Thursday, January 4, 2024

2024年 史上最大の選挙の年?

2024年は、世界50か国以上で国政選挙や地方選挙が実施されるそうです。これらの国の人口を合計すると42億人に上り、特に世界で最も人口の多い10か国のうち7か国が選挙を行います。史上最大の選挙の年となります。

まず、バングラデシュでは、1月7日に選挙が行われます。最大野党のバングラデシュ民族主義党(BNP)が選挙のボイコットを表明したため、シェイク・ハシナ首相の5期目の続投はほぼ確実となっています。

1月13日には、台湾で総統選挙が行われる予定です。世論調査では、親米派の頼清徳副総統がリードしています。

2月は、世界第4位の人口を有するインドネシアで大統領選挙が実施されます。現職のジョコ・ウィドド大統領には3期目の立候補資格がないため、新たな指導者が選出されます。

同じ2月に、人口で世界第5位のパキスタンでも総選挙が実施されます。パキスタンはイムラン・カーン元首相の失職と逮捕につながった憲法危機からの脱却を目指します。

ロシアでは、3月15日から17日までの3日間、大統領選挙が実施されます。現在、プーチン大統領を含め11人が候補に名乗りを上げています。プーチン大統領は今回の大統領選挙で5選に挑むことになります。プーチン大統領は2000年にロシア大統領に初めて選出され、2008年まで2回の任期を務め、2012年に再び大統領に当選した後、2018年に再選され、第4期目に成功しました。今回再選が確定すれば、少なくとも2030年まで権力を維持することになります。

イランは3月に議会総選挙が実施される予定です。2022年、クルド系女性のマフサ・アミニ(22)が服装規定違反の疑いで道徳警察によって逮捕された後に死亡したことを受け、全国規模の抗議デモが行われました。抗議は聖職者による支配の転覆を求めるようになり、40年続くイラン体制への最大の挑戦となりました。抗議デモは、当局が激しい弾圧を開始して死者500人以上、逮捕者約2万人を出してから下火になっています。それ以来、初の選挙となります。イランでは、1979年のイスラム革命以来、定期的に大統領選と議会選挙を実施してきました。しかし、候補者は聖職者団体の吟味を受け、イスラム共和国に忠実ではないと判断されれば資格を取り消されますし、さらにアリー・ハメネイ最高指導者がすべての主要な政策について最終的発言権を有しています。2020年に行われた前回の選挙では、候補者の約半数にあたる7000名以上が資格を取り消されました。この選挙の投票率は1979年以来過去最低で、有権者の約42%が投票しました。

5月以降には、南アフリカで選挙が実施されます。シリル・ラマポーザ大統領率いる与党アフリカ民族会議(ANC)は、1994年のアパルトヘイト(人種隔離)政策撤廃以来続いているANC政権の維持を望んでいます。

世界最大の人口を擁するインドは、6月までに総選挙を実施する予定です。ナレンドラ・モディ首相率いるヒンズー至上主義の与党インド人民党(BJP)は「インド国家発展包括連合(INDIA)」と称する野党連合に対抗し、3期目の政権確保を目指しています。インドの登録有権者数は、昨年初頭時点で9億4500万人でした。インドの有権者数は10億人を超える可能性があります。

メキシコでは6月に大統領選が行われます。クラウディア・シェインバウム前メキシコ市長と野党連合を率いるソチル・ガルベス上院議員の事実上の一騎打ちとなりますが、現職のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領の側近であるシェインバウムがメキシコ初の女性大統領に選出されることがほぼ確実とみらています。

同じ6月には、欧州連合(EU)でも欧州議会選挙が実施されます。欧州では戦争中のウクライナに対する支援を続けることに反対を表明する右派政党もあり、選挙の結果はEUの対ウクライナ支援に大きな影響を与える可能性があります。

11月には、米国で大統領選挙と連邦議会選挙を控えています。2020年同様、現職のジョー・バイデン大統領がドナルド・トランプ前大統領と直接対決することになるでしょう。

2024年は世界に目が離せません。

ダーツ世界選手権:16歳のルーク・リトラー、ワールド・ダーツ・チャンピオンシップで準優勝!

ロンドンのアレクサンドラ・パレスで開催されたプロフェッショナル・ダーツ・コーポレーション(PDC)のワールド・ダーツ・チャンピオンシップで、16歳の若者が話題を呼んでいるようです。

16歳のルーク・リトラー氏は、ヨーロッパ選手権で2度の優勝を誇るロブ・クロス氏を倒し、世界選手権決勝進出を決めました。

リトラー氏は2019年の全英ユースグランプリ(England Youth Grand Prix)とIsle of Man Masters youth competitionで優勝しました。後者の大会では2020年にタイトルを防衛しています。

リトラー氏は2022年11月、アイリッシュ・オープンで優勝し、初の大人の大会でのタイトルを獲得しました。

リトラー氏はPDCデベロップメント・ツアーでの成績が評価され、このPDC世界選手権大会への出場権を得ました。彼は同ツアーで最年少優勝と1年目の最高平均スコアという2つの記録を打ち立てました。

PDCチャンピオンシップの期間中、リトラーは5度の世界チャンピオンに輝いた40歳年上のレイモンド・ファン・バーネフェルト氏や2023年全英オープン・チャンピオンのアンドリュー・ギルディング氏を含む複数のチャンピオンを倒してきました。

リトラー氏の準決勝で対戦したロブ・クロス氏は、リトラー氏がこれまで対戦した中で最も高いレーティングを持つ選手でしたが、クロス氏を6−2で下しました。

そして2024年1月3日に2023年ワールドグランプリ王者のルーク・ハンフリーズ氏(28歳)と決勝で戦いましたが、残念ながら、4ー7で敗れました。準優勝の賞金は20万ポンド(約3600万円)でした。

