Tuesday, November 15, 2022

アメリカの2022年中間選挙

アメリカでは、11月8日(火)に中間選挙が行われました。バイデン大統領が誕生してから2年目の連邦議会選挙(及び知事選挙)のため、バイデン政権に対するアメリカ国民の評価が明らかになる選挙です。そして、2年後の2024年大統領選挙の行方を占う材料になります。


中間選挙は、4年ごとの大統領選挙の中間の年に実施されるためこう呼ばれます。アメリカの連邦議会は上院と下院の2院制で、中間選挙では下院の全議席と上院の3分の1の議席が改選されます。下院は各選挙区から議員1人を選出する小選挙区制で、各州への議席の割り当ては10年ごとに実施される国勢調査に基づき決まります。上院議員は人口の多少に関係なく各州2人で、州は50あるので定数は100議席です。州知事などの地方選挙も中間選挙に併せて行われます。選挙の日は11月第1月曜日の翌日の火曜日と決まっています。


今年の中間選挙は、上院選(定数100)は非改選を含めて民主党が50議席、共和党が49議席を固め、上院議長を兼ねるハリス副大統領の票を合わせて民主党が事実上の多数派を維持しました。残る1議席のジョージア州では12月6日に決選投票が行われます。


上院は民主党が過半数を制したため、バイデン大統領にとっては今後2年間、連邦裁判所を自らが指名する判事で満たし、政権スタッフをほぼ自分の思うように選ぶことが可能になりました。民主党にとり特に重要なことは、連邦最高裁で判事の予期せぬ引退や死亡によって空席ができた場合、バイデン大統領が指名した候補が後任に就くのを共和党は阻止できなくなることです。


下院選(定数435)は接戦が続いており、野党・共和党が議席を伸ばし、多数派の奪還に近づいています。共和党は過半数(218)まで1議席となる217議席を固めたようです。与党・民主党は207議席で、残る11選挙区の開票作業に注目が集まっています。


改選前、民主党は下院で220議席を確保していました。共和党が多数派となれば4年ぶりで、政権与党と下院の多数党が異なる「ねじれ」となり、バイデン大統領は政権運営に苦労することが予想されます。


「ねじれ」状態になれば、予算案や法案を成立させるために共和党の賛成が必要となるため、バイ政権の主要課題のうち気候変動対策や銃規制など党派色の強い政策は停滞が見込まれます。懸案のインフレ対策については、バイデン政権はバラマキ型経済対策を打ち出すことは難しくなりそうです。要するに、政策の実現には共和党の協力が必要になり、バイデン政権は厳しい政権運営を迫れれるでしょう。他方、共和党が内部的な不和から下院を効果的に掌握できない状況が出てくる可能性はあります。


今回の中間選挙は郵便投票を含む期日前投票が前回2018年中間選挙より2割ほど増えたため、これまでに比べて大勢判明までに時間がかかっていました。投開票日から1週間経っても決着していないのは異例のようです。






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