Saturday, September 30, 2023

アメリカの大学4年生(最終学年)の長女の秋学期の授業料の支払い

長女は、今年(2023年)9月からアメリカの大学の最終学年である4年生になりました。

7月14日、秋学期分の授業料を含む費用9,424ドルを大学にオンラインで済ませました。費用を整理して、再び記します。


⭕️長女のアメリカの大学4年生の秋学期分の費用。

・授業料:3万3,179ドル

・健康保険料:4,080ドル

・ヘルスサービス料:1,090ドル

・活動費:396ドル

合計3万8,745ドル


長女は、今はキャンパスの外でハウスシェアをしているので、これらの住居費や食費は含まない、授業料を中心とする大学に支払う費用は、秋学期分で3万8,745ドルです。これは今のレート(1ドル=約150円)で581万1,750円。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

⭕️長女が大学よりもらっている奨学金や学生ローン(秋学期分)

返済不要の奨学金(grant):2万6,600ドル

・学生ローン:2,721ドル

合計2万9,321ドル

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次女が大学生になったおかげで、親の負担が増えるということで、返済不要の奨学金を秋学期分として2万6,600ドルもいただきました。昨年の秋学期分の奨学金は1万7,850ドルですから、8,750ドルも多くいただいたことになります。


大学の授業料関係経費3万8,745ドルと奨学金及びローンの合計2万9,321ドルの差額は9,424ドル。これが親がポケットから支払う金額となります。今の為替レートで 141万3,600円。高額ですが、払えない額ではなありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

残念ながら、大学関係経費は、これだけではありません。

⭕️シェアハウスをしている家賃と食費、光熱費等

・家賃:月1,050ドル、年1万2,600ドル

・光熱費:年間500ドル程度

・食事代:年間1000ドル程度

・お小遣い:月200ドル、年2,400ドル

計1万6,500ドル


よって、大学の生活費には、年に1万6,500ドル(247万5千円)かかります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なお、大学の授業料関係経費から奨学金及びローンを引いた額9,424ドルが春学期分も同じ額だと想定すると、上述したように1年で1万8,484ドル。1年分の「生活費」1万6,500ドルを合わせると、3万4,984ドル。今のレートで524万7,600円。


大学から約800万円も奨学金をいただきながら、親が支払う金額が約525万円なんて、アメリカの大学はやはり高いです。円安は親の懐を痛めます。

Friday, September 29, 2023

英国の大学の授業料は安い?(アメリカ・デューク大学との比較)

アメリカの大学の授業料は年6万ドル台。今のレートで900万円。これに寮費、食事代、健康保険料諸々を加えると、年9万ドルを超えます。9万ドルは今のレート(1ドル=150円)で約1200万円です。

次女のデューク大学1年生の例を例示します。
23−24年秋学期
 授業料:3万1725ドル
 寮費:4942ドル
 食事代:4272ドル
 ノースカロライナ税(寮費):250.28ドル
 ノースカロライナ税(食事代):68.25ドル)
 健康保険料:3282ドル
 Health Fee:472.50ドル
 Residential Programming Fee:55.25ドル
 Student Activity Fee:149ドル
 Student Service Fee:376ドル
 Duke Mail Box:38ドル
 Recreation Fee:180ドル
 First Time Registration:180ドル

計4万5990.28ドル=689万8542ドル(今のレート1ドル=約150円)

春学期分も同じ額であるとすると、単純に2倍すると1379万7084円となります.

アメリカの大学は、1年間で1379万7084円。
4年間で、5518万8336円となります。

日本の大学と比べると、かなり高額でだと思います。

しかし、他の国の大学はどうでしょうか。

英国の例を見てみます。
英国の大学システムは世界の上位100大学に11校、上位10大学に3校が入るほどの高い水準を誇り、世界的に重要な研究にとっても並外れた影響力を持っています。

しかし、英国はでは国内の学部生全てに対して政府が授業料の上限を設けています。インフレによるコスト急上昇にもかかわらず、その上限は2010年から事実上凍結されているそうです。米国の大学では最高の設備と研究を競い合う中で授業料が高騰し、学生に債務危機が広がっていますが、英国の大学は全く逆の問題を抱えているようです。大学側が授業料を十分得られない状況にあるということです。