リトラー選手は、1月21日に17歳の誕生日を迎えます。ニックネームは「ザ・ヌーク」だそうです。

彼の有名人としての地位は、ダーツを投げるたびに上がっています。彼のインスタグラムのフォロワー数は、今大会開始時の4000人から45万人以上に増えています。

「ザ・ヌーク」の今後が楽しみですね。

Tuesday, January 2, 2024

アメリカ連邦議会下院の動き:共和党と民主党の議員数の差が縮小

アメリカの連邦議会のビル・ジョンソン下院議員(オハイオ州選出 共和党)が辞職するようです。

1月2日、連邦下院のジョンソン議員は、1月21日付で正式に辞職することを明らかにしました。3月中旬までにヤングスタウン州立大学の学長に就任するとみられています。

ジョンソン議員が辞任すれば、連邦下院は共和党219名、民主党213名、空席3名となります。これにより共和党は、どの党派の議案でも、全員出席を前提にすれば、2票しか失う余裕がないことになります。

12月31日にケビン・マッカーシー前議長(カリフォルニア州選出)が辞任し、ジョージ・サントス前議員(ニューヨーク州選出)が除名されたことで、残りの2票が空席となっており、現時点では共和党には3票の余裕があります。

この状況は、政府予算の期限を目前に控え、主要法案や政府予算の行方をさらに複雑にするでしょう。政府予算の一部は1月19日に期限切れとなり、ジョンソン議員の辞任は2月2日の第二の期限前に行われます。

今後行われる特別選挙と、予想されるもう一人の辞任は、下院共和党の多数派数にさらに影響を与えるでしょう。サントス前議員の後任を決める特別選挙は2月13日に行われます。同地区を以前代表したトム・スオッツィ前議員(民主党)は、共和党のマジ・メレサ・ピリップ(ナッソー郡議員)と対決する見込みです。
一方で、ブライアン・ヒギンズ下院議員(民主党)は、2月に下院を辞職する見込みとのことです。

連邦下院の動きは目を離せません。



連邦下院議員選挙:ノースカロライナ州の状況と影響

本年11月の連邦議会下院の議員選挙において民主党は、ノースカロライナ州で大きな壁にぶち当たるようです。

その理由は、ノースカロライナ州議会の共和党議員は昨年10月に区割り計画を承認し、同州の連邦議会議員は、共和党が14人の議員から少なくとも3議席、場合によっては4議席を獲得する可能性があるからです。それだけで下院での民主党の過半数割れは倍増します。

新しい選挙区割りにより、民主党の有権者が共和党の有権者に圧倒的に劣り、現職議員が現職の議席を維持する可能性はほとんどなくなったとみられています。それが理由かはわかりませんが、ここ数週間で、3人の民主党の連邦下院議員、すなわちキャシー・マニング議員 キャシー・マニング議員、ジェフ・ジャクソン議員、ワイリー・ニッケル議員は、今期限りでの引退を表明しました。また、4人目の民主党議員であるドン・デイビス議員は、再選をかけた選挙戦でさらに厳しい逆風に直面しているようです。

民主党は、ノースカロライナ州の再編成をもたらした政治的ゲリマンダーを非難しています。

マニング議員は2022年、グリーンズボロ選挙区で9ポイントの大差をつけて勝利しましたが、新しい選挙区はグリーンズボロの大部分と西側の10の田舎郡をテネシー州境まで一括しています。その結果、26ポイントもの差がついているようです。

ノースカロライナ州は、州の政治を反映しているとは言い難いと指摘されています。州の政党登録者数は、民主党(43%)、共和党(41%)とほぼ同数でです。連邦下院14議席のうち、共和党が7議席、民主党が7議席を占めています。

この対称性は、2022年の選挙に向け、民主党が多数を占める州最高裁が、共和党州議会議員によって作成された共和党に大きく有利な区割りを破棄したことで確保されていました。

その後、共和党が州最高裁の支配権を獲得しました。そして本年、共和党が過半数を制す州最高裁は以前の判決を破棄し、共和党に有利になる、有権者ID法の制定と2024年の新しい区割りを許可しました。

この判決を支持する人々は、有権者の声が選出された州議会議員を通じて反映されることを保証する常識的な判決だと評価しています。

公民権団体、投票権擁護団体、民主党など、ノースカロライナ州の区割り変更に反対する人々は、共和党が有権者を黙らせるために権力を乱用していると非難しています。

2024年の選挙結果への全体的な影響はまだわかりません。共和党は現在、連邦議会下院全体で3議席のぎりぎりの優位を保っています。本年11月の連邦議会下院選挙では、ある程度競争が激しい議席は74議席と言われています。そのうち25議席は、どちらの党の議員も勝利する可能性がある「トスアップ」選挙区と言われています。そのうち15議席を共和党が、10議席を民主党が占めています。この数字からすると、民主党の多くは、ノースカロライナ州での議席減をカリフォルニア州、ニューヨーク州、さらにはアラバマ州などでの議席増で補い、下院の主導権を奪還する可能性は十分にあると言われています。

Saturday, December 30, 2023

2024年アメリカ大統領選挙:コロラド州やメイン州でトランプを予備選候補者リストから外す動き→トランプは想定内と見ている?

