1月7日未明、米下院議長選は15回目の投票が行われ、下院共和党トップのマッカーシー下院院内総務(57)が選出されました。共和党はマッカーシー院内総務を擁立することでかねて合意していましたが、党内の造反で就任への道は不透明になっていました。
投票が10回以上繰り返され、164年ぶりの歴史的混迷となった議長選は、マッカーシー院内総務は、党内の保守強硬派に大きく譲歩し、15回目の投票でようやく決着しました。
1月9日まで下院を休会とする動議が否決された後、マッカーシー院内総務はついに下院議長選出に必要な票を確保しました。
議長選は新議会が発足した1月3日から4日間にわたって投票を重ねました。1月5日時点でマッカーシー院内総務の議長就任に約20人が反対し、1人が棄権しました。1月6日は、13回目の投票を終えた時点で15人が切り崩されたことが判明、14回目でマッカーシー氏は過半数に1票届きませんでした。
定数435のうち428人が投票した15回目は7日未明に終了しました。マッカーシー新議長は216票、下院民主党トップのジェフリーズ院内総務が212票を獲得し、マッカーシー新議長が誕生。得票数は下院の過半数を下回ったものの、議長選出に反対する共和6議員が候補を選ばない「出席」票を投じたため、選出が決まりました。
下院議長選が再投票になったのは1923年以来100年ぶりで、投票が10回以上になったのは南北戦争前の1859年以来とされるようです。
マッカーシー氏は反対派の翻意を促すため、議長解任動議の提出に必要な議員数を1人に引き下げることで合意。また、議事運営委員会に割り振る強硬派の議席も拡大することになり、政府予算など重要法案を通過させる上で議長としての権限が弱まることになりました。
共和党は僅差で下院の過半数を押さえていますが、議席数は共和党222に対し民主党212とわずかな差です。
マッカーシー新下院議長はカリフォルニア州選出の議員で、これまでは下院少数党の院内総務という立場でした。下院議長は大統領権限の継承順位が副大統領に次いで2位の要職です。バイデン大統領は声明で、マッカーシー氏に超党派協力を求めました。マッカーシー氏は演説で「バイデン氏の政策を監視する役割を果たす時が来た」と述べ、2024年大統領選をにらんで攻勢をかける構えを鮮明にしています。
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