Saturday, April 29, 2023

次女のアメリカの大学の合格(その6:UCバークレー合格!)

前日の3月29日に九つ目の合格大学であるエモリー大学に合格した次女。


翌日3月30日は、次女にとり非常に大きな出来事がありました。


なんとカリフォルニア大学(UC)バークレー校に合格したのです!


バークレー校のサイトで合格を知った次女は、大喜び。

UCバークレーは、UCスクールの中でずっとトップの座を守り続けてきた優秀な大学で、州立大学の中で全米1位と称される名門大学です。

州内に9つあるカリフォニア大学の中でも最も古い歴史を持つ、「カリフォルニア大学(UC)システム」の本校(旗艦校:フラッグシップキャンパス)でもあり、「Cal」と言えばUCバークレー校のことを指します。

人気の専攻分野は社会科学、工学、生物学、コンピュータなどで、伝統的に工学の分野が有名。シリコンバレーに近いことから、起業をめざす学生も多く学んでいます。


学風はきわめてリベラルで、全米の学生運動においてはつねに先陣をきってきました。

また、自由な気風と文武両道の方針で知られます。これまでに100名を超えるノーベル賞受賞者を輩出し、多数の著名アスリートを世に送り出してきました。スタンフォード大学のライバル校としても名高い大学です。

シリコンバレーから程近いこともあって、多数のIT・コンピューター系企業から出資を受けて研究・開発を行っています。UNIXシステムもUCバークレーの研究室で開発されました。

カリフォルニア州のバークレー市(人口50万人)に1868年に設立された州立大学です。キャンパスの敷地面積は1232エーカーあり、東京ドーム107個分に相当します。サンフランシスコまでは地下鉄で25分ほどの距離にあります。

学生数は4万5000人以上。学部生が3万2400人、大学院生が1万2800人います。留学生の割合は5%以下です。

次女は、実はUCバークレー校に行けるとは思っていません。なぜなら、これまで合格したUCサンディエゴ校、アーバイン校、デービス校と同様、UCスクールであるバークレー校も、学費の面で州民を優先しているからです。州外の学生への奨学金は極端に少なく、2000ドル程度です。

この程度の奨学金しかもらえないとしたら、UCバークレー校がいくら全米有数の大学だったとしても、親は次女の授業料・寮費・食費などを負担できません。

次女はそのことをよく知っていますので、UCバークレー校に行かないことに後悔はしていません。

実は、UCバークレー校には、「ハウジング問題」という別の問題があります。増え続ける学生数は、20年近く前から地域の課題となっていました。2005年の段階でUCバークレー校は、2020年の入学者が3万3000人あまりになると発表していました。しかし、2016年の時点ですでに予想を30%超過しました。大学が市の住宅不足に拍車をかけ、低所得者層が家を失いホームレスになっているほか、多数の学生による騒音やゴミ問題への苦情が発生しています。

現地の住宅事情は切実です。サンフランシスコ・ベイエリアには、テック大手GAFAを構成する4社のうち3社が集結しています。業界の好況と富裕層の流入に伴い、家賃は高騰してきました。ありきたりなワンルームマンションの賃料が30万円を超えることもめずらしくありません。家を借りられず、テント暮らしや車中泊などでしのぐ人々が社会問題となってきました。

バークレーもサンフランシスコ中心部から湾を挟んですぐ対岸に位置しており、この影響を如実に受けている地域のひとつです。UCバークレー校の学生に関しても、住環境は良好ではありません。一部の学生は戸建てを改造した寮に数人で住み、1人あたり月に1000ドル以上の寮費を負担しています。

また、UCバークレー校のキャンパスの近くのほとんどの公園にホームレスがテントを張って生活をしています。

ともあれ、次女にとっては、絶対に行くことはありませんが、全米で超優秀である名門UCバークレー校に合格した事実が相当嬉しかったようです。

次女がアプリケーションを出したアメリカの大学の合格発表は終わりを告げつつあります。あと数校を残すのみになりました。

    UCバークレーからの合格通知

       




次女のアメリカの大学の合格(その5:エモリー大学合格!)

