Tuesday, September 5, 2023

カマラ・ハリス米副大統領は「ウサギの耳」

ジャーナリストのフランクリン・フォア氏が最近『The Last Politician』という本をだしました。その著書によると、カマラ・ハリス米副大統領は自分がどう見られているか不安でたまらず、「ウサギの耳」と呼ばれているそうです。

ハリス副大統領が自分のチームの不始末に関する「破滅的な記事」をオンラインで読んだとき、彼女は「記者に協力していると疑われた補佐官を一時的に凍結させることで対応した」とフォア氏は書いています。

この本は、バイデン大統領とハリス副大統領の間の力関係を掘り下げています。

フォア氏は、「バイデン大統領は彼女に "非の打ちどころのない敬意 "をもって接したが、オバマ政権で当時のバイデン副大統領が果たした実質的な役割をハリス副大統領に渡さなかった」と書いています。

バイデン大統領は、「オバマ大統領がバイデン副大統領を必要としたのと同じように、ハリス副大統領を必要としていなかった」とも書かれています。

フォア氏によると、バイデン大統領が就任した当初は、ハリス副大統領と毎週ランチをする予定でしたが、次第に予定が合わなくなり、「バイデン大統領はハリス副大統領を指導する義務を特に感じていなかった」と書いています。

厳しい評価ですね。



2024年アメリカ大統領選挙:トランプ前大統領は出馬資格があるのか?

来年の2024年11月、アメリカでは大統領選挙の投票が行われます。今日は2023年9月4日ですので、あと1年2ヶ月後です。しかし、大統領選挙はすでに始まっています。民主党、共和党とも、大統領選挙に立候補した方は、戦略を立てて毎日選挙運動を行なっています。

共和党では、トランプ前大統領が、すでに4つの刑事裁判に直面していますが、支持率において圧倒的に他の候補者を引き離しています。しかし、アメリカ合衆国憲法修正第14条第3項の反乱条項により、トランプは失格であるという学者がいます。

アメリカ合衆国憲法修正第14条の反乱条項とは何でしょうか。

これは、憲法擁護の宣誓をした後に「反乱や反乱を起こした」者は、公職に就くことを禁じられるという条項です。南北戦争後に修正第14条が起草されたとき、この条項は南部の州が南軍の元将校を連邦議会議員に選出するのを防ぐことを目的としていました。

修正第14条項には次のように書かれています。


修正第14条 [市民権、法の適正な過程、平等権] [1868 年成立]

第1項:合衆国内で生まれまたは合衆国に帰化し、かつ、合衆国の管轄に服する者は、合衆国の市民であり、かつ、その居住する州の市民である。いかなる州も、合衆国市民の特権または免除を制約する法律を制定し、または実施してはならない。いかなる州も、法の適正な過程によらずに、何人からもその生命、自由または財産を奪ってはならない。いかなる州も、その管轄内にある者に対し法の平等な保護を否定してはならない。

第2項:下院議員は、各々の州の人口に比例して各州の間に配分される。各々の州の人口は、納税義務のないインディアンを除き、すべての者を算入する。但し、合衆国大統領および副大統領の選挙人の選出に際して、または、連邦下院議員、各州の執行部および司法部の官吏もしくは州の立法部の議員の選挙に 際して、年齢 21歳に達し、かつ、合衆国市民である州の男子住民が、反乱またはその他の犯罪に参加したこと以外の理由で、投票の権利を奪われ、またはかかる権利をなんらかの形で制約されている場合には、 その州の下院議員の基礎数は、かかる男子市民の数がその州の年齢 21歳以上の男子市民の総数に占める割合に比例して、減じられるものとする。

第3項:連邦議会の議員、合衆国の公務員、州議会の議員、または州の執行部もしくは司法部の官職にある者として、合衆国憲法を支持する旨の宣誓をしながら、その後合衆国に対する暴動または反乱に加わり、または合衆国の敵に援助もしくは便宜を与えた者は、連邦議会の上院および下院の議員、大統領およ び副大統領の選挙人、文官、武官を問わず合衆国または各州の官職に就くことはできない。但し、連邦議会は、各々の院の3 分の2の投票によって、かかる資格障害を除去することができる。

第4項 法律により授権された合衆国の公の債務の効力は、暴動または反乱の鎮圧のための軍務に対する恩給および賜金の支払いのために負担された債務を含めて、これを争うことはできない。但し、合衆国およびいかなる州も、合衆国に対する暴動もしくは反乱を援助するために負担された債務もしくは義務に つき、または奴隷の喪失もしくは解放を理由とする請求につき、これを引き受けまたは支払いを行ってはならない。かかる債務、義務または請求は、すべて違法かつ無効とされなければならない。

第5項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項の規定を実施する権限を有する。


ある学者によれば、欠格条項は修正条項に記載された基準を満たせば誰にでも自動的に適用され、別の要素(例えば、暴動に関連する前科など)を必要としないと主張します。この適用除外を回避する唯一の方法は、議会が各議会の3分の2以上の賛成で恩赦を認めることです。


民主党議員や反トランプの共和党議員の間で支持を集めている法理論によれば、このめったに使われない条項は、2020年の選挙を台無しにしようとしたことや、2021年1月6日の国会議事堂襲撃を煽った役割のために、トランプが再び大統領になる資格を失う可能性が高いと主張しています。

この理論を検証するには2つの方法があとのことです。ひとつは、政治家や支持団体、あるいは一般の有権者が、トランプは出馬資格がないという司法判断を求めて訴訟を起こすことです。

もう1つの選択肢は、1つ以上の州がこの理論を全面的に受け入れ、トランプ氏を投票用紙に記載することを拒否することです。そうなれば、トランプ前大統領はそれらの州で立候補の回復を命じるよう裁判所に求める訴訟を自ら起こさざるを得なくなるかもしれなくなります。今のところ、トランプ前大統領を投票から締め出そうとする州はありませんが、全米の州務長官がこの問題について話し合っていると聞きます。

どちらのシナリオにしても、1868年に批准され、それ以来ほとんど解釈されることなく、ほとんど発動されることすらなかった条項である「反乱条項」の意味をめぐる議論に、今後、裁判所、そしておそらく最高裁が巻き込まれる可能性があります。いくつかの州にまたがる訴訟や上訴を連鎖させ、最終的には連邦最高裁に至る可能性がでてくるかもしれません。

