今年11月のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びの初戦、中西部アイオワ州の党員集会(1月15日)で、トランプ前大統領(77)がほかの候補者に大差をつけて勝利しました。大統領への返り咲きを目指すトランプ氏にとって、思惑通りのスタートとなったようです。
トランプ氏は支持者らを前に演説し、共和党や民主党など立場の違いに触れながら「今はみんなが、私たちの国がひとつになるときだ」と語り、「今夜は最初の特別な夜だ。本当の特別な夜は11月、この国を取り戻し、この国を再び偉大な国にするときだ」と述べ、共和党の候補者指名を獲得して、11月の大統領選挙で勝利することに強い意欲を示しました。
トランプ氏は、4つの刑事事件で起訴されているほか、立候補資格をめぐっても各地で訴えが起こされており、選挙戦と裁判が並行して行われる異例の展開となっていますが、事前の世論調査どおりの勢いを示した形です。事前の世論調査通りの結果をほぼ得られたことは、党の指名獲得に向けて弾みとなりそうです。
8年前の同じアイオワ州党員集会では、トランプ氏は、テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス選出)に敗北しています。今回の党員集会でトランプ氏は、高度に専門化された動員作戦で労働者階級の有権者と福音派を動員したようです。
月曜日のトランプ氏の勝利は、ライバルの誰にとっても追いつくのが難しくなるほどの圧倒的なものでした。トランプ氏の勢いは止まりそうもありません。共和党のその他の大統領候補者が一つに統合されない限り、トランプ氏を捉えることはとても難しいでしょう。
トランプ氏は、それでも、総選挙に向けた懸念材料はあります。投票参加者の30%以上が、有罪判決を受けた場合、トランプは大統領にふさわしくないと答えていたからです。大接戦になりそうな総選挙では、共和党でも前大統領に懐疑的な党員もいると思います。
しかし、トランプ氏は、日曜日には、マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ選出)だけでなく、現実的な保守派として出馬した後、12月に大統領予備選から脱落したノースダコタ州知事ダグ・バーガム・ノースダコタ州知事からも支持を得ています。
トランプ氏はまた、アイオワ党員集会の前夜に、共和党議会の過半数の支持を正式に確保し、現在、上下両院の共和党議員から135人の支持を誇っています。デサンティス氏は5人の下院議員、ヘイリー氏は1人の下院議員からの支持しか得ていません。
この数カ月間、共和党のトランプ氏の敵たちは、トランプ氏には選挙適性の問題があると主張してきました。しかし、アイオワ州を含む共和党は、それを信じていないようです。日曜日に発表されたCBS/YouGovの世論調査によると、全米の共和党有権者の実に70%が、ヘイリーでもデサンティスでもなく、トランプがバイデンを打ち負かす党の最良の希望だと考えているようです。
共和党の候補者選びの第2戦となる東部ニューハンプシャー州の予備選挙は1月23日に行われることになっています。
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