最近のアメリカの主要メディアの世論調査によると、アメリカ人は、トランプ前大統領のこれまでの功績について、バイデン大統領の功績よりもはるかに好意的に感じているようです。多くのアメリカ人は、食料品や生活必需品の高値にうんざりしており、バイデン大統領が助けてくれるという希望を捨てているとの結果も出ています。そのため、2020年にバイデン大統領に投票したが、2024年は再びバイデン大統領には投票しないという人の数も多くなっている模様です。
バイデン大統領は、自身の経済政策が機能している証拠として、労働市場の好調さをたびたび指摘してきました。失業率は就任当初の6.3%から2023年初頭には3.4%まで低下し、1960年代後半に記録した最低水準に並びました。その後、失業率は上昇傾向にありますが、依然として低い水準にあります。トランプ前大統領の任期開始時の失業率は4.7%で、大統領在任中に数十年来の低水準まで低下しました。
消費者物価指数で測定されるインフレ率は、トランプ前大統領の任期中はほぼ落ち着いていました。2017年1月から2021年1月までの年間インフレ率は平均約1.9%で、この間消費者物価は約7.8%上昇しました。バイデン大統領の任期中の消費者物価は17%急上昇し、年間インフレ率は平均5.8%でした。
レギュラーのガソリン価格は、アメリカ人が経済についてどう感じているかに大きく影響すしますが、トランプ前大統領の任期中は基本的に変化しませんでした。ウクライナ侵攻後のピークからは大幅に下落していますが、バイデン大統領の就任以来1ドル以上上昇しています。
世論調査によれば、トランプ前大統領の支持者ではない人たちの中で、トランプ氏が大統領だったころの方が経済は良かったと感じている人も多いようです。もちろん、彼らは、第3党の候補者に投票する可能性も排除していません。
バイデン大統領の政策が自分たちに害を与えたと考える有権者は国民の半数以上にのぼり、トランプ前大統領の政策が自分たちに役立ったと考える有権者もほぼ同数でした。
同じ世論調査で明らかになったことは、バイデン氏を大統領に押し上げるのに貢献した人々からの支持が減りつつあることです。
世論調査によると、有権者は、いかなる党に所属していても、または無党派であっても、インフレと物価高をバイデン大統領の主な不満点として挙げていますが、バイデン大統領の国内政策と外交政策にも憤慨している有権者もいるようです。多くの有権者は、バイデン政権が嫌いな具体的な政策を挙げることはできませんでしたが、その代わりに、アメリカに蔓延する倦怠感を口にしているようです。
リベラルな有権者は、イスラエルのガザ戦争に対するバイデン大統領のアプローチに怒り、学生ローンの大規模な免除など、彼が2020年の選挙キャンペーン中に打ち出した進歩的な政策を実現するために十分なことをしていないと不満を抱いています。中道派の有権者は国境警備の強化を求め、左派の有権者は彼の移民政策が右傾化しすぎていると考えています。
世論調査によると、民主党支持者と無党派層のうち、バイデン大統領の政策が個人的に苦痛だった、あるいは何の影響もなかったと答えたのは45%。有権者全体では、バイデン大統領の政策が自分を傷つけたと答えた人は53%で、彼の政策に助けられたと答えた人は23%と4分の1以下でした。トランプ前大統領の政策に個人的に助けられたと答えた有権者は49%で、助けられたと答えた有権者は37%に過ぎませんでした。
バイデン大統領が在任した約3年間、インフレ率は過去40年以上で最高の9.1%に達しましたが、その後は3.1%まで急落しました。一方、労働市場は大統領就任期間を通じて好調を維持し、失業率は比較的低く、賃金の伸びは今年初めから物価を上回るようになりました。
バイデン大統領は、約1兆ドルのインフラ法案、大規模な気候変動対策、税制、医療保険制度、国内半導体産業強化のための数十億ドル規模の法案など、過去数十年の大統領の中で最も大規模な法案を主導してきました。一方で、4,000万人のアメリカ人が抱える学生ローンをなくすための4,300億ドルの計画を最高裁に阻止されました。
トランプ前大統領が成し遂げた主な立法措置は、ここ数十年で最も広範囲に及ぶ米国税制の見直しであり、法人税率を引き下げ、ほとんどの個人に対する税金を引き下げました。また、米国・カナダ・メキシコの新たな貿易協定の樹立を主導する一方、中国には関税を課しました。トランプ政権は不法入国を食い止めるため、約500マイルに及ぶ国境の壁を建設しましたが、その大部分は、すでにあらかじめ障壁があった場所にフェンスを設置し直したものでした。トランプ前大統領は、コロナウィルス感染症の大流行の初期対応を行い、連邦政府は経済に数兆ドルを投入しました。
経済学者によれば、トランプ前大統領とバイデン大統領が承認した支出は、パンデミック初期の数ヶ月間の経済を緩和し、その後回復を早めたそうです。それでも、2021年に経済が再開し始めると、その需要は労働力不足やサプライチェーンのボトルネックと衝突してインフレを煽り、2022年にロシアがウクライナに侵攻してガソリン価格が急上昇すると、さらに悪化しました。
バイデン大統領が国境の壁の建設を再開したこと、大規模な学生ローン免除の約束を守らなかったこと、そしてガザの市民を守るためにもっと努力しなかったことを非難している民主党支持者は多いようです。
2024年大統領選挙では、バイデン大統領にもトランプ前大統領にも投票するつもりはない人が増えつつあります。
バイデン大統領の支持者たちは、選挙戦が本格化するにつれ、トランプ前大統領とバイデン大統領の対比が国民に伝わり、選挙前の11ヶ月間で有権者を味方につける自信があるように見受けられます。また、バイデン大統領の医療、薬価、中絶、その他の問題に対する立場は有権者に人気があります。
世論調査によると、有権者は2024年の共和党大統領選の最有力候補であるトランプ前大統領を、経済、インフレ、犯罪、国境警備、イスラエル・ハマス戦争など、多くの主要な問題に対処できる人物だとも見ているようです。
共和党員および共和党寄りの無党派層の88%が、トランプ前大統領の政策が自分たちを助けてくれたと考えています。民主党と民主党寄りの無党派層の4分の3近くは、トランプ大統領の政策は害になったと考えるが、10人に1人は役に立ったと考えています。