ここ数週間、何人かの著名な憲法学者が、憲法修正第14条によってトランプは再び大統領に就任する資格がないと発言しています。

保守派の法学教授であるウィリアム・ボード教授とマイケル・ストークス・ポールセン教授は、この規定は反乱や反乱に関与したことの資格として「広範な故意の参加行為を包含する」ことを意図していると主張しています。トランプ前大統領の行動、特に選挙人票の集計を阻止するためにマイク・ペンス副大統領に圧力をかけたことや、1月6日に支持者に国会議事堂へのデモ行進を奨励したトランプ氏の扇動的な演説は、明らかにこの基準を満たしていると主張します。そして、第3項を真摯に受け止めるということは、2020年の選挙後、憲法の下で合法的な政府権限を破壊しようとした人々を、現在または将来の役職から排除することを意味すると主張します。

保守派のマイケル・ルティグ元連邦判事やリベラル派の憲法学者であるローレンス・トライブ氏も同意見のようです。「2020年の大統領選挙を覆そうとする前大統領の努力と、その結果としての連邦議会議事堂への攻撃は、彼を資格剥奪条項の範囲に明確に位置づけるものであり、したがって彼は二度と大統領を務める資格がない」と、彼らは先月、アトランティック誌に書きました。

すべての法学者が憲法修正第14条第3項のこうした解釈に同意しているわけではありません。懐疑派は、最近の解釈は修正条項の文言を過度に広範に定義しているとし、反乱に参加した人物が大統領に就任するのを阻止するためには、刑事裁判制度が適切な執行メカニズムであると主張しています。

ある大学の法学部教授は、この条項の「緩すぎる」解釈に注意を促し、「反乱」や「反乱」という用語は、南北戦争のような「政府に対する最も深刻な反乱」にのみ適用されるべきであると示唆しています。

また、一方的に特定の政治家を投票対象から外すという前例に懸念を示す者もおり、このような措置は非民主的と見なされる可能性があるとの指摘もあるようです。また、トランプ前大統領を排除することには政治的な意味合いもあり、そのような行為はトランプ前大統領の支持者からの反発を招く可能性が高いでしょう。

憲法修正第14条第3項をどのように使うかについては、共和党の予備選挙または総選挙でトランプ前大統領に対抗する候補者が、トランプ氏が投票用紙に記載されることによって直接的に被害を受けると主張し、訴訟を起こすか、利益団体や有権者個人も、特定の州でトランプ前大統領が投票用紙に載るのを阻止するために訴訟を起こすことができるかもしれません。

最近、共和党の有力大統領候補ジョン・アンソニー・カストロ氏がニューハンプシャー州で、トランプ前大統領が憲法修正第14条に違反していると主張し、同州の州務長官に対してトランプ前大統領の名前を投票用紙に載せないようにする差し止め命令を求める訴訟を起こしました。フロリダ州では、ある税理士がトランプ氏を大統領選から失格させるべく連邦裁判所に提訴し、1月6日の事件への参加は憲法修正第14条によりトランプ氏の大統領就任を妨げるはずだとしています。

仮に、州務長官が先手を打ってトランプ前大統領を投票対象から除外す場合、トランプ前大統領がこの件で訴訟を起こすことになります。一部の州務長官はすでに、少なくともこの規定を適用するかどうかを検討することを示唆していると聞きます。ミシガン州のジョセリン・ベンソン州務長官は、この問題をどう扱うかについて、他の激戦州の担当者と話し合う予定だと述べています。

今年の夏に、法律擁護団体「Free Speech for People」が9つの州の州務長官と選挙管理責任者に書簡を送り、憲法修正第14条の結果としてトランプ氏を投票から締め出すよう要請しました。「民主的な選挙結果の認定を阻止するための議会への暴力的な攻撃にトランプが関与したことは、将来いかなる公職にも就く資格を失う」と彼らは書いています。

この問題は、トランプ前大統領とその陣営、あるいは保守派団体から何度も提訴される可能性が高いでしょう。トランプ前大統領を投票から追放しようとする本格的な取り組みは、おそらく最高裁までもつれ込む可能性があります。問題は、最高裁が最終判断を下す前に、州によって異なる結果が出る可能性があることです。

憲法修正第14条が批准されて以来1世紀半の間、その第3項が法廷で試されたことはほとんどなく、元大統領に対して試されたこともありません。

2022年の中間選挙を前に、「Free Speech For People」は、1月6日の抗議行動への支持をめぐって、共和党のマージョリー・テイラー=グリーン下院議員(ジョージア州選出)とマディソン・コーソーン下院議員(当時。ノースカロライナ州選出)を反乱条項により議員資格がないと主張し、投票対象から外すよう訴えました。グリーン議員の裁判を監督する判事は、グリーン議員は1月6日の暴動に参加していないと認定し、再出馬の資格を与えました。一方、コーソーン議員の裁判は、連邦控訴裁判所が不利な判決を下しましたが、その判決は同議員が予備選で敗れた後に出されたため、意味のないものでした。

最近、アリゾナ州のエイドリアン・フォンテス州務長官は、同州の大統領選挙投票において失格させることができるのは州議会のみであるという同州高等裁判所の判決により、同州務長官の手は縛られていると述べました。

憲法修正第14条が最近実際に使われた例として、2022年、ニューメキシコ州の判事は、1月6日に国会議事堂に入った田舎の郡委員を、この条項に基づいて出馬禁止にしたことがあります。

2024年のアメリカ大統領選挙は、目が離せません。



Sunday, September 3, 2023

6回目のコロナワクチン接種

昨年(2022年)12月に5回目のコロナワクチンを接種して以来、6回目の案内が来ていましたが、なかなか接種する時間がなく、9月2日にやっと6回目のコロナワクチンを接種しました。

待ち時間も入れて所要15分で終わり、医師の指示通り、9月2日はお酒を飲まず、ついでに翌日の日曜日もお酒を飲みませんでした。

このところ出張続きで、また今週からロサンゼルスに出張です。最近、周りにコロナに感染した人が若干増えてきたので、念のためと思い、良いタイミングで接種できました。

備えあれば憂いなし。

Saturday, August 26, 2023

次女のデューク大学入寮

 8月17日午後、ノースカロライナ州にあるローリー・ダーラム空港に到着。その理由は、次女が8月19日にデューク大学の寮に入るのですが、それを家族全員で支援するためです。父である私は出張先のテキサス州ヒューストンから、妻は大学院生として学んでいるある州の第二都市から、長女は現在ワシントンDCでのインターンシップのために住んできるメリーランド州ベセスダからと、家族全員がアメリカの異なる都市からノースカロライナ州ダーラムに集まりました。