大学は研究費から教員の給与、寮の部屋に至るまで何もかも節約しているほか、オンライン授業を増やしているようです。また市場価格の授業料を徴収できる留学生への依存を強め、自国の学生が減りつつあります。また、英国では数世代ぶりに10代の大学進学率が低下しています。

英国では、直近の年度に約30大学が赤字を計上しました。今年度はそれが3倍に増え、全体の約4分の1を占める可能性があるとのこと。昨年、賃上げを求める教員のストライキは約83大学に影響が及びました。

英国の大学の大多数は公立で、政府の年間予算に財源が組み込まれています。つまり授業料を決めるのは政治家や官僚であって大学ではないということです。学費が有料に変わった1998年以降、政府は授業料の水準を3度引き上げ、学生から猛反発を食らいました。

高インフレの影響で英国の平均給与が過去2年間下がっている中、英国政府が大学の授業料を値上げすることは当面ないと言われています。


これでは、質の高い教育を提供できなくなる可能性があるとの声もあるようです。最も優秀な人材を大学に呼び込めなくなり、サービスと知識で成り立つ英国経済に影響が波及する可能性があるとも。

英国では国内学生向け年間授業料が引き上げられたのは2012年以降に一度だけありました。2017年に9000ポンドから9250ポンド(約163万円から約168万円)に2.8%値上がりしました。2012年以降の学費はインフレ調整後の実質値で約3分の1減少しています。仮に授業料をインフレに連動させれば、1万4000ポンド近くになっていると推計されます。

英国のインフレが年率2%だった頃、授業料の上限はさほど大きな問題になっていませんでしたが、2022年に物価は平均8%上昇し、今年は7%前後上昇する可能性が高いため、相当な違いが生じています。

したがって、英国大学の目の前の課題は、コスト削減です。管理部門のスタッフや教員の一部を削減し、教育・研究分野の一部を縮小せざるを得ません。研究資金の持続可能性に問題が生じ、システム全体がきしみつつあるとの指摘もあります。

新型コロナウイルス禍の後もなお、英国の大学はオンライン教育に大きく依存しています。

英国の大学が収入増を求める中でここ数年、外国人留学生の数は急増し、留学生向け授業料も跳ね上がっているようです。ある大学の外国人留学生の平均授業料は2017年の1万8000ポンド(約326万円)から2万3750ポンド(約431万円)に上昇。これは米私立大学の授業料の上昇ペースを超えています。そのため、英国の大学には国内出身者よりも外国人留学生を優先するインセンティブが働いているようです。

アメリカのデューク大学の授業料は3万1725ドルですから今のレートで約475万8750円です。

こう比較すると、英国の大学の外国人の授業料(431万円)とデューク大学のアメリカ人の授業料(475.8万円)はあまり変わりませんね。

英国の大学にしろ、アメリカの大学にしろ、日本人にとってはかなり高額ですね。








Saturday, September 23, 2023

中国経済の「日本化」?

現在の中国の経済は、「日本化」していると言われています。


(中国経済の日本化)

「日本化」とは、日本が1990年代以降、好況から低成長、人口減少、デフレへと移行した経済停滞をさすようです。現在の中国経済が似たような様相を呈していると多くのエコノミストが指摘しています。


もっとも、中国の問題は多くの面で日本よりも扱いにくいかもしれません。一部の指標では、中国の公的債務残高は当時の日本よりも多く、人口構成はより厳しいです。中国が直面している地政学的緊張は、かつて日本が直面した対米貿易摩擦を超越しています。また、民間部門を厳しく取り締まっている中国政府は、イデオロギー的に当時の日本政府よりも経済成長の支援に消極的に見えています。


中国政府がもっと強力な措置を取らなければ、日本と同様の長期的な景気低迷に陥る可能性があるとの指摘もあります。中国政府はここ数週間、緩やかな金利引き下げなどの断片的な施策は講じましたが、成長回復に向けた大型刺激策の導入は控えています。


果たして、中国は「日本化」に向かうのでしょうか。中国の全般的な成長見通しは、以前の日本よりも急速に悪化している可能性があるとの見方もあります。


(日本との共通点)

現在の中国と30年前の日本には、重債務、高齢化、デフレの兆候など、多くの共通点があります。


(日本のバブル崩壊)

戦後の長い景気拡大期に日本は輸出大国となり、その後、90年代初頭に不動産と株式市場のバブルが崩壊し、経済は急速に衰えました。政策当局者が金利を事実上ゼロまで引き下げたものの、消費者や企業は新規の支出・投資に向けた借り入れではなく、債務返済によるバランスシートの修復に集中したため、成長は回復しませんでした。


(中国のバブル崩壊?)