12月19日、米国コロラド州最高裁判所は、2024年の大統領選挙に共和党から立候補を表明しているドナルド・トランプ前大統領について、合衆国憲法の規定上、同年3月に行われるコロラド州の共和党候補者を決める予備選挙に参加する資格はないとする判決を下しました。トランプ前大統領が2021年1月の連邦議会議事堂襲撃を扇動し、米国に対する暴動に関わったとして、予備選の候補者リストに同氏を含めるのは間違った行為と結論付けました。判決は、7人の判事のうち4人の賛成多数で決定されました

合衆国憲法修正第14条第3項は、合衆国憲法を支持するとの宣誓をして官職に就いた後に米国に対する暴動や反乱に関与した者は、国または州の官職に就くことはできないと定めています。コロラド州の有権者らは同条項に基づいて、トランプ前大統領が2024年の大統領選には立候補できないとして同州地方裁に提訴。地方裁は2023年11月、トランプ前大統領が暴動に関わったと判断しつつも、同条項は大統領には適用されないとして、トランプ氏の予備選参加を認める判決を出していました。これに対し、有権者側はトランプ前大統領の予備選参加が認められたことを不服とし、また、トランプ前大統領側は暴動に関わったとされたことを不服とし、双方が控訴していました。

コロラド州最高裁は修正第14条第3項が大統領にも適用されると判断し、地方裁の判決の一部を覆しました。また、地方裁と同様に、トランプ前大統領の暴動への関与も認めました。トランプ氏の大統領候補者資格を巡る訴訟は他州でも起きていますが、同条項を理由に同氏の立候補を認めない判決は今回が初めてでした。

判決を受け、トランプ前大統領の選挙陣営は連邦最高裁に控訴する意向を示しています。

 12月18日、メイン州のシェンナ・ベローズ州務長官(民主党)は、次期大統領選挙の予備選にトランプ前大統領の立候補を認めないと発表しました。この決定は、1月6日の国会議事堂暴動にまつわるトランプ前大統領の行為が合衆国憲法修正第14条第3項の "反乱条項 "に違反したことを理由に挙げています。ベローズ州務長官は、トランプ前大統領が1月6日に「選挙不正という虚偽のシナリオを使って支持者を煽った」とし、「煽動的なレトリックで暴力を煽り、それを阻止するためのタイムリーな行動をとらなかったことから、暴力の可能性を認識しており、少なくとも当初は暴力の行使を支持していた」と述べました。


 これに対し、オバマ前大統領のデイビッド・アクセルロッド元顧問は、12月29日、CNNの 「Erin Burnett OutFront」のインタビューで、トランプ前大統領の立候補資格をめぐる法的疑問が高まるなか、トランプ氏を予備選投票から除外する判決が下されれば「国がバラバラになる」と警告しました。

 アクセルロッド氏は、「このすべてについて非常に強い懸念を持っている。」、「何千万人もの人々が彼に投票したがっているのだから、彼が実際に出馬できなくなれば、この国はバラバラになってしまうだろう。」、「ドナルド・トランプを打ち負かすには、おそらく投票でやらなければならないと思う」と述べました。

 アクセルロッド氏によると、メイン州の判断は、民主党が政治的な動機で自分に不利になるよう動いているというトランプ前大統領の主張に乗っかっているように見え、それは、共和党有権者を激怒させる可能性があるとしています。

 アクセルロッド氏曰く、トランプ前大統領は、「民主党は、政治的動機によりトランプ前大統領を追い詰めようとしており、彼が大統領になるのを阻止しようとしている。」という構図を作りたがっているとのこと。すなわち、トランプ前大統領は、民主党のトランプ阻止の動きを緻密に計算しており、コロラド州やメイン州のトランプ阻止の動きは、トランプ前大統領に有利に働く可能性があるかもしれません。

 トランプ陣営はメイン州の判決を不服とし、"選挙妨害 "と批判しています。

 トランプ陣営のスポークスマンであるスティーブン・チャン氏は、「我々はリアルタイムで、選挙を盗み、アメリカの有権者の権利を剥奪しようとする行為を目撃している。間違いなく、こうした党派的な選挙妨害は、アメリカの民主主義に対する敵対的な攻撃である。」と述べています。


 12月27日、米コロラド州共和党は、コロラド州最高裁判所が来年の米大統領選でトランプ前大統領に同州での出馬資格を認めない判断を示したことを受け、連邦最高裁に上訴しました。州共和党の弁護士が明らかにした。

 トランプ前大統領題自身も連邦最高裁に上訴する見通しで、コロラド州最高裁は来年1月4日まで判決の効力を保留しました。トランプ前大統領が上訴した場合、投票用紙への同氏の記載は維持されるとしました。


Tuesday, December 19, 2023

2024年 アメリカ大統領選挙:世論調査から透けて見える有権者の見方

最近のアメリカの主要メディアの世論調査によると、アメリカ人は、トランプ前大統領のこれまでの功績について、バイデン大統領の功績よりもはるかに好意的に感じているようです。多くのアメリカ人は、食料品や生活必需品の高値にうんざりしており、バイデン大統領が助けてくれるという希望を捨てているとの結果も出ています。そのため、2020年にバイデン大統領に投票したが、2024年は再びバイデン大統領には投票しないという人の数も多くなっている模様です。

バイデン大統領は、自身の経済政策が機能している証拠として、労働市場の好調さをたびたび指摘してきました。失業率は就任当初の6.3%から2023年初頭には3.4%まで低下し、1960年代後半に記録した最低水準に並びました。その後、失業率は上昇傾向にありますが、依然として低い水準にあります。トランプ前大統領の任期開始時の失業率は4.7%で、大統領在任中に数十年来の低水準まで低下しました。

消費者物価指数で測定されるインフレ率は、トランプ前大統領の任期中はほぼ落ち着いていました。20171月から20211月までの年間インフレ率は平均約1.9%で、この間消費者物価は約7.8%上昇しました。バイデン大統領の任期中の消費者物価は17%急上昇し、年間インフレ率は平均5.8%でした。

レギュラーのガソリン価格は、アメリカ人が経済についてどう感じているかに大きく影響すしますが、トランプ前大統領の任期中は基本的に変化しませんでした。ウクライナ侵攻後のピークからは大幅に下落していますが、バイデン大統領の就任以来1ドル以上上昇しています。

世論調査によれば、トランプ前大統領の支持者ではない人たちの中で、トランプ氏が大統領だったころの方が経済は良かったと感じている人も多いようです。もちろん、彼らは、第3党の候補者に投票する可能性も排除していません。