 当の次女は、7月中旬以降、日本に住んでいる祖父母の家に滞在していたので、羽田空港からワシントンDC経由でローリー・ダーラム空港に着きました。ワシントンDCのダレス空港(正確にはバージニア州にあります)からのフライトは、長女も乗るフライトだったので、隣同士の席にしたようです。

 8月17日に全員がヒルトンホテルにチェックイン。日本からアメリカのAmazonで購入していた次女の寮生活の必需品がすでにホテルに届いていました。購入したものは、ベッドの敷パッド、敷シーツ、毛布、Comforter、Comforterカバー、枕、枕カバー、シャワー用コンテイナー、シャワーサンダル、ローリング・ストーレッジ・ラック、デスクランプ、鏡、延長コード、などなど。

 8月18日は、CVSに寄り、シャンプーや化粧品類のものを購入。夜は久しぶりの一家団欒だったので家族でゆっくりちょっと高めのレストランで夕食をとりました。

 そして、8月19日。いよいよデューク大学のMove-in Dayです。午前10時にレンタカーで寮の前で降りると、約20名の上級生が、歓声をあげて出迎えてくれて、次女の引越し荷物を全て持って彼女の部屋まで運んでくれました。このような新一年生出迎え儀式は、デューク大学の伝統だそうです。

 一年生の寮はイーストキャンパスにあります。比較的新しい寮なので次女は気に入ったようです。ルームメイトは、テキサス州ヒューストンから来た方で、将来は弁護士を目指しているそうです。ルームメイトは両親だけでなく、祖母、弟二人も手伝いに来ていました。お互いが話し合って、どちらのベッドとデスクを取るか決めた結果、次女は廊下側のベッドとなりました。

 ベッドはクイーンサイズ。ベッドのマットレスは、結構高い位置にあるため、マットレスの下には結構空間があり、二段式のdrawerが二つありました。その奥には大きめのスーツケースが3つ程度置けます。デスクに加え、洋服をかけるラックには引き出しもついています。

 デューク大学のキャンパスは巨大です。キャンパスを構成する8,693エーカーの敷地は、全米の大学で第10位です。8693エーカーは、約35.18平方キロメートル。6km X6km=36平方キロメートルですから、かなり広いですね。

 大学の中には、256の建物の他、7,044エーカー(28.51平方キロメートル)の「デューク・フォーレスト」という森があります。キャンパスは、西キャンパス、東キャンパス、中央キャンパス、メディカル・センターの4つの主要エリアに分かれており、全て無料の大型バスサービスで結ばれています。デューク大学の海洋研究所の一部としてビューフォートの大西洋岸に15エーカー(6万1000平米)の土地を所有しています。デューク大学の学生は、西キャンパスをよく「ゴシック・ワンダーランド」と呼びます。西キャンパスにある大学のゴシック建築。キャンパスの大部分は、最初の著名なアフリカ系アメリカ人建築家の一人であったジュリアン・アベル氏によって設計されました。東キャンパスとして知られる新入生キャンパスは,ジョージア洋式の建物で構成されています。1930年から1935年にかけてキャンパス内に建設された礼拝堂は1600席を備え、高さ210フィート(64メートル)で,ダーラムで最も高い建物の一つです。

 次女は入寮を済ませると、午後2時にTB(結核菌)検査を受けました。これは新入生全員が入寮するために必要な検査です。多くのアメリカ人の新入生は、すでにアメリカ国内でTB検査を受けていましたが、次女の場合、高校は寮生活であったこともあり、そしてアメリカ以外の国の検査結果は受け付けないため、寮に入る当日にデューク大学で検査を受けました。

 午後4時から,西キャンパスの礼拝堂の前にある、芝生からなる「The Quad」で野外のビュッフェ形式の夕食会がありました。10人がけ円卓が100個程度あり,自由席です。ルームメイトや同じ寮の学生とその親が一緒に座って食べました。

 午後5時からは,デューク大学のフットボールチームが試合をするWallace Wade Stadiumに行き、新入生全員、2027年卒業という意味の背番号27と新入生の苗字が背中に入ったフットボール・ジャージをもらいました。このスタジアムは席は4万席。立ち見を入れたら5万人以上を収容する巨大スタジアムです。無料で提供を受けたアイスクリームを食べながら,観客席に家族で座って、これから4年間、新入生の子供達は何度も来るかもしれないスタジアムで、ちょっとしたひとときを過ごしました

Wallace Wade Stadium



 午後7時半から8時15分まで、Cameron Indoor Stadiumという、バスケットコート1面のみがある室内スタジアムで、大学側が新入生を歓迎する行事がありました。親もスタジアム内の歓迎行事に参加できますが、新入生は一階、親は二階席で別れて参加しますし、歓迎行事のあとは、親はスタジアム内でレセプションがあり、新入生は、自分たちの寮に戻り、新入生同志の交流行事があるため、この歓迎行事があるスタジアムに入る前に、スタジアムの外のエリアで新入生とその家族が、最後の別れの時間を過ごすことになります。

 多くのアメリカ人の親は、自分の子供と18年間一緒に住んでおり、このたび初めて親から離れて寮生活することになるので、アメリカ人の家族にとって、子供が大学に入るということは、子供と別れる、子供が家からいなくなるという意味でも、本当に大きなことなんですね。

 スタジアムに入る前に、親子で「最後の別れ」の時間を過ごすのですが、中には、新入生の子供が泣いていたり、親が泣いていたり、家族によってまちまちでした。父親と息子が一緒に泣いていたりするシーンも見られました。

 次女は、高校3年間は寮生活をしていたので、親子で泣くことはありませんでしたが、親としては、ここまでよくきたなという感情が込み上がってきました。最後の別れの時は、久しぶりに親子でガッツリとハグをしました。

スタジアム前の新入生と家族が別れるエリア

スタジアムに入る直前の、新入生とその家族のお別れの様子


 スタジアム内での新入生の歓迎行事では、チアリーダーの応援、学長やフットボールコーチ、バスケットボールコーチからの挨拶、その他大学関係者の挨拶などがりました。






 歓迎行事終了する頃には、親や長女はもうクタクタで、ウーバーでホテルに戻り、皆、倒れるように就寝しました。次女は、歓迎行事のあとは、寮で2時間くらい交流行事があったそうです。デューク大学のMove-in Dayは、かなりハードな一日でした。

 なんだかんだ言って、次女は、ここまでよく頑張ってきたと思います。高校の寮生活は年齢的に大変だったと思いますが、大学生活は、いよいよ大人への最後の階段を登るようなものです。勉強が一段と大変になると思いますが、ルームメイトやドームメイトと仲良くなって、たくさん友達を作って、楽しいカレッジ・ライフをエンジョイしてほしいと願うばかります。