次女は、これまで八つの大学に合格しました。UCデービス、UCサンディエゴ、UCアーバイン、スクリプス大学、ロチェスター大学、タフツ大学、ブランダイス大学、南カリフォルニア大学です。

そして3月29日、九つ目の大学、エモリー大学に合格しました。

恥ずかしながら、私はこの大学のことはあまり知りませんでした。1836年に設置されたジョージア州ディカーブ郡にある私立大学で、アトランタの近郊にあります。メソジスト系の教会がメソジストの司教John Emoryの名前をとって設立した大学であり、ジョージア州で2番目に古い私立大学となっています。合格率は13%前後と、とても優秀な大学です。

デューク大学やヴァンダービルト大学とよく比較される南部屈指の名門私立大学で、私立有名校としては珍しく、メインキャンパスから50kmのOxfordという小さな町にOxford Collegeという二年制の大学部門があり、ここで小規模なリベラルアーツ・カレッジのような環境で准学士号を取得してからメインキャンパスの四年制のプログラムに編入する学生もいます。

エモリー大学は教育の質が高く、また、ジョージア州最大のヘルスケアシステムや大学病院やがん研究所を有し、他にも疫学研究機関とともに研究しているため、医療分野でも高い評価を得ています。エモリー大学病院や、アメリカ国立がん研究所の指定施設であるがん研究所(Winship Cancer Institute)があります。また、世界でも有数の疫学研究機関として知られるアメリカ疾病予防管理センター(CDC: Center of Disease Control and Prevention)が隣接し、疫学研究の全米における一大拠点となっています。

なお、コカコーラ社の創設者であるAsa Griggs Candlerがエモリー大学がアトランタに移転することができるよう土地の権利を与えたり、他のコカコーラ社の社長たちも多額の寄付金を提供したりしたことから、エモリー大学はコカコーラ大学とも言われています。

エモリー大学卒業生は投資銀行を中心とした金融業界やコンサルティング・ファームとの繋がりが強いという特徴を持つようです。第39代アメリカ合衆国大統領 ジミー・カーター の母校でもあります。

なお、2017年3月13日に開催された全米討論委員会主催(American Debate Association/ADA)の全国ディベート大会(ADA National Championship)で同校はトップランカーであったハーバード大学をその座から引きずり下ろしたことはあまりにも有名です。

エモリー大学の大学院は、全部で約130のプログラムを提供しており、あらゆる分野を網羅しています。特に看護学、理学療法、公衆衛生学の分野で高い評価を得ています。

名門私立大学の一つとして、世界最高水準の研究施設と教育環境を提供し、知識を追求してさまざまな研究等で世の中に貢献することができる人材を育成してきたエモリー大学。


次女は、これで、USCやタフツ大学に加え、エモリー大学も加わり、大学進学先の現実的な選択肢が増えてきました。


      Emoryの合格通知

     






Tuesday, April 25, 2023

次女のアメリカの大学の合格:その4(父親の母校(USC)に合格!)

 次女は、3月21日に長女のが通っているタフツ大学に合格し、これで六つの大学に合格しました。

残りの大学が全て不合格になったとして、これまで合格した六つの大学は、非常に優秀な大学なので、次女としても、この中から選べることは満足のいく立場であることを実感しているようです。

合格した六つの大学の中では、タフツ大学かリベラルアーツ大学の女子大・スクリプス大学のどちらかを選ぶ可能性が高いと思います。お金があればUCサンディエゴも候補となります。

さて、次女の合格発表は続きます。

3月23日には、ブランダイス大学に合格しました。1948年に設立したマサチューセッツ州ウォルサムにある私立大学なので、長女が通うタフツ大学に比較的に近いところにあります。ユダヤ教徒によって創設され、現在でもユダヤ教徒の学生も半数近くいるそうですが、宗教教育などはありません。キャンパスには、三つの教派(ユダヤ教、カトリック、プロテスタント)の礼拝堂があり、特定の宗教に特化した教育を行わないという大学の性格を象徴しています。社会科学の分野を専攻する学生が多いですが、生化学、生物学、物理など自然科学分野が強い大学です。また、中東・ユダヤ研究が強いのも大学設立の背景から理解できるところです。


そして3月24日夕方。次女にUSC(南カリフォルニア大学)に合格したメールが届きました!