バイデン大統領の政策が自分たちに害を与えたと考える有権者は国民の半数以上にのぼり、トランプ前大統領の政策が自分たちに役立ったと考える有権者もほぼ同数でした。

同じ世論調査で明らかになったことは、バイデン氏を大統領に押し上げるのに貢献した人々からの支持が減りつつあることです。

世論調査によると、有権者は、いかなる党に所属していても、または無党派であっても、インフレと物価高をバイデン大統領の主な不満点として挙げていますが、バイデン大統領の国内政策と外交政策にも憤慨している有権者もいるようです。多くの有権者は、バイデン政権が嫌いな具体的な政策を挙げることはできませんでしたが、その代わりに、アメリカに蔓延する倦怠感を口にしているようです。

リベラルな有権者は、イスラエルのガザ戦争に対するバイデン大統領のアプローチに怒り、学生ローンの大規模な免除など、彼が2020年の選挙キャンペーン中に打ち出した進歩的な政策を実現するために十分なことをしていないと不満を抱いています。中道派の有権者は国境警備の強化を求め、左派の有権者は彼の移民政策が右傾化しすぎていると考えています。

世論調査によると、民主党支持者と無党派層のうち、バイデン大統領の政策が個人的に苦痛だった、あるいは何の影響もなかったと答えたのは45%。有権者全体では、バイデン大統領の政策が自分を傷つけたと答えた人は53%で、彼の政策に助けられたと答えた人は23%と4分の1以下でした。トランプ前大統領の政策に個人的に助けられたと答えた有権者は49%で、助けられたと答えた有権者は37%に過ぎませんでした。

バイデン大統領が在任した約3年間、インフレ率は過去40年以上で最高の9.1%に達しましたが、その後は3.1%まで急落しました。一方、労働市場は大統領就任期間を通じて好調を維持し、失業率は比較的低く、賃金の伸びは今年初めから物価を上回るようになりました。

バイデン大統領は、約1兆ドルのインフラ法案、大規模な気候変動対策、税制、医療保険制度、国内半導体産業強化のための数十億ドル規模の法案など、過去数十年の大統領の中で最も大規模な法案を主導してきました。一方で、4,000万人のアメリカ人が抱える学生ローンをなくすための4,300億ドルの計画を最高裁に阻止されました。

トランプ前大統領が成し遂げた主な立法措置は、ここ数十年で最も広範囲に及ぶ米国税制の見直しであり、法人税率を引き下げ、ほとんどの個人に対する税金を引き下げました。また、米国・カナダ・メキシコの新たな貿易協定の樹立を主導する一方、中国には関税を課しました。トランプ政権は不法入国を食い止めるため、約500マイルに及ぶ国境の壁を建設しましたが、その大部分は、すでにあらかじめ障壁があった場所にフェンスを設置し直したものでした。トランプ前大統領は、コロナウィルス感染症の大流行の初期対応を行い、連邦政府は経済に数兆ドルを投入しました。

経済学者によれば、トランプ前大統領とバイデン大統領が承認した支出は、パンデミック初期の数ヶ月間の経済を緩和し、その後回復を早めたそうです。それでも、2021年に経済が再開し始めると、その需要は労働力不足やサプライチェーンのボトルネックと衝突してインフレを煽り、2022年にロシアがウクライナに侵攻してガソリン価格が急上昇すると、さらに悪化しました。

バイデン大統領が国境の壁の建設を再開したこと、大規模な学生ローン免除の約束を守らなかったこと、そしてガザの市民を守るためにもっと努力しなかったことを非難している民主党支持者は多いようです。

2024年大統領選挙では、バイデン大統領にもトランプ前大統領にも投票するつもりはない人が増えつつあります。 

バイデン大統領の支持者たちは、選挙戦が本格化するにつれ、トランプ前大統領とバイデン大統領の対比が国民に伝わり、選挙前の11ヶ月間で有権者を味方につける自信があるように見受けられます。また、バイデン大統領の医療、薬価、中絶、その他の問題に対する立場は有権者に人気があります。

世論調査によると、有権者は2024年の共和党大統領選の最有力候補であるトランプ前大統領を、経済、インフレ、犯罪、国境警備、イスラエル・ハマス戦争など、多くの主要な問題に対処できる人物だとも見ているようです。

共和党員および共和党寄りの無党派層の88%が、トランプ前大統領の政策が自分たちを助けてくれたと考えています。民主党と民主党寄りの無党派層の4分の3近くは、トランプ大統領の政策は害になったと考えるが、10人に1人は役に立ったと考えています。


Friday, December 15, 2023

アメリカの大学の授業料は高い!(次女の私立大学1年時(2023−24)にかかった授業料を含む経費)

 次女は今年の8月からアメリカの私立大学の1年生。

キャンパス・ライフを満喫していると思いますが,秋学期ももうすぐ終わります。そして、先日、春学期分の授業料などを含む諸経費の支払いを済ませました。

アメリカの私立大学は、果たしていくらかかるのか。


◯次女のアメリカの私立大学1年生時にかかる経費

総計:8万8,518.68ドル(2023−24年)

(内訳)

授業料:$6万3,450ドル

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・寮費:9,884ドル

・レジデンシャル・プログラム費:110.50ドル

・ノースカロライナ州税(寮費分):500.56ドル

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・食費:8,494ドル

・食費契約費:50ドル

・ノースカロライナ州税(食費分):136.50ドル

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・健康保険料:3,282.12ドル

・ヘルス費:945ドル

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・初期登録料:180ドル

・リクリエーション費:360ドル

・学生サービス費:752ドル

・学生活動費:298ドル

・デューク・メール・ボックス費:76ドル

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なんと,アメリカの私立大学は,1年時に8万8,518.68ドルもかかるんです。

最近,急速に円高になっていますが,まだ140円台です。

現在の為替レートは,1ドル=141.82ドル。

このレートで計算すると,デューク大学は,

1年時に、1255万3719円

もかかる計算になります。


4年間で約5000万円。


これがアメリカの私立大学の現実です。

さらなる円高を祈るのみ。


2024年アメリカ大統領選挙:バイデン劣勢?