Sunday, August 20, 2023

米新規失業保険申請予想より大幅減

8月17日、アメリカ労働省が発表した8月12日までの1週間の新規失業保険申請件数は23万9000件と、前週から1万1000件減少しました。減少幅は5週間ぶりの大きさでした。

市場予想の24万件を超えて減少し、労働市場がなお引き締まっていることが示されました。これは底堅い経済を背景に、雇用主が人員削減を思いとどまっている状況が伺えます。

採用を減らし始めた雇い主もいるようですが、多くは人員削減に消極的のようです。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に人材不足に悩まされた経験が影響しているのでしょうか。

フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標の5.25─5.50%への利上げが教科書通り総需要の鈍化を招いていないため、米経済は冷え込むどころかむしろ加熱しているかもしれないとの見方もあります。さまざまなセクターで借り入れコスト上昇の影響が出ているにもかかわらず、労働市場は力強さを維持しているのでしょう。

調整前の申請件数は1万5067件減の21万2850件。カリフォルニア州が3519件減少。テキサス州、ミシガン州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州も減少したが、バージニア州は増加したそうです。

8月5日までの1週間の継続受給件数は3万2000件増の171万6000件。予想は170万件でした。増加したものの、過去と比べるとなお低水準にあり、解雇された労働者がすぐに再就職できていることが示されています。





Friday, July 21, 2023

タフツ大学3年終了:長女の最近の様子

長女はタフツ大学の学部3年生が終了しました。国際関係を専攻しています。

Alliance Linking Leaders in Education and the Services (ALLIES)という、民間関係者と軍関係者が共同で教育、調査、訓練をすることにより、民間と軍の関係を向上することを目的とした組織のプログラム部長を勤めています。この組織は、タフツ大学のグローバルリーダーシップ研究所(The Institute for Global Leadership)という研究機関傘下にあり、大学から潤沢な財政支援を受けているため、毎週のように外部から超有名人を呼んだイベントや、南米に軍関係者と一緒に訪問して調査研究などを続けています。

また、同じ研究所傘下の「国際関係における女性(Women in IR)」という組織で共同議長を務めています。キャロライン・ケネディ元駐日大使(現駐豪州大使)など国際関係や政治の世界で活躍する著名な女性を招待し、シンポジウムなどを開催しています。

日本関連のクラブにも入っています。

余談ですが、タフツ大学には、名前は出せませんが、かなり有名な芸能人のお子さんも何人かいます。

長女は、そろそろ将来何をしたいのか真剣に考えているようです。3年生を終えた現在、首都ワシントンDCに一軒家の一室を借り、2年前と同じジョーンズ・ホプキンス大学の高等国際問題研究大学院(SAIS)にあるライシャワー・センターで、インターンシップを行なっています。今回も、研究員として参加しているようです。

長女も次女と同様、日米の国籍を持っていますが、日本の教育を受けたことがないため、日本企業で働くことは考えていません。3年生が終わったこの夏の期間に、大学卒業後の就職先を決めることが理想ですが、長女はどうしたいのでしょうか。

将来、アメリカ国務省に外交官として働くことも考えているようです。そのためには、いずれアメリカで大学院に行くでしょう。

長女は、アメリカの民主党に党員登録しています。大学一年時の秋、民主党員として、中間選挙でメイン州の連邦上院議員選挙で民主党候補のために選挙運動に携わりました。現在では、ホワイトハウス関係者とやりとりをして、将来について相談しているようです。

親としては、将来やりたい仕事が、社会に何らかの貢献があり、生きていける最低限の収入を得られることができれば、何でも良いと思っています。

ただ祈るのみです。



次女の高校の卒業式(6月3日)

2023年6月3日に、次女の高校の卒業式がありました。

アメリカのボーディングスクールに通っているため、私は日本から、アメリカで永住者となり、現在大学院生の妻は、アメリカで居住するある州から、タフツ大学に通っている長女はボストンから、それぞれ次女の高校のある都市に駆けつけました。

この都市はとても暖かく、服装も軽そうで良いので、荷物も少なく移動は楽でした。

次女の高校は、1863年創立の歴史ある名門私立高校。幼稚園から12年生までの1800人の生徒がいる私立の男女共学校で、米国聖公会に加入しており、理事会によって管理されています。

卒業する女子生徒は、全員が卒業式用の純白のドレスをオーダーメードで作りました。ドレス自体は数百ドルですが、全員がこのドレスと頭にはティアラをつけ、生花もかざします。男性の卒業式用の服は白シャツと黒色のズボンとガウンでした。

卒業式当日は晴天。非常に暖かく、屋外のフットボールスタジアムで卒業式が執り行われました。

カソリック系の私立高校であるため、冒頭、神父が何度も祈りを捧げました。

理事長や校長の挨拶のあと、成績優秀者(Cum Laude)の表彰がありました。

この「Cum Laude」というのは、ラテン語で、「優秀な」という意味です。アメリカでは、大学や高校で、GPAや取得単位によって「優秀賞」の基準が決められており、ラテン語の場合、成績の良い順に、「Summa Cum Laude」、「Magna Cum Laude」、「Cum Laude」となっていることが多いです。次女の高校では、「Cum Laude」しかなく、GPAの成績が、上位20%の人に与えられる称号のようです。

次女は幸い、「Cum Laude」として表彰されました。表彰といっても、生徒の名前と進学する大学名がアナウンスされると同時に、スタジアムに設置された二つの巨大スクリーンに、生徒の大きな顔写真と名前、そして大学名が映し出されるだけです。それでも親としては、ビデオを撮りながら、内心大喜びしていました。「Cum Laude」のメダルは、卒業証書を手渡される時に一緒にもらいました。

その後、卒業証書授与式が行われました。手渡すのは高校の理事会の理事長です。卒業生全員に手渡されるのですが、この時も、卒業生の名前が呼ばれたら、巨大スクリーンに生徒の顔と名前が映し出されました。生徒の名前が呼ばれるたびに、生徒の家族・親戚や友人が大声や奇声をあげて祝福していました。

次女の場合、長女と次女の後輩がしっかり祝福の奇声をあげていました。

理事長から卒業証書を受け取ると、同じステージ上で近くに立っている校長先生とのツーショットの記念撮影がありました。

アメリカの高校の卒業式で、卒業生による卒業証書の受け取り方にはびっくりです。日本の場合、校長先生からきちんと両手で受け取り、首を垂れるのが礼儀とされます。アメリカの高校では、卒業生の卒業証書の受け取り方はまちまちです。多くの場合、片手で受け取る人が多く、中には、片手で「もぎ取る」卒業生もいるようです。次女の高校の卒業式でもそうでした。しかし、文化が違うのか、理事長もニコニコしているだけです。日本のように、「(偉い)理事長や校長先生から、(低い立場の)卒業生が卒業証書を授かる」という発想や考えではないのでしょうね。