中国でもまた、桁外れの経済成長が長年続いた後、不動産バブルがはじけました。中国政府は借り入れや消費促進に努めていますが、消費者は住宅ローンを繰り上げ返済しています。

民間企業も金利低下にもかかわらず投資に消極的で、中国では金融緩和が効力を失いつつあるのではないかという指摘もあります。


(中国の強み:日本との違い)
一方で、日本のような長年の経済停滞に中国が陥るとは限らないとの指摘もあります。中国には日本になかった強みがいくつかあります。

(1)まず、今後数年間の経済成長率は、90年代の日本をはるかに上回る公算が大きいことが挙げられます。

(2)中国の資産バブルはかつての日本ほど大きくありません。国内総生産(GDP)に対する不動産価格の比率は2014年時点で170%、20年には260%でピークに達しました。中国政府統計によれば、住宅価格はこのピークからわずかに下落したにとどまっています。株式市場の価値は21年にGDP比80%という直近のピークを迎えましたが、現在は67%となっています。
 日本ではGDPに占める地価の割合が1990年には560%に達しましたが、94年には394%まで下落。1982年にはGDPの34%だった東京証券取引所の時価総額は、89年には142%まで上昇しました。

(3)現在の中国の強みとして
都市化率の低さも指摘されています。日本では1988年時点の都市化率が77%でしたが、中国では2022年で65%となっています。人々が都市に移住して非農業部門の仕事に就くことで、生産性と成長率を高められる可能性があります。

(4)また、中国は資本市場の管理が厳格で、輸出に打撃を与える急速な通貨高のリスクは低いと言われています。日本はここ数十年の間に何度か急激な円高への対応に迫られ、それが経済的苦境を助長することもありました。

以上の点を勘案すると、中国がバランスシート不況に陥るという懸念は行き過ぎだと指摘するエコノミストもいます。


(日本よりも対応が難しい中国の問題)

しかし、現在の中国経済は、日本よりも対応が難しい問題が多くあるとの指摘もあります。

(1)まず、中国のほうが高齢化が深刻で、人口は2022年に減少に転じました。日本で人口が減り始めたのは2008年以降で、バブル崩壊からは20年近くたっていました。

(2)また、中国は先進国の地位を獲得する前に長期的な成長率低下の時期に突入します。豊かになる前に年を取ってしまうということです。2022年の中国の一人当たり所得は1万2850ドルで、1991年の日本の2万9080ドルをはるかに下回っています。

(3)債務の問題もあります。中国の地方政府によるバランスシート外の借り入れも含めると、中国の公的債務総額は2022年にGDPの95%に達したとみられていますが、日本の1991年時点の対GDP比率は62%でした。中国当局が財政刺激策を追求する能力は限られるとも言われています。

(4)外圧も中国のほうが圧倒的に厳しいです。日本は貿易相手国から多くの非難を浴びましたが、安全保障面で米国と同盟関係にあり、現在の米中関係の「新冷戦」のリスクは存在しませんでした。現在、米国と同盟国は、中国の先端技術へのアクセスを阻止し、同国のサプライチェーンへの依存を軽減しようと努めています。これが今年、対中直接投資の急減を引き起こし、長期的には成長を大幅に減速させる可能性もあります。

(5)中国政府が長期停滞のリスクを過小評価し、その回避に向けた取り組みを怠っているとの懸念もあります。主要金利の緩やかな引き下げ、マンション購入額に占める頭金の比率引き下げ、民間部門への声高な支援表明は、これまでのところ信頼感の回復にほとんどつながっていません。中国を再び成長軌道に乗せるためには、財政・金融・不動産の各政策でより協調的な緩和が必要であるとの指摘もあります。ただ、習近平国家主席は家計や消費者に対する政府支援は「福祉主義」だとして、拡充には思想的に反対の立場です。