ウォール・ストリート・ジャーナル紙による最近の世論調査によれば、バイデン大統領の支持は大統領就任以来最も低迷しており、有権者はバイデン大統領の仕事ぶりに最も低い評価をしていることがわかりました。

トランプ前大統領との一対一の仮想投票では47%対43%と4ポイント差でトランプ前大統領に遅れをとっています。5人の第三党・無所属候補を加えると、トランプ前大統領のリードは37%対31%の6ポイントに拡大しています。

バイデン大統領の政策が個人的に役立ったと答えた有権者はわずか23%で、53%はバイデン大統領の政策によって傷ついたと答えています。トランプ大統領時代の政策が個人的に役立ったと答えた有権者は約半数で、傷ついたと答えた37%を上回っています。

バイデン大統領の仕事ぶりを評価する人は37%で、バイデン政権が始まってからのウォール・ストリート・ジャーナル紙による世論調査で最低を記録しました。バイデン大統領の代表的な経済政策である「バイデノミクス」は、30%以下の有権者から好意的に受け止められており、半数以上からは好意的に受け止められていません。

この調査結果は、バイデン大統領と民主党に衝撃を与えているそうです。民主党の一部は、81歳のバイデン大統領の体力について公然と懸念しています。

有権者の3分の2が景気を「悪い」または「良くない」と評価し、3分の2が過去2年間、景気が悪化したと答えています。48%が「今の世代が前の世代より良くなるとは思わない」と答えたのに対し、「今の世代の方が良くなる」と答えたのは44%でした。

バイデン大統領は、若年層や黒人・ラテン系有権者には力不足と見られているようです。彼らは、2020年や2022年に投票したような熱意を示していないようです。

世論調査では、「腐敗」という言葉はバイデン大統領よりも4つの刑事訴追で91の容疑に直面しているトランプ前大統領の方が当てはまると有権者は答えており、バイデン大統領の方がより多くの有権者から誠実だと見られています。

有権者は、国境警備(30ポイント差)、インフレ抑制(21ポイント差)、経済成長(17ポイント差)については、バイデン大統領よりトランプ前大統領の方が有利だと答えています。バイデン大統領は中絶政策でリードしており、有権者はトランプ前後の大統領よりも民主主義を尊重していると答えています。

バイデン大統領の政党は、イメージも悪くしています。有権者は両党を悪く見ていますが、民主党に対する否定的な見方が肯定的な見方を18ポイント上回っているのに対し、共和党は13ポイント差。来年の議会選挙で有権者がどちらの政党を支持するかについては、共和党が5ポイントリードしています。8月の時点では両党はほぼ同率でした。

Thursday, December 7, 2023

電気自動車の欠点:修理代は高く、修理期間は長い?

世の中は、電気自動車が流行しています。地球にやさしいということもあります。

しかし、電源が火力発電所から作られるのであれば、電気自動車は必ずしも地球に完全に優しいとは言えません。

電気自動車は、それ以外にも問題があるようです。

それは、事故後の修理費が高額、修理期間も長期になりがちだということです。
電気自動車は、交換が必要な部品が多く、車両が複雑で修理をできる人が少ないことが大きな原因です。

米国のあるデータによれば、昨年の衝突後の修理費用は全車両で4215ドルだったのに対し、EVは6587ドルだったそうです。

一方で、ディーラーや自動車メーカーは、電気自動車への買い替えを勧める際、保守費用を節約できる点を売り込んでいます。それは、電気自動車はガソリンが不要なことに加え、維持費が少ない傾向があるからです。オイル交換やエンジン調整、ベルトの交換といった定期的な作業が不要なため、電気自動車は維持費がガソリン車の半分ほどで済むそうです。

しかし、修理が必要になった場合、高くつくことになりかねません。電気自動車所有者にとって、修理費の高さは保険料の上昇にもつながっています。ある専門会社によれば、ガソリン車の保険料は1カ月あたり平均248ドルであるのに対し、電気自動車は357ドルとのこと。

電気自動車の修理に必要な交換部品数は昨年、平均でガソリン車の約2倍でした。多くの電気自動車部品は固定や溶接の仕方が理由で修理ができず、交換せざるを得ないことが多いからです。これらの車両が衝突事故を起こした場合、さまざまな原因から修理がさらに複雑になりかねません。車体の分解はより複雑で、修理には多くの手順と注意が必要になることが多いそうです。

リチウムイオンバッテリーを搭載した車両は損傷した場合に火災の危険性があるため、保管に際しても特別な配慮が必要です。そのため、修理工程にさらに多くの時間とコストがかかるといわれています。

電気自動車は従来の鋼鉄よりも珍しい素材を使用することが多いため、車体自体の部品代や工賃が高くなる場合があるそうです。素材の中にはアルミニウムなど、特殊な工具や保管設備が必要なものもあるため、作業を行える修理工場は限られるそうです。修理工場は作業上のリスクを負い、工場を改造するため、高い料金を課すことになってます。

電気自動車の修理には通常よりも時間がかかることも多いです。その種の作業ができる工場がまだ限られていることが理由です。あるデータによれば、電気自動車を修理工場に持ち込むまでの期間は、従来型車よりも25%長いそうです。修理にかかる日数も、ガソリン車が45日であるのに対し、電気自動車は57日となっています。

もちろん、自動車メーカーが補修部品の供給を増強し、訓練を受けた独立系の修理工場が増えるのに伴って、電気自動車の修理コストが下がる可能性はあります。

電気自動車市場をリードするテスラは、衝突修理センターを自社で保有しているほか、個人経営の修理工場網も確保しています。電気自動車を修理できる設備が整った工場が増えたことが、テスラ車の修理コストが過去10年で半減しているそうです。