アメリカ人にとり、高校卒業は、ある意味、大人への階段に登るための関門であり、卒業証書は自身が勝ち取った人生の一つのachievement(功績/成果)である、という発想なのでしょうか。

卒業式のあとは、隣接するもう一つのフットボールスタジアムで、卒業生が家族・親戚・友人と合流し、祝福されるイベントがありました。

その後、夜8時から翌朝8時まで、高校の中で、映画鑑賞とパーティがあったそうです。これは次女のボーディングスクールの伝統行事のようです。

高校の卒業式といえば、長女の場合、コロナウィルス感染症が世界的に広まった2020年6月であったので、卒業式はありませんでした。プロムも中止。本当にかわいそうでした。その代わりに、6月のある日、ライにあるPlayland Parkという有名な遊園地の駐車場に卒業生と家族が車で集合し、何組かに分かれて、パトカーの先導で、ライの街の中を車でパレードしました。街中の住民が子供から大人まで、プラカードを掲げて拍手をしたり、笛を吹いたり、声をかけ、卒業生を祝福してくれました。4年間ライに住んで、初めてコミュニティのあたたかさを実感しました。長女は、コロナが少しずつ収束してきたタフツ大学2年生の時に、タフツ大学の配慮で、高校時代、コロナの影響でプロムが中止になった学生を対象に、タフツ大学主催のプロムが行われ、そのプロムに参加しました。タフツ大学も粋なことをするものだな、と感心したことを覚えています。

話は戻りますが、次女は、無事に高校を卒業しました。思えば、次女がニューヨーク州ライ市のミドルスクールを卒業する前に、「高校はボーディングスクールに行きたい」と言い始めた時、親として最初は本気で受け取らなかったのですが、次第に次女が本気であることがわかったため、ライ・ハイ1年生時になって、急遽転入できるボーディンングスクールを探しまくり、面接にいきました。しかし、受験した全てのボーディングスクール(全米上位4校)に補欠合格となりました。焦っていたところ、運よく、今のボーディングスクールに破格な奨学金付きで合格して、めでたく転向できたことは、つい最近のことのようです。

転入したのは高校2年時ですが、アメリカの高校は4年間ありますから、日本でいう高校1年の時です。次女は、若干15歳でした。コロナ禍で厳格な隔離政策の中で、一人で飛行機を乗り継いでボーディングスクールに引っ越しました。寮生活は楽しいこと嫌なこと、色々あったようですが、それも今となっては、大人への道で避けられない経験であったと思います。

この3年間はあっという間でした。あっという間に、長女も次女も、私の知らないところで、いろんな経験を積んだと思います。彼女たちの人生の次の章が楽しみです。

















Saturday, June 24, 2023

次女のアメリカの大学の合格(その9:UCバークレーをけって、デューク大学入学を決める)

 次女は、アメリカの大学に11校合格。最後に合格したのがトップ10スクールのデューク大学。奨学金も7万2千656ドルももらえます

この状況でデューク大学に行かない理由はありませんが、次女はデューク大学を見たことがないので、4月21日に開催された合格者のためのオリエンテーションに参加することにしました。

私は仕事でいけないため、別の州で大学院生として学んでいる妻が、4月20日に次女とノースカロライナ州ダーラム市で合流し、4月21日のオリエンテーションに参加してきました。

デューク大学は、大学のランキングや評判は太鼓判をおされています。次女は化学を専攻しますが、化学のランキングも全米トップ10であり、質の高い教授陣が揃っているようです。

大学の規模は、学部生は6000人台と少なく、これは長女が通うタフツ大学と同規模で、次女は気に入っています。

デューク大学の授業料を含む年間経費は計8万5238ドルと高額です。内訳は、授業料6万3450ドル、寮費9884ドル、寮の食費9182ドル、諸経費2722ドルとなります。教科書代やその他生活費等を入れると、総計8万9688ドル必要のようです。しかし、奨学金を7万2千ドルももらえるので、なんとかやっていけるとみています。

また、寮は、比較的新しく設備が整っており、北東部のアイビーリーグと異なり、冷房も完備されています。

そしてなんと言ってもキャンパスの美しさは目を見張るものがあったようです。

気候は南部に位置するため非常に暖かく快適です。キャンパス内は非常に安全です。

そして、デューク大学の卒業生の愛校心は非常に強く、全米における卒業生のネットワークは目を見張るものがあるようです。

次女にとり、実際のデューク大学訪問は、本当に良かったようです。

そして入学を決める期限である5月1日の2日前となる4月29日、次女はP C上で、デューク大学への入学の「ボタン」をクリックしました。

次女が2023年8月から2027年5月までの4年間学ぶことになるアメリカの大学が決まった瞬間でした。


次女のアメリカの大学の合格(その8:デューク大学に合格!)

今日は3月31日。約2週間に及ぶアメリカの大学の合格発表は、いよいよ最終局面となりました。

次女は、UCバークレー合格の通知を受けた翌夕、なんと、デューク大学合格の通知を受けました!

実は、次女は、デューク大学に合格することは夢にも考えていませんでした。

デューク大学は、入学の競争率が極めて高く、2023年のレギュラーディシジョンの枠では、4万4589人がアプリケーションを提出、合格者は2148人。合格率は4.8%と超狭き門でした。次女は、この4.8%の中に入れたということです。受験倍率にして、20.8倍となります。

なお、アーリーディシジョンでは、4880人がアプリケーションを提出して800人が合格しています。その合格率は16.5%。やはり、アーリーディシジョンの方が合格率が高いですね。

レギュラーデシジョンとアーリーディシジョンを合計すると、計4万9469人がデューク大学に応募、合格者総数は2948人となり、合格率は5.9%ということになります。この合格率は、デューク大学の歴史で2番目に低いとのことです。受験倍率にして16.8倍。

次女は、全く合格するとは思っていなかったので、合格の知らせを受けた瞬間、驚きすぎて、大きな口を開け、「信じられない!」という表情が10秒間は続きました。人間は、本当に驚いた場合、飛び跳ねることはなくこのような反応になるんだと知って、私はこのことにびっくりしました。