USCは、私が1990年代前半に修士号をとった大学院です。そのため、この合格発表は父として嬉しさもひとしおです。


ただし、次女が通えるのは2023年9月からではなく、2024年春学期からが条件でした。このまま何もせず2024年春学期から入学すると、卒業は2027年5月ではなく、2027年12月になります。2023年9月の入学者と一緒に2027年5月に卒業したければ、2023年秋学期に必要な単位をコミュニティカレッジか海外留学でとることを勧めています。次女は、高校でAPの単位をたくさんとっているので、もしかしたら特別な対応は不要かもしれません。


USCは、1880年、ロサンゼルスに設立された総合大学で、UCバークレー、UCLAに並ぶ西の名門校です。映画学科が特に有名で、ジョージ・ルーカスをはじめ多くの著名人が卒業生です。ビジネス、社会科学、芸術が人気で、ジャーナリズムや工学、建築学の分野も定評があります。スポーツの強豪校としても有名で、オリンピック選手を多く輩出しており、伝統的にアメフトが強く、愛校心を高めています。

私がいた頃のUSCは、大学ランキングは今より少し低めで、親がお金持ちの子供が通い、卒業後は南カリフォルニアで根を張りビジネスを展開している学生が多いというイメージでしたが、今では、合格率も低くなり、UCLAにも引けを取らない大学になっています。

今年のUSCの合格率(acceptance rate)は、9.9%です。合格率が10%を切る大学は、全米でかなり優秀と評価されます。

USCは、Early Decisionで2400人を合格させましたが、アプリケーションは4万600あったので、Early Decisionの合格率は、5.9%でした。Regular Decisionのアプリケーションは4万190ほど。合格者数は5598人なので合格率は13%。この二つの数字を合わせると、今年のUSCの合格率は9.9%となるわけです。

ちなみに今年のタフツ大学の合格率は、なんと9.5%(3万4千人中3230人が合格)でした。

USC(9.9%)かタフツ大学(9.5%)か。次女にとり、嬉しい悩みが出てきました。

もちろん大学は合格率だけで決めるわけにはいきません。次女は理系なので、どちらの大学が理系に強いか、どちらの大学が理系の研究のための資金が豊富か、などが重要です。また、気候、寮や食事がどれほど充実しているかの点も無視できません。さらには、インターンシップをするための環境、つまり、大学が所在する都市または近郊の都市が、どれだけインターンシップを行いたい分野の産業が盛んであるかなども重要です。

USCとタフツ大学は西海岸とニューイングランド地方にあり、気候も文化が全く違う地域にあります。

USCは大規模な大学ですので、専攻を変えることが容易でしょう。USCは学部生が2万人ちょっといますが、タフツ大学は6000人しかいません。

USCはスポーツも盛んで、D1、つまりDivision Iに所属しています。タフツ大学は、Division III の所属しています。

全米大学体育協会(NCAA)は、1900年代初頭に発足したアメリカ最大の大学体育協会で、大学の規模や種目数、奨学金の差などから、Division I、Division II、Division IIIの三つのDivisionに分けた競争が行われており、すべてのDivision合わせて90以上の地区、1100校を超える大学が加盟しています。

NCAAのDivisionは、大学の規模、体育会の規模、種目数、奨学金の数などで分けているため、日本の大学スポーツのように、1部と2部の入れ替えのようなものはありません。また、Division II やIIIのチームでも、Division Iのチームより強いチームもあります。

テレビで中継があり、より競争力のある選手が集まるのがDivision Iです。アメフトやバスケの試合は、プロスポーツに並ぶ人気競技で、テレビ中継も全米規模で行われます。

そのため、Division Iに所属している大学のチームが、全米トップレベルの競技があれば、その大学への愛校心が強く、その大学の学生は、試合になると結束する傾向があります。


果たして、次女は、USCに行くのか、タフツ大学に行くのか。

なお、USCを選ぶ場合、入学は2024年春からになる点も考慮する必要があります。


残りの大学の合格発表を待って決めることになるでしょう。


             USCの合格通知

      


      

     

            









Saturday, April 22, 2023

次女のアメリカの大学の合格:その3(3月21日:長女の大学(タフツ大学)に合格!)

