世の中は、電気自動車が流行しています。地球にやさしいということもあります。
しかし、電源が火力発電所から作られるのであれば、電気自動車は必ずしも地球に完全に優しいとは言えません。
電気自動車は、それ以外にも問題があるようです。
それは、事故後の修理費が高額、修理期間も長期になりがちだということです。電気自動車は、交換が必要な部品が多く、車両が複雑で修理をできる人が少ないことが大きな原因です。
米国のあるデータによれば、昨年の衝突後の修理費用は全車両で4215ドルだったのに対し、EVは6587ドルだったそうです。
一方で、ディーラーや自動車メーカーは、電気自動車への買い替えを勧める際、保守費用を節約できる点を売り込んでいます。それは、電気自動車はガソリンが不要なことに加え、維持費が少ない傾向があるからです。オイル交換やエンジン調整、ベルトの交換といった定期的な作業が不要なため、電気自動車は維持費がガソリン車の半分ほどで済むそうです。
しかし、修理が必要になった場合、高くつくことになりかねません。電気自動車所有者にとって、修理費の高さは保険料の上昇にもつながっています。ある専門会社によれば、ガソリン車の保険料は1カ月あたり平均248ドルであるのに対し、電気自動車は357ドルとのこと。
電気自動車の修理に必要な交換部品数は昨年、平均でガソリン車の約2倍でした。多くの電気自動車部品は固定や溶接の仕方が理由で修理ができず、交換せざるを得ないことが多いからです。これらの車両が衝突事故を起こした場合、さまざまな原因から修理がさらに複雑になりかねません。車体の分解はより複雑で、修理には多くの手順と注意が必要になることが多いそうです。
リチウムイオンバッテリーを搭載した車両は損傷した場合に火災の危険性があるため、保管に際しても特別な配慮が必要です。そのため、修理工程にさらに多くの時間とコストがかかるといわれています。
電気自動車は従来の鋼鉄よりも珍しい素材を使用することが多いため、車体自体の部品代や工賃が高くなる場合があるそうです。素材の中にはアルミニウムなど、特殊な工具や保管設備が必要なものもあるため、作業を行える修理工場は限られるそうです。修理工場は作業上のリスクを負い、工場を改造するため、高い料金を課すことになってます。
電気自動車の修理には通常よりも時間がかかることも多いです。その種の作業ができる工場がまだ限られていることが理由です。あるデータによれば、電気自動車を修理工場に持ち込むまでの期間は、従来型車よりも25%長いそうです。修理にかかる日数も、ガソリン車が45日であるのに対し、電気自動車は57日となっています。
もちろん、自動車メーカーが補修部品の供給を増強し、訓練を受けた独立系の修理工場が増えるのに伴って、電気自動車の修理コストが下がる可能性はあります。
電気自動車市場をリードするテスラは、衝突修理センターを自社で保有しているほか、個人経営の修理工場網も確保しています。電気自動車を修理できる設備が整った工場が増えたことが、テスラ車の修理コストが過去10年で半減しているそうです。
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