果たして、中国の「日本化」はあるのでしょうか。。。



バイデン大統領の弾劾調査の見通し

米下院共和党はバイデン大統領の弾劾に向けた調査で、9月28日に最初の審問を開く予定です。バイデン氏の家族に対する審問や召喚状の準備も進めているそうです。

下院委員会の広報担当者は、9月28日の審問では憲法上、法律上の問題点に焦点が当たるだろうと述べました。

審問に出席する証人はまだ決まっていません。下院監視委員会のコマー委員長によると、バイデン氏家族の商取引に関して見つかった銀行記録に関して金融の専門家を、弾劾調査が認められる理由について憲法の専門家を呼ぶことを検討しているようです。

監視委員会はバイデン大統領の次男ハンター氏、弟ジェームズ氏に対し、早ければ週内に最初の召喚状を出す予定とのこと。召喚状は個人やビジネスの記録が対象になるとみられ、バイデン氏の家族に直接尋ねる初の機会となります。

共和党はこれまで、ハンター氏の商取引を弾劾調査の中心に据えてきましたが、バイデン氏本人が金銭を受け取ったという公知の証拠は今日まで挙がっていません。

ホワイトハウスは監視委員会の審問の計画を激しく批判しています。サムズ報道官は共和党が政府閉鎖を回避する努力よりも「政治的なパフォーマンス」を優先していると批判しました。

共和党のマッカーシー下院議長は先週、弾劾調査を承認し、①監視、②司法、③歳入の各委員会に調査を進めるよう指示しました。調査の進め方は詰めの作業が行われています。

共和党内には、大統領に対する直接の証拠が存在しないことを理由に、調査を支持しない複数の議員が存在しています。また調査を続ける期間についても意見の一致を見ていません。最終的にバイデン氏に対する弾劾訴追に行き着くかは不透明な状況のようです。

弾劾の査問は前段階であり、調査中に十分な証拠が見つかれば、次の段階は弾劾です。情報を精査しても重大な不正行為が認められない場合は、その問題は取り下げられます。

米下院の3つの委員会はこれまで、バイデン副大統領(当時)とバイデン現大統領の活動と、その息子ハンター・バイデンのビジネス取引に関する情報を暴いてきました。

米下院監視(・説明責任)委員会だけで、弾劾訴追を正当化する以上の事実と証人が次々と出てきました。実際、彼らはバイデン大統領がハンターや外国の顧客とのビジネス取引に関与している22の事例を提示しました。

重要な質問は、ジョー・バイデン氏が副大統領在任中に息子の金儲けを積極的に手伝っていたかどうか、ジョー・バイデン氏はその手伝いに対して多額の金を得ていたかどうかです。

調査の目的のひとつは、銀行口座、クレジットカード、バイデン一族のペーパーカンパニーを何重にも分析することです。もう一つの調査目標は、ハンター・バイデンが彼と彼の仲間がエアフォース・ツーで出張した際に連邦政府に払い戻しをしたかどうかを突き止めることです。ハンター・バイデンが副大統領専用機で15カ国以上を訪問したのであれば、彼のビジネス展開にどれだけの税金が投入されたのか、父親と旅行した際のホテル代などは誰が負担したのか、という問いに対する答えも重要となってきます。

来年2024年は、米大統領選挙の年です。共和党の最有力候補トランプ前大統領の訴追、民主党の最有力候補のバイデン大統領の弾劾プロセスと、アメリカの政治は目が離せません。

 

Saturday, September 9, 2023

トランプ前大統領、サウスダコタ州知事の指示を取り付ける

9月8日(金)、トランプ前大統領は、サウスダコタ州での選挙集会に登場しました。2020年米大統領選挙への干渉に関する罪でジョージア州フルトン郡で起訴されて以来、初めて公の場に姿を現した集会となりました。

同集会に、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム州知事も出席し、トランプ前大統領は「合衆国大統領として完全かつ全面的に支持する」と述べ、トランプ前大統領への支持を公式に表明しました。

「これらの問題でなすべきことをやってくれると私が信頼しているのは、トランプ大統領だけです。他の候補者たちは、本当に重要なとき、国のために正しいことをするのが難しいときに戦っているのを見たことがない」とノーム州知事は述べました。

トランプ前大統領は、自分に対する91件の刑事告発は政治的な動機によるもので、再選を阻むためのものだとの主張を述べ、「われわれの国を取り戻す」ために「死に物狂いで戦う」よう支持者に呼びかけました。また、「我々は共に戦い、共に勝利し、そして共に正義を求める」と支持者に訴えました。