次女は、これまで5つの大学に合格しています。

カリフォルニア大学(UC)デービス、UCサンディエゴ、UCアーバイン、スクリプス大学、そしてロチェスター大学の5校です。


「どこも受からなかったらどうしよう?」という不安から、「どの大学を選ぼうか?」という立場に変わり、親としても一安心です。


3月21日の夕方には、さらに嬉しい知らせが届きました。

なんと、次女は長女が通っているタフツ大学に合格したのです!


タフツ大学は、1852年に創立したボストン郊外にある名門私立大学です。研究機関としての名声を保ちつつも、リベラルアーツ教育に力を入れており、研究と教育の両方が実現されている稀有な大学と言われています。国際関係の分野では全米でほぼ不動のトップを誇り、国際関係学を専攻する学生が最も多いのが特徴です。国際関係学の専門大学院フレッチャースクール( Fletcher School of International Law and Diplomacy)は、現在でも世界をリードする外交官の育成に高い評価を得ています。1933年にアメリカで初めて国際情勢を専門とする大学院として設立されてからちょうど90年、外交における重要な教育内容は世界的に高く評価されています。フレッチャー博士の「外交官としての人材を育成するため、外交の基礎となる国際法の原則を徹底的に学ぶ」という信念は、現在でも学生と講師の間でしっかりと受け継がれています。


米国大学ランキング30位前後の名門大学です。


タフツ大学のキャンパスはアメリカのマサチューセッツ州、メドフォードとサマービルにあります。ボストンのダウンタウンから約5マイル(約8キロメートル)の距離にあります。公共交通機関にバスや地下鉄があり、都市部に近いので生活しやすい環境です。学生同士で外出するのにはもちろん、インターンシップや就職など学生にとってチャンスの多い街です。


なお、1年生と2年生は全員、キャンパス内に住むことが義務づけられています。


タフツ大学の卒業生はノーベル賞受賞者や知事、アカデミー賞受賞者などさまざまです。多くの卒業生がフォーチュン500社のCEOや創業者として活躍しています。


小説家の村上春樹さんが教鞭をとっていたこともあります。日本人として初めて国連職員になった明石康さんはフレッチャスクールの出身です。


タフツ大学には独特な伝統と歴史があります。その中でも

「イルミネーション・セレモニー」は有名です。大学創設者であるチャールズ・タフツに敬意を表すため、新入生はキャンパスでの最初の夜に学長の芝生にキャンドルを灯します。これはチャールズが大学創設時に受け継いだ土地に「灯りをともしたい」という思いがあったことに由来します。丘の上まで並べられたキャンドルにゆっくりと火が灯され、斜面が照らされる情景は幻想的です。そして卒業式の前夜に再び学生が集まり「丘に灯りをともす」ことで社会に飛び出す、というタフツ大学で代々受け継がれている伝統です。


タフツの公式マスコットはゾウの「ジャンボ」です。ジャンボは大学設立当時人気だったサーカスの看板ゾウでした。スワヒリ語で「大きい」を意味する言葉に由来し、ジャンボの名声のおかげで一般的な言葉として使われるようになりました。ジャンボの死後、初期の大学理事でありサーカスの主催者であったフィニアス・テイラー・バーナムが剥製にして大学の敷地に飾りました。ジャンボの剥製は、幸運の源と考えられ、大きな試合や試験の前などには、学生たちはジャンボの尻尾を引っ張ったり、牙の上に1ペニーを置いて、幸運を祈ったそうです。いわゆる願掛けですね。この尻尾は、1942年に剥製の修繕が行われた際に交換され、以前のものは大学図書館の記録保管書に収蔵されています。1975年に敷地が火事で焼失したときに、ジャンボの剥製も一緒に燃えてしまいました。しかし機転を利かせた1人がジャンボがいた付近の灰をかき集め、ピーナッツバターの瓶にジャンボの多くを保存することに成功しました。この瓶も、タフツ大学の運動選手やコーチにとり幸運のお守りになっており、大きな試合の前に瓶を撫でると勝つことができると信じられています。