デューク大学の起源は1838年に遡るようで、メソジストとクエーカーの両コミュニティによって、ノースカロライナ州トリニティ市にブラウン・スクールとして設立されたのが起源です。後にタバコ事業者実業家ジェームス・B・デュークの父、ワシントン・デュークの財政支援を受け、1892年にダーラム市に移転。1924年、同氏によってデューク基金を設置し、巨額の寄付を行ったため、この時のワシントン・デューク氏の功績を讃え、大学名をデューク大学に変更しました。

今年の合格者は2948人ですが、合格者全員が必ずしもデューク大学に入学するわけではありません。現在の学部生の総数は6542人。一学年1635人しかいないということになります。教授と学生の人数の割合は1対8とのこと。

デューク大学は、全米の大学ランキングで常に10位以内内を堅持しています。

各種機関の全米大学ランキングを調べると、Nicheでは全米8位(①MIT, ②Stanford, ③Harvard, ④Yale,  ⑤Princeton, ⑥Rice, ⑦Cal Tech, ⑧Duke, ⑨Brown, ⑩Dartmouth)、Forbesでは全米9位(①MIT, ②Stanford, ②UC Berkeley, ④Princeton, ⑤Columbia, ⑥UCLA, ⑦Williams, ⑧Yale, ⑨Duke, ⑩University of Pennsylvania)、US & World Newsでは全米10位(①Princeton, ②MIT, ③Harvard, ④Stanford, ⑤Yale, ⑥University of Chicago, ⑦Johns Hopkins University, ⑧University of Pennsylvania, ⑨Cal Tech, ⑩Duke, ⑩Northwestern)と全米トップ10(テン)スクールとして不動の地位を有しています。デューク大学は、アイビーリーグ8校との比較では、ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学の次に位置している感じで、残りの5校(ペンシルベニア大学、コロンビア大学、ブラウン大学、ダートマス大学、コーネル大学)よりもランキング上になっている場合が多いです。

更に嬉しいことに、次女はデューク大学より初年度は7万2千656ドルもの返済不要の奨学金をもらえることになりました。

デューク大学合格の嬉しいニュースに、親子で喜び、その日の夜は、トランプ前大統領が所有する「マララーゴ」のレストランでお祝いをしました。

5月1日までに合格した11校(デューク、エモリー、タフツ、南カリフォルニア大学、スクリプス、ロチェスター、ブランダイズ、UCバークレー、UCサンディエゴ、UCアーバイン、UCデービス)の中から入学する大学を決めますが、UCバークレーは州外の学生に奨学金がほとんど出さないため、親としては、大学のレベルと奨学金の多さを考慮すれば、入学する大学はもう決まったようなものだと思っています。

もちろん、次女本人がよく考えて決めることですので、次女とよく話をして決めてもらおうと思います。


                           デューク大学の合格通知         



Monday, May 29, 2023

次女のアメリカの大学の合格(そのその7:嬉しい悩み)

次女は、3月30日までに以下の10校のアメリカの大学から合格通知が来ました。

UCスクール:①バークレー、②サンディエゴ、③アーバイン、④デービス

⑤スクリプス大学

⑥ロチェスター大学

⑦タフツ大学

⑧ブランダイズ大学

⑨南カリフォルニア大学(USC)

⑩エモリー大学


次女は、この10校から、どのようにして行きたい大学を選ぶのでしょうか。多くのアメリカ人の高校生は、以下の要素を考慮して、合格した大学の中から入学する大学を決めるようです。


1 大学の所在地

多くのアメリカの高校生にとり、大学を選ぶ上で、大学がある場所・地域という要素は極めて大きいようです。現在住んでいる州の州立大学に通う場合、授業料が州内学生用の廉価なものとなることも大きいからです。

小規模な大学町であれば、非常に親密なコミュニティの中で、大学生同士や教授との関係を強めやすくなるでしょう。反対に、大都市にある大学であれば、社交的・文化的な活動がしやすくなります。その上、インターンシップの機会にも恵まれるでしょう。

2 大学のランキングや評判

3 専攻したい学問があるかどうか。専攻したい学問と教授陣の質と評判。

4 大学の規模

5 授業料を含む諸経費

6 奨学金の充実度

7 寮が充実しているかどうか

8 キャンパスの環境

9 サポートシステム

10 気候

11   安全性

12   卒業生のネットワーク、卒業生の就職率や平均収入


月30日の時点で、次女は、やはり長女が通っているタフツ大学に行くことに心が傾いていたようです。というのも、長女のアメリカ人の彼氏は理系で、タフツ大学は理系も強いのでタフツに入学するよう熱心に次女に訴えているようです。


様々な機関の大学ランキングによれば、UCバークレーの次はエモリー大学が順位が高いようです。エモリー大学は、ジョージア州アトランタ近郊にあり、非常に美しいキャンパスと温暖な気候で、多くの日本人には知られていませんが、かなり優秀な大学です。


本来であれば、世界的にも有名で、UCスクールで最も優秀といわれているUCバークレーに行くべきとは思いますが、次女は州外の学生なので、大学からの奨学金は少ないし、最近のハウジング問題もあります。また、現在バークレーに通っている長女の友達が、キャンパス外の環境などの問題も指摘し、バークレーに通うことを勧めていないという事情もあります。


となると、エモリー大学、タフツ大学、USC、スクリプス大学くらいに絞られてきます。各大学の授業料や提供する奨学金を比べてみましょう。

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🔵エモリー大学

・諸経費8万3702ドル 

    - 授業料5万9920ドル、寮費1万1038ドル、食費7934ドル等

・返済不要の奨学金6万2412ドル(Emory University Grant 5万7167ドル、Federal Pell Grant 1745ドル、Emory Advantage Grant 3500ドル)

・自己負担2万1290ドル。

🔵タフツ大学

・授業料等諸経費8万8850ドル

・返済不要の奨学金5万7100ドル

・自己負担3万1750ドル

🔵USC

・授業料等諸経費4万5910ドル(2024年春学期分)

    - 授業料3万3320ドル、寮費5954ドル、食費3645ドル+その他

・返済不要の奨学金2万7901ドル(2024年春学期分)

・自己負担1万8009ドル(2024年春学期分)

これを単純に2倍すれば、一年間で

・授業料等諸経費9万1820ドル

・返済不要の奨学金5万5802ドル

・自己負担3万6018ドル

🔵スクリプス大学

・授業料等諸経費8万8564ドル

・返済不要の奨学金6万5343ドル

・自己負担2万3221ドル

🔵ブランダイズ大学

・授業料等諸経費8万5416ドル

・返済不要の奨学金5万2990ドル

自己負担3万2426ドル

🔵ロチェスター大学

・授業料等諸経費8万7544ドル

・返済不要な奨学金6万0300ドル

・自己負担2万7244ドル

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🔸授業料を含む諸経費が最も高額な大学

    1位:USC(9万1820ドル)

    2位:タフツ大学(8万8850ドル)


🔸返済不要の奨学金を最も多く出してくれる大学

    1位:スクリプス大学(6万5343ドル)

    2位:エモリー大学(6万2412ドル)


🔸自己負担が最も少なくてすむ大学

    1位:エモリー大学(2万1290ドル)

    2位:スクリプス大学(2万3221ドル)


🔴自己負担が最も少ない上に、バークレーを除き最も大学ランキングが高い大学

    - エモリー大学


果たして、次女は長女と同じタフツ大学ではなくエモリー大学を選ぶのでしょうか。最後まで悩みは尽きません。






Saturday, April 29, 2023

次女のアメリカの大学の合格(その6:UCバークレー合格!)