Sunday, November 26, 2023

アメリカの大学のは高い!:授業料を含む全ての経費(タフツ大学の場合)

アメリカの大学に夢見る日本人は多いと聞きます。

日本には、アメリカの大学留学関連のサイトがゴマンとあります。いろんなサイトを見てみると、アメリカの私立の大学の授業料が現実よりも低く説明されています。それはなぜかは分かりません。

したがって、今回は、長女が通っているタフツ大学でかかった経費を記載します。もちろん、大学からの奨学金やアメリカ連邦政府からのローンなどについてはあえて書きませんので、これらの経費が親の実際の負担と同じではなないことをあらかじめ言っておきます。

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⭕️アメリカの大学の必要経費:タフツ大学の場合

⭐️2020−21年(大学1年生)

総計:8万2357ドル

(内訳)
授業料(Tuition):5万9560ドル
寮費(Room Charge):7016ドル
寮活動費(Room Commitment Charge):1500ドル
寮の学食費(Dining):7114ドル
健康保険代(Medical Insurance Charge):3465ドル
大学のヘルスサービス費(Mandatory Health Service Fee):906ドル
活動費(Activity Fee):396ドル
お小遣い:月200ドル→年2400ドル

⭐️2021−22年(大学2年)

総計:8万3755ドル

(内訳)
授業料(Tuition):6万1646ドル
寮費(Room Charge):7332ドル
寮活動費(Room Commitment Charge):1500ドル
寮の学食費(Dining):5768ドル
健康保険代(Medical Insurance Charge):3755ドル
大学のヘルスサービス費(Mandatory Health & Wellness Fee):958ドル
活動費(Activity Fee):396ドル
お小遣い:月200ドル→年2400ドル

⭐️2022−23年(大学3年)

総計:8万5066ドル

授業料(Tuition):6万3804ドル
健康保険代(Medical Insurance Charge):4044ドル
大学のヘルスサービス費(Mandatory Health & Wellness Fee):1022ドル
活動費(Activity Fee):396ドル
計6万9266ドル

家賃:月975ドル→ 年1万1700ドル

食費:年1200ドル

光熱費:年間500ドル程度

お小遣い:月200ドル→年2400ドル

計1万5800ドル


⭐️2023−24(大学4年)

総計:8万8624ドル

授業料(Tuition):6万6358ドル
健康保険代(Medical Insurance Charge):4080ドル
大学のヘルスサービス費(Mandatory Health & Wellness Fee):1090ドル
活動費(Activity Fee):396ドル
計7万1924ドル

家賃:月1050ドル→年1万2600ドル

食事代:年間1200ドル程度

光熱費:年間500ドル程度

お小遣い:月200ドル→年2400ドル

計1万6700ドル

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どうでしょうか。
授業料(tuition)自体は、2020年の大学1年時は6万ドルを切っていましたが(6万9560ドル)、翌年から6万ドルを超え、最終学年となる2023年の大学4年時では、6万6358ドルでした。

大学で必要な経費は授業料だけではありません。寮に住めば寮費と寮の食費、寮に住まなくてもアパート代と食費がかかります。大学の健康保険代は必要で、大学1年時は3755ドルでしたが、大学4年時では4080ドルにもなっています。

お小遣いは、月に200ドル送っていましたが、その他に、休暇の時に親の元に帰ってくる航空運賃などもバカにはなりません。

アメリカの大学に通うということは、年間約9万ドル、今のレート(1ドル=150円)で、1350万円は必要となります。4年間で5400万円も必要となると言うことです。

日本の大学と比べると、アメリカの大学がどれだけ高額かが分かります。








Saturday, November 25, 2023

バイデン大統領は大丈夫?

バイデン大統領の世論調査の数字は悪化の一途をたどっています。


11月はニューヨーク・タイムズ紙とシエナ・カレッジの世論調査で、6つのスイングステートのうち4つでトランプが優勢という結果で始まりました。その後、バイデンの選挙危機を示す数字は増えてきました。13の世論調査会社が今月実施した最新の世論調査のうち、バイデンの順位は2つを除くすべての調査で前回の調査より悪化しました。


州レベルでの調査でも同様のようです。ニューヨーク・タイムズとシエナの世論調査に加え、ここ1週間半の間に行われた他の調査では、アリゾナ州でトランプ前大統領が8ポイント、ミシガン州で5ポイントリードしています。


この理由はよく分かりません。しかし、確実い言えることは、全米の世論調査平均におけるトランプの得票率は、過去1年間のどの時点よりも高くなっていることです。


バイデン大統領の最近の支持の下降の原因として、若い有権者が離れていることがあげられています。


先週のNBCニュースの世論調査では、35歳以下の有権者では、トランプ前大統領がバイデン大統領を46%対42%でリードしています。


バイデン大統領は、モーニング・コンサルタント(バイデン大統領+2)、フォックス・ニュース(バイデン大統領+7)、キニピアック大学(バイデン大統領+9)の今月の世論調査で、18~34歳の有権者の間で一桁のリードしかありませんでした。一方で、全有権者では4つの世論調査すべてでトランプ前大統領がバイデン大統領をリードしています。


そもそも史上最高齢の大統領であるバイデン大統領は、若い有権者からの支持率が決して高くはありません。このため、バイデン大統領が若い有権者の間で、2020年の得票率に迫るリードを示している世論調査は少ないです。


なお、電話による世論調査(上記の4つのうち、モーニング・コンサルト社以外はすべて電話で実施)は、若い有権者に確認するのが難しい方法であるため、その点はさしひて考えるべきかもしれません。