タフツ大学では、学部課程と大学院課程とを組み合わせられるプログラム(Combined and Dual Degrees)を開講しています。5年間で学士号と修士号を取得できるのが大きな魅力です。


タフツ大学の学部生は5000人ちょっとだったので、一学年1250人程度でしたが、2021年から大学が方針を変え、学部生を最大6600人にすることにしました。数年後には一学年1650人となります。一学年400人の増加は大きな影響を与えます。クラスが取りにくくなったり、図書館がより混むことになります。また、寮の食堂の列も長くなるでしょう。


いずれにせよ、次女は、長女が通っているタフツ大学に合格したのですから、喜びもひとしおです。次女は理系ですが、長女のボーイフレンドも理系なので、次女は早速彼からタフツ大学に関する情報収集を始めたようです。


次女がタフツ大学に行くことが決まったわけではありませんが、次女が長女と同じ大学に行けば、本人も長女も親も安心でしょう。


果たして次女はどの大学を選ぶのでしょうか。


       タフツ大学の合格通知

       






次女のアメリカの大学の合格:その2(嬉しい3月17日:4大学合格!)

次女のアメリカの大学に合格した初めての大学は、UCデービスでした。

その後、次女はSpring Breakでフロリダ州パームビーチにきました。夕方、空港に迎えに行ったのですが、次女が飛行機が降りてきて、一緒に荷物が出てくるエリアで次女の預け入れ荷物が出てくるのを待っている間に、4つの大学の合否が判明しました。

何と全て合格!

以下が合格した大学です。

1)UCサンディエゴ

サンディエゴ校は1959年に設立され、ダウンダウンから北へ約20キロのラ・ホーヤにあります。海洋学や生物学などで世界的な名声を誇る大学です。カレッジ制を採用しているのは、この大学の特徴でこれは創始者の少数精鋭主義を反映したもので、英国のオックスフォード大学やケンブリッジ大学を範としています。キャンパス内には6つのカレッジがあり、施設や学部を共有していますが、それぞれが違った教育方針を持っています。


2)UCアーバイン

1965年創立。50年代に策定されたカリフォルニア州のマスタープランに基づき、相次いで設立された州立大学3校のうちの1校(ほかの2校はサンディゴ校とサンタクルーズ校)で、学部生約2万人の大規模な総合研究大学です。歴史は浅いですが、UCバークレー、UCLA、UCサンディエゴに次いでレベル・評判ともに高いそうです。とくに工学や生物学、医学(大学院レベル)など理系に強く、ノーベル賞受賞者も輩出しています。キャンパスのあるアーバインはカリフォルニア州南部にある人口20万人ほどの中堅都市で、全米でも住みやすい都市の1つとして評価されています。ロサンゼルス南部の自然の多い地域にアーバイン社という不動産業者が広大な土地を寄付し、大学ができた後に同名の市が形成されました


3)スクリプス大学

1926年創立の西海岸きっての名門女子大です。カリフォルニア州の五つの名門リベラルアーツ・カレッジから成るClaremont Collegesの1校。残りの4校はClaremont McKenna College、 Harvey Mudd College、Pitzer College、Pomona Collegeで、これらいずれの大学でもクラスが取れます。カリキュラムにおける特徴として、人文学のコアカリキュラムがあり、1年生から2年生にかけて所定の三つの科目を2学期間にわたり連続的に履修することが必須。これによって多元的な思考を促し、知的鍛錬を行い、それ以降の学年で批判的に考え、効果的に書き、前提に疑問を投じることができるように準備をするそうです。大学はアットホームな雰囲気で、ピアメンタープログラムもあり、6~8人の新入生に対して一人の先輩学生がメンターとして学業面・生活面のサポートをしているとのこと。


