Thursday, January 6, 2022

アメリカ連邦議会襲撃1周年

 米連邦議会議事堂が襲撃された事件から今日(1月6日)で1年を迎えました。バイデン米大統領はこの日、米国の民主主義に継続的な脅威をもたらしたとして、トランプ前大統領を非難しました。バイデン大統領は議事堂内での演説で、「1年前のこの日、この神聖な場所で民主主義が攻撃された」とし、「人々の意志は攻撃を受け、米国の憲法は深刻な脅威にさらされた」と述べ、「前大統領が2020年の選挙に関するうそを作り上げ、広めたというのが真実だ」とし、「トランプ氏は敗北を受け入れられない」と前大統領を厳しく批判しました。


バイデン大統領はさらに「米史上初めて、大統領は選挙で負けただけなく、平和的な政権移行を阻止しようとした」と強調。トランプ氏が議会占拠に対し「数時間にわたり何の行動も取らなかった」とし、「前大統領と彼の支持者は国民の投票や選挙を抑圧することが唯一の勝利への道と判断した」と批判しました。


バイデン大統領は演説でトランプ前大統領を終始「前大統領」と呼び、名前には言及しませんでした。


トランプ前大統領はバイデン大統領の演説を受けて声明を発表し、「私の名前を使い、米国をさらに分断させようとしている」と反発。共和党議員は、民主党が事件の1周年のイベントを利用していると批判。上院共和党上院のマコネル院内総務は声明で「上院民主党議員の一角が米国の規範や規則、制度の混乱を正当化するために、暴徒による試みを呼び起こしているのは驚きだ」と述べました。


しかし、事件の深刻さや責任を負うべき人物、乱入者の処罰を巡っては、米国民の意見は割れているようです。


キニピアック大学の世論調査によると、民主党支持者の93%、無所属派の56%が議会占拠事件は政府への攻撃だとの考えを示しました。一方、共和党支持者ではこの割合は29%にとどまっています。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが行った調査では、乱入者を訴追することが重要だとみる共和党支持者が減っています。その割合は9月時点で57%となっており、3月の79%から低下。民主党支持者の間では95%で一定しています。


事件は民主主義への攻撃だとみる有権者もいれば、制御不能な状況に陥ったデモ活動だとする意見もあります。民主党や報道機関が事件を誇大に強調しているとの声も聞かれています。


米国が直面する分断の深さは本当に深刻のようです。

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