4つの起訴にまたがる重罪への対応に多くの時間を割いているトランプ前大統領は、2024年米大統領選挙において、共和党予備選でリードを広げています。

今週発表されたある報道機関の世論調査によると、トランプ前大統領は対立候補であるデサンティス・フロリダ州知事氏に30ポイント以上の差をつけています。

Tuesday, September 5, 2023

カマラ・ハリス米副大統領は「ウサギの耳」

ジャーナリストのフランクリン・フォア氏が最近『The Last Politician』という本をだしました。その著書によると、カマラ・ハリス米副大統領は自分がどう見られているか不安でたまらず、「ウサギの耳」と呼ばれているそうです。

ハリス副大統領が自分のチームの不始末に関する「破滅的な記事」をオンラインで読んだとき、彼女は「記者に協力していると疑われた補佐官を一時的に凍結させることで対応した」とフォア氏は書いています。

この本は、バイデン大統領とハリス副大統領の間の力関係を掘り下げています。

フォア氏は、「バイデン大統領は彼女に "非の打ちどころのない敬意 "をもって接したが、オバマ政権で当時のバイデン副大統領が果たした実質的な役割をハリス副大統領に渡さなかった」と書いています。

バイデン大統領は、「オバマ大統領がバイデン副大統領を必要としたのと同じように、ハリス副大統領を必要としていなかった」とも書かれています。

フォア氏によると、バイデン大統領が就任した当初は、ハリス副大統領と毎週ランチをする予定でしたが、次第に予定が合わなくなり、「バイデン大統領はハリス副大統領を指導する義務を特に感じていなかった」と書いています。

厳しい評価ですね。



2024年アメリカ大統領選挙:トランプ前大統領は出馬資格があるのか?

来年の2024年11月、アメリカでは大統領選挙の投票が行われます。今日は2023年9月4日ですので、あと1年2ヶ月後です。しかし、大統領選挙はすでに始まっています。民主党、共和党とも、大統領選挙に立候補した方は、戦略を立てて毎日選挙運動を行なっています。

共和党では、トランプ前大統領が、すでに4つの刑事裁判に直面していますが、支持率において圧倒的に他の候補者を引き離しています。しかし、アメリカ合衆国憲法修正第14条第3項の反乱条項により、トランプは失格であるという学者がいます。

アメリカ合衆国憲法修正第14条の反乱条項とは何でしょうか。

これは、憲法擁護の宣誓をした後に「反乱や反乱を起こした」者は、公職に就くことを禁じられるという条項です。南北戦争後に修正第14条が起草されたとき、この条項は南部の州が南軍の元将校を連邦議会議員に選出するのを防ぐことを目的としていました。

修正第14条項には次のように書かれています。


修正第14条 [市民権、法の適正な過程、平等権] [1868 年成立]

第1項:合衆国内で生まれまたは合衆国に帰化し、かつ、合衆国の管轄に服する者は、合衆国の市民であり、かつ、その居住する州の市民である。いかなる州も、合衆国市民の特権または免除を制約する法律を制定し、または実施してはならない。いかなる州も、法の適正な過程によらずに、何人からもその生命、自由または財産を奪ってはならない。いかなる州も、その管轄内にある者に対し法の平等な保護を否定してはならない。

第2項:下院議員は、各々の州の人口に比例して各州の間に配分される。各々の州の人口は、納税義務のないインディアンを除き、すべての者を算入する。但し、合衆国大統領および副大統領の選挙人の選出に際して、または、連邦下院議員、各州の執行部および司法部の官吏もしくは州の立法部の議員の選挙に 際して、年齢 21歳に達し、かつ、合衆国市民である州の男子住民が、反乱またはその他の犯罪に参加したこと以外の理由で、投票の権利を奪われ、またはかかる権利をなんらかの形で制約されている場合には、 その州の下院議員の基礎数は、かかる男子市民の数がその州の年齢 21歳以上の男子市民の総数に占める割合に比例して、減じられるものとする。

第3項:連邦議会の議員、合衆国の公務員、州議会の議員、または州の執行部もしくは司法部の官職にある者として、合衆国憲法を支持する旨の宣誓をしながら、その後合衆国に対する暴動または反乱に加わり、または合衆国の敵に援助もしくは便宜を与えた者は、連邦議会の上院および下院の議員、大統領およ び副大統領の選挙人、文官、武官を問わず合衆国または各州の官職に就くことはできない。但し、連邦議会は、各々の院の3 分の2の投票によって、かかる資格障害を除去することができる。