4)ロチェスター大学

1850年創立。コダック社とボシュロム社からの資金の提供により、1929年にアメリカ初の光学研究所が設立され、光学の分野において優れた教育と研究を行っています。また、レーザーエネルギー研究室は全国的にもユニークな研究・教育施設。音楽学部(Eastman School of Music)は世界的に有名のようです。。“Take Five Scholars Program”というプログラムを提供しており、難しい分野の専攻にじっくり取り組みたい、学問分野を幅広く履修して知力を鍛えたいという要望がある学生に対して、5年目の1学期または1年間の学費を無料にしています。2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士は、この大学で博士号を取得しています。


次女のSpring Breakの初日の嬉しいニュースに、父娘は抱き合って一緒に喜びました。


    UC San Diegoの合格通知

       

      UC Irvineの合格通知

     

      Scrippsの合格通知

      


        Rochesterの合格通知

       



        


Saturday, April 15, 2023

次女のアメリカの大学の合格:その1(最初の合格通知!)

次女は、2020年からボーディングスクールで家族を離れて生活しています。高校では、環境科学や化学に関心を持ち始め、高校の先生の指導の下、研究調査を始めました。

その研究によって、ある全米のシンポジウムで化学部門で3位となったり、太平洋やハワイの大会では1位をとったり、この夏には、学術誌に研究論文を掲載される予定です。


アメリカの大学のアプリケーションでは、その事実も書きましたが、追加エッセイでは、そのこと強調しなかったことが、少し悔やまれます。


アメリカの大学は、筆記試験の一発勝負で合否が決まるものではなく、なぜ合格したのか、なぜ不合格だったのかについて、客観的基準がないだけに、本人も親も、最初の大学の合格通知が来るまでは、「万が一、すべての大学に合格しなかったらどうなるんだろうか?」という不安に苛まされます。したがって、最初の大学の合格通知は、その大学のレベルが如何なるものであっても、本人も親もとても安心するものです。


そして、最初に合格した大学が3月10日に判明しました! 


大学名は「UCデービス (Davis)」です。


UCデービスは州立大学ですので、次女はカリフォルニア州民ではないため授業料は高額で、大学側が出す奨学金も非州民の学生には少ないので(非州民には年間二千ドル弱)、まずこの大学には行かないことはわかっていますが、やはり最初に合格した大学ということもあり、親としてもこの大学に感謝です。


UCデービスは、1905年創立でカリフォルニア州の州都サクラメントから西に18km、サンフランシスコから北へ113kmの場所に位置しています。デービスという街は、住民の大半が大学の学位を持っていることから『全米で最も教育を受けている街』の一つに数えられ、治安の良い住みやすい大学都市です。街の人口の半分がカリフォルニア大学デービス校の学生です。また1970年代初めに市議会で自転車専用レーンの設置を義務付けた条例を制定して以来、街の拡大に伴って自転車レーンも増えてきました。現在、自転車はデービス市民にとってなくてはならない移動手段になっています。もちろん、学生の多くも自転車に乗って、緑あふれるキャンパス内を走っています。


UCデービスは、U. S. News and World Report誌で2022年の全米の総合ランキングでは38位にランクインしたトップレベルの大学です。そもそも農業専門学校として開校し、その後、「カリフォルニア大学(UC)システム」のメンバーとなりました。現在でも農学の関連分野において国内外で高い評価を受けており、特に農業・資源経済学プログラムは全米トップであり続けています。その他、医学、獣医学など理系の分野が有名で、教育学にも定評があります。また、文理学部は最大の学部で、卒業生には作家、俳優、芸術家、宇宙飛行士などとして活躍しています。ワインを学ぶカリキュラム(Viticulture & Enology)もあります。


教授陣の質も高く評価されています。国立学術機関の会員であったり、ピューリッツァー賞受賞者など、優秀な教授の下で学ぶことができます。また研究大学としての特徴を兼ね揃えているため、環境学の関連分野の学術誌に掲載する論文の数は全米で最も多い大学の1つであることから、最先端の研究を行なっています。


UCデービスは、カリフォルニア州の住民ではない次女にとって、授業料も高いし奨学金もあまり出ないので、まずいくとは思いませんが、万が一、残りの大学が全て不合格になったらここに行くしかありません。いずれにせよ、次女にとり、「行ける大学がある」とわかることは、とても安心です。親の私にとっては、この大学に愛着さえ感じ始めています。




