バイデン大統領の世論調査の数字は悪化の一途をたどっています。
11月はニューヨーク・タイムズ紙とシエナ・カレッジの世論調査で、6つのスイングステートのうち4つでトランプが優勢という結果で始まりました。その後、バイデンの選挙危機を示す数字は増えてきました。13の世論調査会社が今月実施した最新の世論調査のうち、バイデンの順位は2つを除くすべての調査で前回の調査より悪化しました。
州レベルでの調査でも同様のようです。ニューヨーク・タイムズとシエナの世論調査に加え、ここ1週間半の間に行われた他の調査では、アリゾナ州でトランプ前大統領が8ポイント、ミシガン州で5ポイントリードしています。
この理由はよく分かりません。しかし、確実い言えることは、全米の世論調査平均におけるトランプの得票率は、過去1年間のどの時点よりも高くなっていることです。
バイデン大統領の最近の支持の下降の原因として、若い有権者が離れていることがあげられています。
先週のNBCニュースの世論調査では、35歳以下の有権者では、トランプ前大統領がバイデン大統領を46%対42%でリードしています。
バイデン大統領は、モーニング・コンサルタント(バイデン大統領+2)、フォックス・ニュース(バイデン大統領+7)、キニピアック大学(バイデン大統領+9)の今月の世論調査で、18~34歳の有権者の間で一桁のリードしかありませんでした。一方で、全有権者では4つの世論調査すべてでトランプ前大統領がバイデン大統領をリードしています。
そもそも史上最高齢の大統領であるバイデン大統領は、若い有権者からの支持率が決して高くはありません。このため、バイデン大統領が若い有権者の間で、2020年の得票率に迫るリードを示している世論調査は少ないです。
なお、電話による世論調査(上記の4つのうち、モーニング・コンサルト社以外はすべて電話で実施)は、若い有権者に確認するのが難しい方法であるため、その点はさしひて考えるべきかもしれません。
これらの世論調査の裏側には、現職のバイデン大統領にとって不利になるような2つの傾向があるようです。
第一に、彼の支持率(1期目のこの時点ですでに大統領としては歴史的に低い)が刻々と下がっていること。バイデン大統領の支持率は今月初め、FiveThirtyEightの平均で38%にまで落ち込み、2022年7月以来最低となりました。RealClearPoliticsの平均でも、バイデン大統領は今月40%を記録し、2022年8月以来最低となっています。
一方、トランプ前大統領の数字は上昇しています。1年強前にさかのぼると、RealClearPoliticsの平均では、バイデン大統領との直接対決でトランプ前大統領は42%から46%の間を推移しています。今月初め、トランプ前大統領は初めて46%を突破しただけでなく、今週は47%を上回り、2020年選挙の得票率とほぼ同じになりました。
トランプ前大統領が過半数を獲得したとする世論調査のほとんどは、浮動票を含んでいません。FOXニュースの浮動票を含んでいる世論調査では、トランプ前大統領がバイデン大統領を50%対46%でわずかにリードしています。
バイデン大統領の最近の支持率の低下は、イスラエルとハマスの戦争など最近のニュースのせいだとする声もあります。しかし、FiveThirtyEightの平均によれば、バイデン大統領の支持率は5月までさかのぼるとかなり着実に低下しています。RealClearPoliticsのものは4月まで遡ります。
一方、トランプ前大統領の平均支持率は過去2ヶ月間着実に上昇しており、FiveThirtyEightによれば、9月1日の39%から11月22水曜日午後の時点で42%まで上昇しています。
バイデン前大統領にとって悪いニュースは、全国世論調査に限ったことではありません。
アリゾナ、ジョージア、ネバダ、ペンシルバニアでトランプ前大統領がバイデン大統領をリードしているというニューヨーク・タイムズ/シエナの世論調査に加え、モーニング・コンサルタントとブルームバーグ・ニュースが調査した7つのスイング・ステートのうち6つでトランプ前大統領がバイデン大統領をリードしています。
2020年にバイデン大統領が勝利した他の州でも、目を見張るような結果が出ています。先週のアリゾナ州のNoble Predictive Insightsの世論調査ではトランプ前大統領が8ポイント、ミシガン州のEPIC-MRAの世論調査では5ポイントリードしています。
バイデン大統領の世論調査で最も印象的なのは、この数字がトランプ前大統領との直接対決でのものであり、トランプ前大統領からさらに票を集める可能性のある第3党候補が含まれていないことです。
多くの世論調査会社は、ロバート・F・ケネディ・ジュニア候補やコーネル・ウェスト候補、緑の党のジル・スタイン候補のような無所属候補との対決をまだ含めていないため、その影響を測定することができません。RealClearPoliticsの平均では、ケネディ候補を加えるとバイデン大統領に対するトランプ前大統領のリードは小さくなるが、ウェスト候補とスタイン候補を加えるとわずかに大きくなるとのことです。このように様々なシグナルが混在しているため、無所属や第3党の候補者がバイデン大統領とトランプ前大統領の選挙計算にどのような変化をもたらすかを正確に言うのは時期尚早でしょう。
なお、無所属の候補者が若い有権者などの支持を大きく奪えば、バイデン大統領の挽回が難しくなる可能性は十分にあります。
11月はニューヨーク・タイムズ紙とシエナ・カレッジの世論調査で、6つのスイングステートのうち4つでトランプが優勢という結果で始まったが、バイデンの選挙危機を示す指標はすぐに増えた。トランプとの直接対決における大統領の地位は低下している:13の世論調査会社が今月実施した最新の世論調査のうち、バイデンの順位は2つを除くすべての調査で前回の調査より悪化している。