があります。アドミションオフィスの担当官がが後者の定性要素で出願者を比べるのは難しいでしょう。PGA、SAT/ACTの点数、課外活動は名門大学に合格するには欠かせないものですが、非常に狭き門であるからこそ、他の出願者よりも自分を際立たせる何かが必要になります。
そのためエッセイが重要視されるわけです。出願者はエッセイを通してアドミションオフィスの担当官に自分に関する主張を唱えるのです。
希望の大学に合格したいのであれば、印象に残るコモンアップのエッセイを書くことが最重要でしょう。エッセイでは、自分の生い立ち、家族、経歴、知的興味、そして将来の計画(大学で学びたいこと、大学卒業後の夢)に踏み込むと良いと言われています。エッセイの最終的な目的は、それを読んだ入試担当責任者が、受験者の人物像を捉え、応募の動機を理解し、「この生徒にうちの大学で学んでほしい」と思わせることです。
そのためには野心的になる必要があります。入学願書で自分の夢を語り、将来の計画を明確に述べた方が良いでしょう。
650語のエッセイを通して、どうすれば他の受験者より自身を際立たせることができるかを考える必要があります。
コモンアップのエッセイは、7つのトピックから1つを選んで書くようです。数年前のコモンアップのエッセイの7つのトピックは以下の通りです。
①自分自身のアイデンティティーの核となる背景やストーリーがあり、それなしでアプリケーションは完結できないと信じている学生がいます。あなたもそうであれば、そのストーリーを聞かせてください。
②自分が遭遇する障害から学ぶものは、将来の成功に繋がるかもしれません。困難や、進歩の妨げになった事や、失敗した時の事を語って下さい。そして、その事が今のあなたにどう影響したか、その経験から何を学びましたか?
③あなたがある信念や考え方に疑問を呈したり、挑戦したりした時のことを思い出してください。あなたはどう考えましたか? 結果はどうでしたか?
④あなたが解決した課題や解決したい課題について述べてください。知的な挑戦、研究上の疑問、倫理的な葛藤など、個人的に重要なものであれば、規模は問いません。あなたにとっての重要性を説明し、解決策を特定するために取った手順を示してください。
⑤成果や出来事、新たな認識など、自分自身の成長や自分や他人に対する新しい理解をもたらした事柄について説明してください。
⑥時間を忘れて取り組みたくなるようなトピック、アイデア、コンセプトを説明してください。なぜそれはあなたを惹きつけるのですか? 何が、誰があなたをそうさせたのですか?
⑦あなたが自由に選んだトピックについてエッセイを書いてください。あなたがすでに書いたもの、異なる質問への回答、あなた自身が考案したものなど、何でも結構です。
以上、が7つのエッセイのテーマです。どのテーマを選択するにしろ、アドミッション エッセイとは、どのような人間であるか大学に知っても らうための手段であることを忘れないことが重要です。大学側は、模範解答を追 求しただけのありきたりな内容よりも、個性や能力を自信を持 ってアピールできているエッセイを求めているはずです。
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