前日の3月29日に九つ目の合格大学であるエモリー大学に合格した次女。
翌日3月30日は、次女にとり非常に大きな出来事がありました。
なんとカリフォルニア大学(UC)バークレー校に合格したのです!
バークレー校のサイトで合格を知った次女は、大喜び。
UCバークレーは、UCスクールの中でずっとトップの座を守り続けてきた優秀な大学で、州立大学の中で全米1位と称される名門大学です。
州内に9つあるカリフォニア大学の中でも最も古い歴史を持つ、「カリフォルニア大学(UC)システム」の本校(旗艦校:フラッグシップキャンパス)でもあり、「Cal」と言えばUCバークレー校のことを指します。
人気の専攻分野は社会科学、工学、生物学、コンピュータなどで、伝統的に工学の分野が有名。シリコンバレーに近いことから、起業をめざす学生も多く学んでいます。
学風はきわめてリベラルで、全米の学生運動においてはつねに先陣をきってきました。
また、自由な気風と文武両道の方針で知られます。これまでに100名を超えるノーベル賞受賞者を輩出し、多数の著名アスリートを世に送り出してきました。スタンフォード大学のライバル校としても名高い大学です。
シリコンバレーから程近いこともあって、多数のIT・コンピューター系企業から出資を受けて研究・開発を行っています。UNIXシステムもUCバークレーの研究室で開発されました。
カリフォルニア州のバークレー市(人口50万人)に1868年に設立された州立大学です。キャンパスの敷地面積は1232エーカーあり、東京ドーム107個分に相当します。サンフランシスコまでは地下鉄で25分ほどの距離にあります。
学生数は4万5000人以上。学部生が3万2400人、大学院生が1万2800人います。留学生の割合は5%以下です。
次女は、実はUCバークレー校に行けるとは思っていません。なぜなら、これまで合格したUCサンディエゴ校、アーバイン校、デービス校と同様、UCスクールであるバークレー校も、学費の面で州民を優先しているからです。州外の学生への奨学金は極端に少なく、2000ドル程度です。
この程度の奨学金しかもらえないとしたら、UCバークレー校がいくら全米有数の大学だったとしても、親は次女の授業料・寮費・食費などを負担できません。
次女はそのことをよく知っていますので、UCバークレー校に行かないことに後悔はしていません。
実は、UCバークレー校には、「ハウジング問題」という別の問題があります。増え続ける学生数は、20年近く前から地域の課題となっていました。2005年の段階でUCバークレー校は、2020年の入学者が3万3000人あまりになると発表していました。しかし、2016年の時点ですでに予想を30%超過しました。大学が市の住宅不足に拍車をかけ、低所得者層が家を失いホームレスになっているほか、多数の学生による騒音やゴミ問題への苦情が発生しています。
現地の住宅事情は切実です。サンフランシスコ・ベイエリアには、テック大手GAFAを構成する4社のうち3社が集結しています。業界の好況と富裕層の流入に伴い、家賃は高騰してきました。ありきたりなワンルームマンションの賃料が30万円を超えることもめずらしくありません。家を借りられず、テント暮らしや車中泊などでしのぐ人々が社会問題となってきました。
バークレーもサンフランシスコ中心部から湾を挟んですぐ対岸に位置しており、この影響を如実に受けている地域のひとつです。UCバークレー校の学生に関しても、住環境は良好ではありません。一部の学生は戸建てを改造した寮に数人で住み、1人あたり月に1000ドル以上の寮費を負担しています。
また、UCバークレー校のキャンパスの近くのほとんどの公園にホームレスがテントを張って生活をしています。
ともあれ、次女にとっては、絶対に行くことはありませんが、全米で超優秀である名門UCバークレー校に合格した事実が相当嬉しかったようです。
次女がアプリケーションを出したアメリカの大学の合格発表は終わりを告げつつあります。あと数校を残すのみになりました。
UCバークレーからの合格通知