アメリカ時間3月14日、米IT大手メタ(旧フェイスブック)は、約1万人の人員削減を実施すると発表しました。昨年11月に続く大型解雇となります。主に対象となるのはエンジニア以外の従業員とのこと。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は発表文を通じ、同社は複数の管理職層を取り除くことで、組織のさらなるフラット化を目指していると説明しました。メタは昨年11月、従業員の約13%に相当する1万千の削減を実施しています。
昨年22年9月末時点のメタの従業員数は約8万7千人でした。新型コロナウイルスのパンデミックによる巣ごもり需要の増大を受け、従業員数は19年末から2倍に増えていました。
しかし22年11月、デジタル広告市場の低迷や株価急落を受け、創業以来最大のリストラ策を発表。メタの従業員数は約7万6千人に減りました。23年はさらに13%程度を削減し、21年夏と同水準の約6万5千人に減らす計画のようです。
今回削減されるプロジェクトは、メタバース関連事業「Reality Labs(リアリティー・ラボ)」で開発中のウエアラブル端末の一部。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)への長期的な研究開発は続けますが、製品を普及させるための短期的な取り組みは一時停止するとのこと。
メタの22年10月〜12月期の決算は、売上高が前年同期比4.5%減の321億6500万ドル(約4兆3200億円)、純利益が同55%減の46億5200万ドル(約6300億円)で、減収は3四半期連続でした。主力のネット広告事業の売上高は312億5400万ドル(約4兆2000億円)で、前年同期から4.2%減少しました。
メタが次の成長分野と位置付けるReality Labs部門の売上高は同17.1%減の7億2700万ドル(約977億円)にとどまり、営業損失は前年同期の33億400万ドル(約4400億円)から42億7900万ドル(約5800億円)に拡大しました。
ネット広告の不振で主力アプリ製品群の収益が低下する中、赤字続きのReality Labsが業績の重しとなっているようです。Reality Labsの年間営業損失も、前年の101億9300万ドル(約1兆3700億円)から137億1700万ドル(約1兆8400億円)に拡大しました。
世界のAR/VR端末市場ではメタが8割近くのシェアを持ち首位を維持していますが、市場規模は依然として小さく、次の成長分野と言えるものではないと指摘されています。
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