        UC Davisからの合格通知





Thursday, April 6, 2023

Spring Break:次女とPalm Beachでの2週間

次女は、 行きたいアメリカの大学が求める「追加エッセイ」を全て出し終わり、あとは合否の結果を聞くだけの状態でSpring Breakを迎えました。結局、60以上の「追加エッセイ」を書きました。

本当は1週間のお休みですが、14歳から家族を離れてボーディング・スクールで頑張ってきたので、ご褒美として高校をもう1週間休ませて、父と次女だけでフロリダ州パームビーチにあるThe Breakersといういつも休暇を過ごすリゾートホテルに2週間滞在しました。

The Breakersは、プライベート ビーチがあり、プライバシーが保てます。4 つの屋外プール、充実した館内スパ、10か所のレストランがあり、35年前から、秋から春にかけての期間に休暇で使っています。母の日からレイバーデーの期間は、パームビーチは暑すぎるので、マサチューセッツ州やミシガン州で過ごしています。

次女のThe Breakersでの休暇中に、アメリカの大学の合否がつぎつぎと判明し、親子で一喜一憂しました。追って報告します。

Monday, April 3, 2023

次女のアメリカの大学のアプリケーション・プロセス:その3(追加エッセイの提出)

次女は、提出期限である2022年11月1日までにCommon Appのアプリケーションを提出しました。

12月中旬、Early Decisionの結果が出ました。残念ながら不合格でした。Early Decisionとして次女は長女と同じアイビーリーグの大学を選んでいました。合格できなかったのはとても残念ですが、その大学の合格率は3%台なので、期待は半分しか持っていなかったようです。


Early Decisionで合格できなかった次女は、長女が使ったEarly Decision IIの枠を使わないため、Regular Decisionで全て勝負することになりました。


尚、合格しても入学する義務のないEarly Actionの枠を使って、EDと提出期限が同じ11月1日にUVA(バージニア州立大学)USC(南カリフォルニア大学)など3大学に追加エッセイを提出しました。


そしてその後は、全てRegular Decisionの大学となりました。


ちなみに、各大学のアプリケーションは、11月1日に共通のアプリケーションをCommon Appを使って提出していますので、制度上は、その時点で全ての大学に願書を出したことになります。それ以降、大学の提出期限までに提出するものは、各大学が要求する「追加エッセイ」です。


最も早く「追加エッセイ」を提出した大学は、ある州の州立大学で、11月14日に提出しました。この大学は、「滑り止め(safety)」として応募した大学でした。


11月30日には、NY州のRochester大学と別のある私立大学に「追加エッセイ」を提出。


同じく11月30日には、カリフォルニア大学(UC スクール)の5のキャンパスのアプリケーションを提出。カリフォルニア大学は、Common Appとは異なるネット上のシステムを使っているため、別の作業が必要で、その分、次女の負担も大きくなりました。次女は、10キャンパスもあるカリフォルニア大学のうち、UCバークレー、UCLA、UCサンディアゴ、UCアーバイン、UCデービスの5校にチェックを入れて、提出しました。


12月30日、ジョージア州にあるEmory大学、マサチューセッツ州にあるTufts大学、そして同じマサチューセッツ州にあるBrandeis大学に「追加エッセイ」を提出。12月31日には、ノースキャロライナ州にあるDuke大学、年が明けた1月2日にカリフォルニア州にあるScripps大学に「追加エッセイ」を提出。


Regular Decisionを使って応募した大学入学の合否は、通常、3月中旬以降に判明します。長女は、2019年12月にEarly Decision IIを使ってTufts大学に「追加エッセイ」を提出し、2020年2月に合格が判明したため、長女がRegular Decisionでアプリケーションを提出していたその他20近くの大学の合否が判明する前に辞退したので、今回次女がRegular Decisionで勝負することは、我が家では初めての経験でした。


「どこの大学にも合格しなかったらどうしよう」という恐怖もあり、必然的に応募する大学の数は多くなりました。Early Actionも含めれば、20近くの大学に応募したことになります。多くの大学は、Common Appが求める共通のエッセイに加えて、3つ程度の「追加エッセイ」の提出を求めます。したがって、10大学に応募すると、「追加エッセイ」は「30」ほど書く必要があります。20校となれば、「60」もの「追加エッセイ」を書くことになります。