これらの世論調査の裏側には、現職のバイデン大統領にとって不利になるような2つの傾向があるようです。


第一に、彼の支持率(1期目のこの時点ですでに大統領としては歴史的に低い)が刻々と下がっていること。バイデン大統領の支持率は今月初め、FiveThirtyEightの平均で38%にまで落ち込み、2022年7月以来最低となりました。RealClearPoliticsの平均でも、バイデン大統領は今月40%を記録し、2022年8月以来最低となっています。


一方、トランプ前大統領の数字は上昇しています。1年強前にさかのぼると、RealClearPoliticsの平均では、バイデン大統領との直接対決でトランプ前大統領は42%から46%の間を推移しています。今月初め、トランプ前大統領は初めて46%を突破しただけでなく、今週は47%を上回り、2020年選挙の得票率とほぼ同じになりました。


トランプ前大統領が過半数を獲得したとする世論調査のほとんどは、浮動票を含んでいません。FOXニュースの浮動票を含んでいる世論調査では、トランプ前大統領がバイデン大統領を50%対46%でわずかにリードしています。


バイデン大統領の最近の支持率の低下は、イスラエルとハマスの戦争など最近のニュースのせいだとする声もあります。しかし、FiveThirtyEightの平均によれば、バイデン大統領の支持率は5月までさかのぼるとかなり着実に低下しています。RealClearPoliticsのものは4月まで遡ります。


一方、トランプ前大統領の平均支持率は過去2ヶ月間着実に上昇しており、FiveThirtyEightによれば、9月1日の39%から11月22水曜日午後の時点で42%まで上昇しています。


バイデン前大統領にとって悪いニュースは、全国世論調査に限ったことではありません。


アリゾナ、ジョージア、ネバダ、ペンシルバニアでトランプ前大統領がバイデン大統領をリードしているというニューヨーク・タイムズ/シエナの世論調査に加え、モーニング・コンサルタントとブルームバーグ・ニュースが調査した7つのスイング・ステートのうち6つでトランプ前大統領がバイデン大統領をリードしています。


2020年にバイデン大統領が勝利した他の州でも、目を見張るような結果が出ています。先週のアリゾナ州のNoble Predictive Insightsの世論調査ではトランプ前大統領が8ポイント、ミシガン州のEPIC-MRAの世論調査では5ポイントリードしています。


バイデン大統領の世論調査で最も印象的なのは、この数字がトランプ前大統領との直接対決でのものであり、トランプ前大統領からさらに票を集める可能性のある第3党候補が含まれていないことです。


多くの世論調査会社は、ロバート・F・ケネディ・ジュニア候補やコーネル・ウェスト候補、緑の党のジル・スタイン候補のような無所属候補との対決をまだ含めていないため、その影響を測定することができません。RealClearPoliticsの平均では、ケネディ候補を加えるとバイデン大統領に対するトランプ前大統領のリードは小さくなるが、ウェスト候補とスタイン候補を加えるとわずかに大きくなるとのことです。このように様々なシグナルが混在しているため、無所属や第3党の候補者がバイデン大統領とトランプ前大統領の選挙計算にどのような変化をもたらすかを正確に言うのは時期尚早でしょう。


なお、無所属の候補者が若い有権者などの支持を大きく奪えば、バイデン大統領の挽回が難しくなる可能性は十分にあります。









11月はニューヨーク・タイムズ紙とシエナ・カレッジの世論調査で、6つのスイングステートのうち4つでトランプが優勢という結果で始まったが、バイデンの選挙危機を示す指標はすぐに増えた。トランプとの直接対決における大統領の地位は低下している:13の世論調査会社が今月実施した最新の世論調査のうち、バイデンの順位は2つを除くすべての調査で前回の調査より悪化している。

Friday, November 24, 2023

2024年アメリカ大統領選挙:バイデン大統領、トランプ前大統領にリードを許す

来年の2024年は、アメリカ大統領選挙の年。投票は11月の第2週の火曜日に行われます。

現在、現職のバイデン大統領はトランプ前大統領に対し、わずかですが確実にリードされています。2期目をかけた選挙戦のこの時点で対立候補に後れを取っている現職大統領は、統計が始まって以来バイデン大統領が2人目だそうです。

最近の行われたCBSニュースとユーガブ、CNNとSSRS、FOXニュース、マーケット大学ロースクール、クイニピアック大学の5つの世論調査では、いずれもバイデン大統領はトランプ前大統領に2~4ポイントでリードを許しています。もちろんこの数字は誤差の範囲内です。

しかし、過去80年間、1943年のフランクリン・ルーズベルト大統領以来のほぼすべての現職大統領は、決戦投票を約1年後に控えた時点で、10ポイントをわずかに上回る差で対立候補をリードしています。

事実、同じ時期に世論調査で対立候補にリードされていた現職大統領は、トランプ前大統領ただ一人のみだそうです。2019年11月の段階で、トランプ前大統領はバイデン候補に10ポイント近く水をあけられていました。

トランプ前大統領が再選を目指した2020年の大統領選期間中、トランプ前大統領がこれほどリードを稼いだことは一度もありませんでした。今回の大統領選では、すでに17の世論調査でトランプ前大統領がバイデン大統領よりも高い得票を得ています。

激戦州でも同様です。トランプ前大統領は少なくとも一つの世論調査で、2020年の選挙期間中に一度もリードすることができなかった州でバイデン大統領を抑えています。具体的にはミシガン州、ネバダ州、ペンシルベニア州などで、これらの州が次期大統領を決めるカギを握ることになると言われています。

バイデン大統領は前回勝利したトランプ前大統領を相手に、なぜこれほど苦戦しているのでしょうか。

バイデン大統領は民主党左派と問題を抱えていることが理由なのでしょうか。イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争での対応に民主党左派から大きな批判の声が上がっています。

しかし、クイニピアック大学による最新の世論調査を例に挙げると、超リベラル派の支持率はバイデン大統領が96%、トランプ前大統領が2%と大きくリードしています。マーケット大学の世論調査でも、同じ有権者層での支持率はバイデン大統領が95%とトランプ前大統領の5%を大きく上回っています。

