Saturday, October 29, 2022

もうすぐ中間選挙

11月8日の中間選挙まであと10日間。もうすぐです。
情勢は共和党に有利に動いているようです。ホワイトハウスは中間選挙について以前は楽観視していたものの、足元では与党・民主党が上・下両院で敗北することを懸念しているそうです。

ファイブサーティエイトなどの最新の世論調査によると、民主・共和両党の間で五分五分と見込まれていた上院選挙は高インフレが続く中で共和党に傾いているほか、年初には民主党が多数派を握ると予想されていた下院でも、圧倒的に共和党に傾いているそうです。

民主党が上・下両院または上・下院いずれかの支配を失えば、バイデン大統領の今後2年間が困ることになります。共和党はバイデン大統領が優先する法案を阻止する一方、債務上限問題を利用して移民や歳出を抑制する新法を推進するとみられます。

共和党はまた、バイデン大統領の息子ハンター氏の事業や私生活などに対する調査にも着手する見通しです。一部の議員からはバイデン氏や閣僚、ハリス副大統領の弾劾を望むとの声も出ています。

そもそも、中間選挙では、大統領が属する政党は、ほとんど敗北しています。過去の中間選挙の結果は以下の通です。

1962年 ジョン・F・ケネディ(民主党)     −4+3
1966年 リンドン・B・ジョンソン(民主党)−47−4
1970年 リチャード・ニクソン(共和党)   −12+2
1974年 ジェラルド・フォード(共和党)   −48−5
1978年 ジミー・カーター(民主党)      −15−3
1982年 ロナルド・レーガン(共和党)    −26+1
1986年 ロナルド・レーガン(共和党)      −5−8
1990年 ジョージ・ブッシュ(共和党)      −8−1
1994年 ビル・クリントン(民主党)      −52−8
1998年 ビル・クリントン(民主党)       +5  0
2002年 ジョージ・W・ブッシュ(共和党)   +8+2
2006年 ジョージ・W・ブッシュ(共和党)  −30−6
2010年 バラク・オバマ(民主党)        −63−6
2014年 バラク・オバマ(民主党)        −13−9
2018年 ドナルド・トランプ(共和党)    −40+2

過去の中間選挙で、与党が上下両院で党勢を拡大させた、または少なくとも縮小させなかったのは、2期目のクリントン政権と、1期目のジョージ・W・ブッシュ政権だけです。

現職の大統領に完全に有利な結果をもたらした中間選挙は、9.11同時多発テロ事件からわずか1年ほどしかたっていないタイミングで実施された、ブッシュ政権のときのみとなっています。


一部の民主党員らは中間選挙の候補者に対し、高インフレと経済不安に正面から向き合い、国民が直面するコスト高を抑制しようとする試みを共和党が妨害しているという構図を強調するよう求めているそうです。


民主党は人工妊娠中絶の権利回復やドナルド・トランプ前大統領による民主主義制度への攻撃に重点を置き過ぎた結果、有権者が生活費の高さに苦しむ中で、経済問題で共和党に後れを取っていると、一部の党員は懸念しています。


確かに、平均的な米国民が気にかけているのは経済であり、インフレだとの答えが返ってきます。


今回の選挙は、インフレが1980年代初頭以来の水準に達する一方、労働市場が回復力を見せる中で行われます。9月の失業率は3.5%に改善し、2022年の就業者数はこれまで月平均で約42万人増加しました。


人工妊娠中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」が6月に連邦最高裁によって覆されて以降、バイデン氏や民主党議員は中絶に関する問題にも焦点を当て、最高裁の判断が一般民主党員の動きを活発にさせ、とりわけ女性の有権者登録を促したとの見方を示してきました。中絶権利を制限する動きが各州で強まるとの警戒感から、ニューヨーク州の下院補欠選挙で民主党が激戦を制したほか、カンザス州で行われた住民投票では、州憲法に中絶権利の撤廃を明記する規制強化案が予想外に否決されました。最高裁の判決を受けて、多くの州で女性の有権者登録が急増したと指摘されています。


また、8月にはクリーンエネルギー投資や医療費削減を盛り込んだ大型の新法を制定しました。


しかし、最近の世論調査では有権者の最大の関心事が経済問題であることが一貫して示されており、有権者はその点においては共和党の方を高く評価しています。


そのため、一部の民主党員は、妊娠中絶の権利について語るだけでなく、「生活費とインフレと経済」に焦点を当てたものにすべきだと主張しています。


今年の中間選挙で共和党は下院だけでなく上院も制するのか。その結果、バイデン政権の求心力は失われ、「レームダック」となるのか。目が離せません。

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