アメリカの大学のアプリケーション・プロセスでは、この追加で提出するエッセイ書きが、非常に重荷となるようです。次女は「60以上」の「追加エッセイ」を書いて提出しました。




次女のアメリカの大学のアプリケーション・プロセス:その2(SATとACT)

次女は、現在、アメリカの高校の最終学年であるシニアです。私立高校で寮生活をしています。いわゆるボーディングスクールに通っています。

アメリカの大学には各大学の筆記試験というものはなく、第三者の会社が経営するCommon Appという共通のアプリケーションに必要項目を記入して、提出はボタンを押すだけです。このCommon Appには全米で1000近い大学が加盟しています。アイビーリーグはもちろんのこと、巷で聞くほとんどの大学が入っています。入っていない大学で有名なのは、UCスクールとGeorgetown大学くらいです。

さて、Common Appの必要項目にはSATやACTの成績を記入する箇所があります。

このSATやACTは、共通の試験ではありますが、高校一年生の時から、何度も受けられる類のもので、日本の大学入試センター試験のような一発試験とは違います。

そもそもSATとはScholastic Assessment Testの略称、ACTとはAmerican College Testの略称で、非営利機関であるカレッジボード(College Board)が運営している、アメリカの大学進学に必要な大学進学用の標準テスト(Standardized Test)です。

以下、比較です。

⭕️テスト科目

SAT:Reading, Writing, Math, Essay (optional)

ACT:English, Reading, Math, Science, Essay (optional)

⭕️テスト内容

SAT:Readingは5つの長文読解問題(5択)、Mathは計算機が使用できない問題も出題、ReadingはMathのセクションでサイエンス系のデータ分析などの問題が出題。

ACT:Readingは4つの長文読解問題(4択)、Mathは全ての問題で計算機の使用ができる、Scienceは科学に関した文章やグラフを読み取り、分析する問題が出題。

⭕️テスト時間

SAT:3時間(エッセイなし)、3時間50分(エッセイあり)

ACT:2時間55分(エッセイなし)、3時間35分(エッセイあり)

⭕️受験できる回数

SAT:無制限

ACT:12回まで

⭕️スコア

SAT:400から1600満点

ACT:1から36満点


次女は、長女がACTを受けたので、同じACTを受けました。

ACTの内訳は、英語75問(45分)、数学60問(60分)、読解40問(35分)、科学40問(35分)です。

英語は、文法、語彙、表現などが問われます。カンマやコロンの正しい使い方なども問題になります。数学はアメリカの高校2年生までに習う代数・幾何が問われます。電卓の使用が許可されています。読解は4つの文章(人文科学、社会科学、自然科学、フィクション)を読んで、それぞれについて10の設問に答えます。科学は生物学、化学、物理学、地学、宇宙科学の分野における、データの分析、実験の手法や評価などが問われます。問題数は40問、テスト時間は35分間のため、科学データを素早く正確に読み理解することが必要となります。


大学の合否基準として多くの大学で使われてきましたが、最近の傾向として、SATやACTのスコアの提出は自由という流れになっています。例えば、アイビーリーグの一つであるコロンビア大学は、SAT/ACTのスコア提出を選択制にすることを永久に導入すると発表しました。アメリカでは数年前からSAT/ACTのスコア提出を求めない大学が増えており、来年(2024年)の入学審査でも、アイビーリーグ、スタンフォード大学、ノースウェスタン大学、ボストン大学などの名門大学は試験選択制を維持すると発表しました。

テストスコアを求めない大学を増えたのは、コロナ感染症の中で生徒がテストを受験や再受験したり、そもそも試験に向けて準備することが困難になったことが理由の一つです。また、家庭教師を雇ったり試験対策クラスを受講する余裕がない家庭にとっては、SAT/ACTの受験のハードルは高いものでした。テストスコアだけでは志願者の能力や才能を判断することはできないと考える大学が増えたため、テストスコアの提出を求めない動きが広がっています。

ちなみに次女はACTを受け、36点満点中35点でした。