実は、バイデン大統領が大きく落ち込んだ要因は中道派にあるようです。クイニピアック大学の調査では、中道派の支持率でバイデン大統領のリードはわずか12ポイント。マーケット大学の世論調査でも18ポイント。FOXニュースで5ポイント、CNNでは17ポイントとなっています。

ピュー・リサーチ・センターの2020年の調査では、同じ有権者層の支持率でバイデン候補は28ポイントもリードしていました。出口調査でも、中道派の30%がバイデン候補に票を投じました。現在、バイデン大統領は約15ポイントのリードを失ったことになります。

経済も原因なのでしょうか。バイデン氏がトランプ氏にリードを許しているのが経済問題ですが、2020年の選挙戦終盤でも、有権者は経済問題でバイデン候補よりもトランプ大統領を支持していました。

バイデン大統領の年齢問題はどうでしょうか。バイデン大統領が大統領を務めるのに高齢過ぎるかという質問は、他のどの質問よりも回答が2020年から大きく変化しています。

2020年の大統領選でバイデン大統領が接戦の末に勝利したジョージア州、アリゾナ州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州、ネバダ州、ミシガン州の6州を対象にしたニューヨーク・タイムズとシエナ大学が今月発表した世論調査では、バイデン大統領は大統領職をきちんと務めるには歳が行き過ぎていると回答した登録有権者はなんと71%に上っています。クロス集計で列挙されたどの年齢層も大多数が同じ回答でした。民主党支持者の51%も同じように回答しました。

これほど多くの有権者がバイデン氏を高齢だと感じているの当たり前で、バイデン氏は歴代最年長(81歳)の大統領です。

トランプ前大統領が高齢だと感じている有権者はたったの39%です。

トランプ前大統領が当選すれば、第22代および第24大統領であるグローバー・クリーブランド大統領以来2人目の、期をまたいで再選を果たす大統領になることになります。


Thursday, November 23, 2023

2024年アメリカ大統領選挙:バイデン大統領が抱える問題

来年はアメリカで大統領選挙があります。民主党は来年8月の全国党大会で、現職の大統領であるバイデン大統領を党の大統領候補として選出するでしょう。共和党もこれまでの支持率を考慮すると、来年7月の全国党大会でトランプ前大統領を大統領候補として選出する可能性は高いです。

バイデン大統領は現職である強みがあるはずですが、現実は大変そうです。

バイデン大統領の支持率は39%前後に低迷しています。民主党の有権者はバイデン大統領の年齢に不安を感じているようです。バイデン大統領は、は11月20日(月)に81歳になりました。世論調査によれば、アメリカ国民はバイデンが2期目まで務まるかどうか深く懸念しています。バイデン大統領はすでに史上最高齢の大統領です。再選されれば、退任時には86歳になっています。

ある世論調査によると、バイデン大統領が大統領として効果的に務められるだけの体力と鋭さがある と考えているアメリカ人はわずか25%でした。モンマス大学の世論調査では、全有権者の76%、民主党員の56%が、バイデンはもう1期務めるには年を取りすぎていると考えています。

ホワイトハウスは、大統領のスタミナと知恵、物事を成し遂げる能力を強調することによって大統領の年齢問題をかわそうしています。

また、世論調査では、バイデン大統領の経済政策に対する評価がとても低くなっています。ある世論調査では、登録有権者の59%がバイデン大統領の経済政策を不支持とし、支持は38%にとどまっています。

大統領にとって不運であることは、2022年中のインフレ急増による経済的苦境がアメリカ国民の重荷になっていたことです。インフレ率のピークは2022年6月の9.1%で、これは1980年代初頭以来の高率でした。

なお、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ率を3.2%まで引き下げ、おそらく景気後退に陥らない「ソフトランディング」を実行しています。

その他の課題として、中東問題が民主党の有権者を事実上真っ二つに割れさせているようです。バイデン大統領は10月7日、約1200人が死亡したハマスによる攻撃への対応において、イスラエルを強力に支持しました。しかし、イスラエル国防軍がガザに空爆と侵攻するという対応によって、パレスチナ人は1万2000人が死亡し、約170万人が避難し、約220万人が帰る家を失いました。民主党の若い有権者は、パレスチナ人の苦境に対して、バイデン大統領の世代よりもはるかに同情的です。

最近の世論調査では、35歳以下の有権者に対するバイデン大統領の支持率は、この2ヶ月で15ポイントも低下しました。その年齢層の70%が、現在の紛争に対する彼の対応に反対しています。若い有権者、進歩的な有権者、黒人有権者の間では、大統領にとって心配な兆候があります。スイング・ステートであるミシガン州のアラブ系アメリカ人有権者の投票行動が気になるでしょう。そしてこれらの有権者が来年投票しなければ、バイデン大統領は深刻な事態に陥る可能性はあります。

アメリカの多くの有権者はトランプ前大統領が必然的にもたらす混乱を望んでいないようです。また、2021年1月6日に関連するトランプ前大統領のの行動を許さないようです。さらには、4つの起訴にまたがる91の刑事告発に直面しているトランプ前大統領を選ぶことはないと言われています。

しかし、ニューヨーク・タイムズ紙とシエナ・カレッジが最近行った一連の世論調査では、激戦区6州のうち5州でトランプがバイデンを仮想対決で下しており、民主党に衝撃が走りました。NBCの世論調査でもトランプがバイデンに勝っています。

一方、Economist/YouGovの最新の世論調査では、トランプとバイデンの好感度はほぼ同じでした。この世論調査では、成人の53%が両氏に好ましくない印象を抱いていることがわかっています。トランプ氏は4343%、バイデン氏は44%の支持を得ました。

来年のアメリカ大統領選挙には目が離せません。