第4項 法律により授権された合衆国の公の債務の効力は、暴動または反乱の鎮圧のための軍務に対する恩給および賜金の支払いのために負担された債務を含めて、これを争うことはできない。但し、合衆国およびいかなる州も、合衆国に対する暴動もしくは反乱を援助するために負担された債務もしくは義務に つき、または奴隷の喪失もしくは解放を理由とする請求につき、これを引き受けまたは支払いを行ってはならない。かかる債務、義務または請求は、すべて違法かつ無効とされなければならない。

第5項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項の規定を実施する権限を有する。


ある学者によれば、欠格条項は修正条項に記載された基準を満たせば誰にでも自動的に適用され、別の要素(例えば、暴動に関連する前科など)を必要としないと主張します。この適用除外を回避する唯一の方法は、議会が各議会の3分の2以上の賛成で恩赦を認めることです。


民主党議員や反トランプの共和党議員の間で支持を集めている法理論によれば、このめったに使われない条項は、2020年の選挙を台無しにしようとしたことや、2021年1月6日の国会議事堂襲撃を煽った役割のために、トランプが再び大統領になる資格を失う可能性が高いと主張しています。

この理論を検証するには2つの方法があとのことです。ひとつは、政治家や支持団体、あるいは一般の有権者が、トランプは出馬資格がないという司法判断を求めて訴訟を起こすことです。

もう1つの選択肢は、1つ以上の州がこの理論を全面的に受け入れ、トランプ氏を投票用紙に記載することを拒否することです。そうなれば、トランプ前大統領はそれらの州で立候補の回復を命じるよう裁判所に求める訴訟を自ら起こさざるを得なくなるかもしれなくなります。今のところ、トランプ前大統領を投票から締め出そうとする州はありませんが、全米の州務長官がこの問題について話し合っていると聞きます。

どちらのシナリオにしても、1868年に批准され、それ以来ほとんど解釈されることなく、ほとんど発動されることすらなかった条項である「反乱条項」の意味をめぐる議論に、今後、裁判所、そしておそらく最高裁が巻き込まれる可能性があります。いくつかの州にまたがる訴訟や上訴を連鎖させ、最終的には連邦最高裁に至る可能性がでてくるかもしれません。

ここ数週間、何人かの著名な憲法学者が、憲法修正第14条によってトランプは再び大統領に就任する資格がないと発言しています。

保守派の法学教授であるウィリアム・ボード教授とマイケル・ストークス・ポールセン教授は、この規定は反乱や反乱に関与したことの資格として「広範な故意の参加行為を包含する」ことを意図していると主張しています。トランプ前大統領の行動、特に選挙人票の集計を阻止するためにマイク・ペンス副大統領に圧力をかけたことや、1月6日に支持者に国会議事堂へのデモ行進を奨励したトランプ氏の扇動的な演説は、明らかにこの基準を満たしていると主張します。そして、第3項を真摯に受け止めるということは、2020年の選挙後、憲法の下で合法的な政府権限を破壊しようとした人々を、現在または将来の役職から排除することを意味すると主張します。

保守派のマイケル・ルティグ元連邦判事やリベラル派の憲法学者であるローレンス・トライブ氏も同意見のようです。「2020年の大統領選挙を覆そうとする前大統領の努力と、その結果としての連邦議会議事堂への攻撃は、彼を資格剥奪条項の範囲に明確に位置づけるものであり、したがって彼は二度と大統領を務める資格がない」と、彼らは先月、アトランティック誌に書きました。

すべての法学者が憲法修正第14条第3項のこうした解釈に同意しているわけではありません。懐疑派は、最近の解釈は修正条項の文言を過度に広範に定義しているとし、反乱に参加した人物が大統領に就任するのを阻止するためには、刑事裁判制度が適切な執行メカニズムであると主張しています。

ある大学の法学部教授は、この条項の「緩すぎる」解釈に注意を促し、「反乱」や「反乱」という用語は、南北戦争のような「政府に対する最も深刻な反乱」にのみ適用されるべきであると示唆しています。