前日の3月29日に九つ目の合格大学であるエモリー大学に合格した次女。


翌日3月30日は、次女にとり非常に大きな出来事がありました。


なんとカリフォルニア大学(UC)バークレー校に合格したのです!


バークレー校のサイトで合格を知った次女は、大喜び。

UCバークレーは、UCスクールの中でずっとトップの座を守り続けてきた優秀な大学で、州立大学の中で全米1位と称される名門大学です。

州内に9つあるカリフォニア大学の中でも最も古い歴史を持つ、「カリフォルニア大学(UC)システム」の本校(旗艦校:フラッグシップキャンパス)でもあり、「Cal」と言えばUCバークレー校のことを指します。

人気の専攻分野は社会科学、工学、生物学、コンピュータなどで、伝統的に工学の分野が有名。シリコンバレーに近いことから、起業をめざす学生も多く学んでいます。


学風はきわめてリベラルで、全米の学生運動においてはつねに先陣をきってきました。

また、自由な気風と文武両道の方針で知られます。これまでに100名を超えるノーベル賞受賞者を輩出し、多数の著名アスリートを世に送り出してきました。スタンフォード大学のライバル校としても名高い大学です。

シリコンバレーから程近いこともあって、多数のIT・コンピューター系企業から出資を受けて研究・開発を行っています。UNIXシステムもUCバークレーの研究室で開発されました。

カリフォルニア州のバークレー市(人口50万人)に1868年に設立された州立大学です。キャンパスの敷地面積は1232エーカーあり、東京ドーム107個分に相当します。サンフランシスコまでは地下鉄で25分ほどの距離にあります。

学生数は4万5000人以上。学部生が3万2400人、大学院生が1万2800人います。留学生の割合は5%以下です。

次女は、実はUCバークレー校に行けるとは思っていません。なぜなら、これまで合格したUCサンディエゴ校、アーバイン校、デービス校と同様、UCスクールであるバークレー校も、学費の面で州民を優先しているからです。州外の学生への奨学金は極端に少なく、2000ドル程度です。

この程度の奨学金しかもらえないとしたら、UCバークレー校がいくら全米有数の大学だったとしても、親は次女の授業料・寮費・食費などを負担できません。

次女はそのことをよく知っていますので、UCバークレー校に行かないことに後悔はしていません。

実は、UCバークレー校には、「ハウジング問題」という別の問題があります。増え続ける学生数は、20年近く前から地域の課題となっていました。2005年の段階でUCバークレー校は、2020年の入学者が3万3000人あまりになると発表していました。しかし、2016年の時点ですでに予想を30%超過しました。大学が市の住宅不足に拍車をかけ、低所得者層が家を失いホームレスになっているほか、多数の学生による騒音やゴミ問題への苦情が発生しています。

現地の住宅事情は切実です。サンフランシスコ・ベイエリアには、テック大手GAFAを構成する4社のうち3社が集結しています。業界の好況と富裕層の流入に伴い、家賃は高騰してきました。ありきたりなワンルームマンションの賃料が30万円を超えることもめずらしくありません。家を借りられず、テント暮らしや車中泊などでしのぐ人々が社会問題となってきました。

バークレーもサンフランシスコ中心部から湾を挟んですぐ対岸に位置しており、この影響を如実に受けている地域のひとつです。UCバークレー校の学生に関しても、住環境は良好ではありません。一部の学生は戸建てを改造した寮に数人で住み、1人あたり月に1000ドル以上の寮費を負担しています。

また、UCバークレー校のキャンパスの近くのほとんどの公園にホームレスがテントを張って生活をしています。

ともあれ、次女にとっては、絶対に行くことはありませんが、全米で超優秀である名門UCバークレー校に合格した事実が相当嬉しかったようです。

次女がアプリケーションを出したアメリカの大学の合格発表は終わりを告げつつあります。あと数校を残すのみになりました。

    UCバークレーからの合格通知

       




次女のアメリカの大学の合格(その5:エモリー大学合格!)

次女は、これまで八つの大学に合格しました。UCデービス、UCサンディエゴ、UCアーバイン、スクリプス大学、ロチェスター大学、タフツ大学、ブランダイス大学、南カリフォルニア大学です。

そして3月29日、九つ目の大学、エモリー大学に合格しました。

恥ずかしながら、私はこの大学のことはあまり知りませんでした。1836年に設置されたジョージア州ディカーブ郡にある私立大学で、アトランタの近郊にあります。メソジスト系の教会がメソジストの司教John Emoryの名前をとって設立した大学であり、ジョージア州で2番目に古い私立大学となっています。合格率は13%前後と、とても優秀な大学です。

デューク大学やヴァンダービルト大学とよく比較される南部屈指の名門私立大学で、私立有名校としては珍しく、メインキャンパスから50kmのOxfordという小さな町にOxford Collegeという二年制の大学部門があり、ここで小規模なリベラルアーツ・カレッジのような環境で准学士号を取得してからメインキャンパスの四年制のプログラムに編入する学生もいます。

エモリー大学は教育の質が高く、また、ジョージア州最大のヘルスケアシステムや大学病院やがん研究所を有し、他にも疫学研究機関とともに研究しているため、医療分野でも高い評価を得ています。エモリー大学病院や、アメリカ国立がん研究所の指定施設であるがん研究所(Winship Cancer Institute)があります。また、世界でも有数の疫学研究機関として知られるアメリカ疾病予防管理センター(CDC: Center of Disease Control and Prevention)が隣接し、疫学研究の全米における一大拠点となっています。