また、一方的に特定の政治家を投票対象から外すという前例に懸念を示す者もおり、このような措置は非民主的と見なされる可能性があるとの指摘もあるようです。また、トランプ前大統領を排除することには政治的な意味合いもあり、そのような行為はトランプ前大統領の支持者からの反発を招く可能性が高いでしょう。

憲法修正第14条第3項をどのように使うかについては、共和党の予備選挙または総選挙でトランプ前大統領に対抗する候補者が、トランプ氏が投票用紙に記載されることによって直接的に被害を受けると主張し、訴訟を起こすか、利益団体や有権者個人も、特定の州でトランプ前大統領が投票用紙に載るのを阻止するために訴訟を起こすことができるかもしれません。

最近、共和党の有力大統領候補ジョン・アンソニー・カストロ氏がニューハンプシャー州で、トランプ前大統領が憲法修正第14条に違反していると主張し、同州の州務長官に対してトランプ前大統領の名前を投票用紙に載せないようにする差し止め命令を求める訴訟を起こしました。フロリダ州では、ある税理士がトランプ氏を大統領選から失格させるべく連邦裁判所に提訴し、1月6日の事件への参加は憲法修正第14条によりトランプ氏の大統領就任を妨げるはずだとしています。

仮に、州務長官が先手を打ってトランプ前大統領を投票対象から除外す場合、トランプ前大統領がこの件で訴訟を起こすことになります。一部の州務長官はすでに、少なくともこの規定を適用するかどうかを検討することを示唆していると聞きます。ミシガン州のジョセリン・ベンソン州務長官は、この問題をどう扱うかについて、他の激戦州の担当者と話し合う予定だと述べています。

今年の夏に、法律擁護団体「Free Speech for People」が9つの州の州務長官と選挙管理責任者に書簡を送り、憲法修正第14条の結果としてトランプ氏を投票から締め出すよう要請しました。「民主的な選挙結果の認定を阻止するための議会への暴力的な攻撃にトランプが関与したことは、将来いかなる公職にも就く資格を失う」と彼らは書いています。

この問題は、トランプ前大統領とその陣営、あるいは保守派団体から何度も提訴される可能性が高いでしょう。トランプ前大統領を投票から追放しようとする本格的な取り組みは、おそらく最高裁までもつれ込む可能性があります。問題は、最高裁が最終判断を下す前に、州によって異なる結果が出る可能性があることです。

憲法修正第14条が批准されて以来1世紀半の間、その第3項が法廷で試されたことはほとんどなく、元大統領に対して試されたこともありません。

2022年の中間選挙を前に、「Free Speech For People」は、1月6日の抗議行動への支持をめぐって、共和党のマージョリー・テイラー=グリーン下院議員(ジョージア州選出)とマディソン・コーソーン下院議員(当時。ノースカロライナ州選出)を反乱条項により議員資格がないと主張し、投票対象から外すよう訴えました。グリーン議員の裁判を監督する判事は、グリーン議員は1月6日の暴動に参加していないと認定し、再出馬の資格を与えました。一方、コーソーン議員の裁判は、連邦控訴裁判所が不利な判決を下しましたが、その判決は同議員が予備選で敗れた後に出されたため、意味のないものでした。

最近、アリゾナ州のエイドリアン・フォンテス州務長官は、同州の大統領選挙投票において失格させることができるのは州議会のみであるという同州高等裁判所の判決により、同州務長官の手は縛られていると述べました。

憲法修正第14条が最近実際に使われた例として、2022年、ニューメキシコ州の判事は、1月6日に国会議事堂に入った田舎の郡委員を、この条項に基づいて出馬禁止にしたことがあります。

2024年のアメリカ大統領選挙は、目が離せません。



Sunday, September 3, 2023

6回目のコロナワクチン接種

昨年(2022年)12月に5回目のコロナワクチンを接種して以来、6回目の案内が来ていましたが、なかなか接種する時間がなく、9月2日にやっと6回目のコロナワクチンを接種しました。

待ち時間も入れて所要15分で終わり、医師の指示通り、9月2日はお酒を飲まず、ついでに翌日の日曜日もお酒を飲みませんでした。

このところ出張続きで、また今週からロサンゼルスに出張です。最近、周りにコロナに感染した人が若干増えてきたので、念のためと思い、良いタイミングで接種できました。

備えあれば憂いなし。