なお、コカコーラ社の創設者であるAsa Griggs Candlerがエモリー大学がアトランタに移転することができるよう土地の権利を与えたり、他のコカコーラ社の社長たちも多額の寄付金を提供したりしたことから、エモリー大学はコカコーラ大学とも言われています。

エモリー大学卒業生は投資銀行を中心とした金融業界やコンサルティング・ファームとの繋がりが強いという特徴を持つようです。第39代アメリカ合衆国大統領 ジミー・カーター の母校でもあります。

なお、2017年3月13日に開催された全米討論委員会主催(American Debate Association/ADA)の全国ディベート大会(ADA National Championship)で同校はトップランカーであったハーバード大学をその座から引きずり下ろしたことはあまりにも有名です。

エモリー大学の大学院は、全部で約130のプログラムを提供しており、あらゆる分野を網羅しています。特に看護学、理学療法、公衆衛生学の分野で高い評価を得ています。

名門私立大学の一つとして、世界最高水準の研究施設と教育環境を提供し、知識を追求してさまざまな研究等で世の中に貢献することができる人材を育成してきたエモリー大学。


次女は、これで、USCやタフツ大学に加え、エモリー大学も加わり、大学進学先の現実的な選択肢が増えてきました。


      Emoryの合格通知

     






Tuesday, April 25, 2023

次女のアメリカの大学の合格:その4(父親の母校(USC)に合格!)

 次女は、3月21日に長女のが通っているタフツ大学に合格し、これで六つの大学に合格しました。

残りの大学が全て不合格になったとして、これまで合格した六つの大学は、非常に優秀な大学なので、次女としても、この中から選べることは満足のいく立場であることを実感しているようです。

合格した六つの大学の中では、タフツ大学かリベラルアーツ大学の女子大・スクリプス大学のどちらかを選ぶ可能性が高いと思います。お金があればUCサンディエゴも候補となります。

さて、次女の合格発表は続きます。

3月23日には、ブランダイス大学に合格しました。1948年に設立したマサチューセッツ州ウォルサムにある私立大学なので、長女が通うタフツ大学に比較的に近いところにあります。ユダヤ教徒によって創設され、現在でもユダヤ教徒の学生も半数近くいるそうですが、宗教教育などはありません。キャンパスには、三つの教派(ユダヤ教、カトリック、プロテスタント)の礼拝堂があり、特定の宗教に特化した教育を行わないという大学の性格を象徴しています。社会科学の分野を専攻する学生が多いですが、生化学、生物学、物理など自然科学分野が強い大学です。また、中東・ユダヤ研究が強いのも大学設立の背景から理解できるところです。


そして3月24日夕方。次女にUSC(南カリフォルニア大学)に合格したメールが届きました!


USCは、私が1990年代前半に修士号をとった大学院です。そのため、この合格発表は父として嬉しさもひとしおです。


ただし、次女が通えるのは2023年9月からではなく、2024年春学期からが条件でした。このまま何もせず2024年春学期から入学すると、卒業は2027年5月ではなく、2027年12月になります。2023年9月の入学者と一緒に2027年5月に卒業したければ、2023年秋学期に必要な単位をコミュニティカレッジか海外留学でとることを勧めています。次女は、高校でAPの単位をたくさんとっているので、もしかしたら特別な対応は不要かもしれません。


USCは、1880年、ロサンゼルスに設立された総合大学で、UCバークレー、UCLAに並ぶ西の名門校です。映画学科が特に有名で、ジョージ・ルーカスをはじめ多くの著名人が卒業生です。ビジネス、社会科学、芸術が人気で、ジャーナリズムや工学、建築学の分野も定評があります。スポーツの強豪校としても有名で、オリンピック選手を多く輩出しており、伝統的にアメフトが強く、愛校心を高めています。

私がいた頃のUSCは、大学ランキングは今より少し低めで、親がお金持ちの子供が通い、卒業後は南カリフォルニアで根を張りビジネスを展開している学生が多いというイメージでしたが、今では、合格率も低くなり、UCLAにも引けを取らない大学になっています。

今年のUSCの合格率(acceptance rate)は、9.9%です。合格率が10%を切る大学は、全米でかなり優秀と評価されます。

USCは、Early Decisionで2400人を合格させましたが、アプリケーションは4万600あったので、Early Decisionの合格率は、5.9%でした。Regular Decisionのアプリケーションは4万190ほど。合格者数は5598人なので合格率は13%。この二つの数字を合わせると、今年のUSCの合格率は9.9%となるわけです。

ちなみに今年のタフツ大学の合格率は、なんと9.5%(3万4千人中3230人が合格)でした。

USC(9.9%)かタフツ大学(9.5%)か。次女にとり、嬉しい悩みが出てきました。

もちろん大学は合格率だけで決めるわけにはいきません。次女は理系なので、どちらの大学が理系に強いか、どちらの大学が理系の研究のための資金が豊富か、などが重要です。また、気候、寮や食事がどれほど充実しているかの点も無視できません。さらには、インターンシップをするための環境、つまり、大学が所在する都市または近郊の都市が、どれだけインターンシップを行いたい分野の産業が盛んであるかなども重要です。

USCとタフツ大学は西海岸とニューイングランド地方にあり、気候も文化が全く違う地域にあります。

USCは大規模な大学ですので、専攻を変えることが容易でしょう。USCは学部生が2万人ちょっといますが、タフツ大学は6000人しかいません。

USCはスポーツも盛んで、D1、つまりDivision Iに所属しています。タフツ大学は、Division III の所属しています。

全米大学体育協会(NCAA)は、1900年代初頭に発足したアメリカ最大の大学体育協会で、大学の規模や種目数、奨学金の差などから、Division I、Division II、Division IIIの三つのDivisionに分けた競争が行われており、すべてのDivision合わせて90以上の地区、1100校を超える大学が加盟しています。

NCAAのDivisionは、大学の規模、体育会の規模、種目数、奨学金の数などで分けているため、日本の大学スポーツのように、1部と2部の入れ替えのようなものはありません。また、Division II やIIIのチームでも、Division Iのチームより強いチームもあります。

テレビで中継があり、より競争力のある選手が集まるのがDivision Iです。アメフトやバスケの試合は、プロスポーツに並ぶ人気競技で、テレビ中継も全米規模で行われます。

そのため、Division Iに所属している大学のチームが、全米トップレベルの競技があれば、その大学への愛校心が強く、その大学の学生は、試合になると結束する傾向があります。


果たして、次女は、USCに行くのか、タフツ大学に行くのか。

なお、USCを選ぶ場合、入学は2024年春からになる点も考慮する必要があります。


残りの大学の合格発表を待って決めることになるでしょう。


             USCの合格通知