Wednesday, February 26, 2025

アメリカとウクライナの鉱物資源に関する取引(その2)

トランプ大統領がウクライナへの支援をアメリカの資源の浪費と批判してきたため、2024年秋、ゼレンスキー大統領はアメリカに鉱物に関する取引を提案しました。もしアメリカの投資に見合ったリターンが得られるなら、トランプ大統領はウクライナ支援を継続することにより積極的な姿勢を示すだろうと考えたからです。元々のアイデアは、アメリカと協力して1兆ドルから1.2兆ドル規模の重要な鉱物やレアアースを開発することを提案するものでした。ウクライナの提案は、アメリカが中国とロシアの世界的な鉱物とレアアースの供給網を相手に競争し、高度な技術や武器産業に必要な鉱物資源を確保する助けになることを目的としていました。

ウクライナの支配下にある地域にはチタン、グラファイト、ウランなどの豊富な鉱床がある一方で、レアアースの多くはウクライナの争奪中または占領された地域で採掘される必要があるようです。そのため、これらの鉱床を開発するには、アメリカがウクライナの物理的安全保障を守ることにも関心を持たなければならないでしょう。アメリカとウクライナの技術および防衛産業は、密接に結びつくことになるかもしれません。

ゼレンスキー大統領の鉱物権提案は、2月初め、アメリカとウクライナの対立の火種となりました。アメリカは独自の提案を作成し、その後、スコット・ベセント財務長官がウクライナに赴き、ゼレンスキー大統領が即座に署名する必要があるという形でその提案を提示しました。

ゼレンスキー大統領は、ウクライナの安全保障保証を含まない合意に署名することはできませんでした。ヨーロッパ全体の政府関係者も、アメリカが提示した提案のいくつかの要求に衝撃を受けました。その中には、鉱物開発から最大5000億ドルの収益を得る権利が含まれており、これはロシアの侵攻が始まって以来、アメリカがウクライナに提供した支援額をはるかに超えていたからです。

ゼレンスキー大統領が最初の提案を拒否すると、トランプ大統領はゼレンスキー大統領を独裁者呼ばわりし、ウクライナが戦争を始めたと誤って非難しました。

アメリカとウクライナの関係が完全に崩壊することを恐れた両国の政府間傾斜は、調停を試み、新たな提案が議論されています。ゼレンスキー大統領は2月26日(水)、現在の提案は元の提案よりも改善されていると述べ、アメリカがすでに送った援助をウクライナが返済することを求めていない点を挙げました。新たな提案が合意されることは、ウクライナへの支援に関するトランプ大統領のコミットメントに依存していると述べましたが、提案された枠組みにはさらに作業が必要であることを示唆しました。

トランプ大統領は、2月26日(水)の初めての閣議で、ウクライナ大統領が2月28日(金)にワシントンに来て合意に署名する予定だと述べました。この合意は、ウクライナの鉱物資源を共有するものであるとトランプは言及しました。新たな提案の詳細はまだ不明ですが、アメリカとウクライナが共同所有する基金の設立が含まれており、財政的な取り決めの詳細は今後決定される模様です。共同所有する基金の正確な経済的取り決めは今後の合意で決定される必要があるとゼレンスキー大統領は述べました。基金の収益の一部はウクライナの復興活動に充てられることになっているようです。石油、天然ガス、そして重要な鉱物が合意の条件に含まれていますが、すでにウクライナ政府が収益を得ている資源は除外されています。

新たな提案には、ウクライナに対する明示的な安全保障の保証が欠けており、ゼレンスキー大統領は、この鉱物権に関する取引には安全保障の保証が必要だと繰り返し述べています。ある報道によると、新たな提案に、「アメリカがウクライナが持続的な平和を確立するために必要な安全保障の保証を得る努力を支持する」と記されているようです。

高い注目を集めている新たな提案に署名することは、ウクライナにとって悪くない話しであり、トランプ大統領がロシアとウクライナの間で平和協定を仲介しようとする中、トランプ大統領がプーチン大統領と先に会うことを恐れていたウクライナにとって重要な意味を持ちます。

2月26日(水)トランプ大統領は、米国の投資を取り戻し、将来的にもっと多くの利益を得るという取引をまとめることができた、地域の平和確立に焦点を当てている、と述べましたが、それがウクライナの政府や国境の未来にどう影響するかについては言及しませんでした。「私は安全保障の保証をするつもりはない」とトランプ大統領は述べ、ヨーロッパ諸国がウクライナに部隊を派遣するだろうとし、「しかし、すべてがうまくいくようにするつもりである」と述べました。

ゼレンスキー大統領は、プーチン大統領より先にトランプ大統領と直接話す機会を大切にしていると述べました。



政府効率化省(DOGE)が暴いていること

トランプ大統領は、政府効率化省の功績を最近演説したときに話しました。

「私は『政府効率化省(DOGE)』を創設する命令に署名しました。おそらく聞いたことがないでしょうが、現在この省は政府の無駄遣い、不正行為、悪用と戦っています。そして、イーロンは素晴らしい仕事をしています」とトランプ大統領は語りました。

マスク氏はDOGEを率い、政府の過剰支出を抑え、不正を根絶するために、さまざまな連邦機関を調査しています。

DOGEの活動は民主党議員や政府職員の間で物議を醸しており、彼らは調査や監査を終わらせようとする訴訟をいくつも起こしています。

トランプ大統領は、演説の中で、連邦政府の無駄の一例を挙げました。

「例えば、彼らが使った金額の中には、明らかに詐欺的なものがあります。そして、私たちは少なくともその大部分を取り戻すことができました。例えば、アフリカにおける環境・社会・ガバナンス(ESG)と投資に関するコンサルタント費用として5億2,000万ドルが支払われていました」と彼は語りました。

コロンビアでの生物多様性保全と社会的責任ある行動の促進に2,500万ドル。これは南米のコロンビアであって、コロンビア大学ではありません。」

DOGEが暴いたの例を更に列挙してみます。

○定住型移民の社会的・経済的包摂を改善するために4,000万ドル。

ウガンダでの社会的・行動変革に4,200万ドル。

モザンビークでの男性向け医療的割礼に1,000万ドル。

トランプ大統領は、『なぜ我々はモザンビークに行って割礼をしなければならないのか?』と問いかけました。

その後マスク氏はXに「@realDonaldTrump大統領の指示に従い、すべての連邦職員は間もなく『先週何を達成したか』を報告するよう求めるメールを受け取ることになります。返答しなかった場合は辞職と見なされます」と投稿しました。

「この国には非常に腐敗した集団が存在しており、私たちはそれを暴き出している」とトランプ大統領は演説で語りました。「私たちは、不必要で無能、そして腐敗した官僚たちを連邦政府の職員から排除しているのです。」



Friday, February 21, 2025

ロシアのウクライナ侵攻:ウクライナの希少鉱物取引のゆくえ

1月20日に大統領に就任したトランプは、バイデン政権の侵略された側であるウクライナへの支持を逆転させ、侵略者であるロシア側に肩入れする姿勢を示しています。これには欧州全体が驚愕しています。

また、ウクライナには、希少鉱物があるようで、米国は、この希少鉱物に関する提案をウクライナ側に提示しました。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領は、自国の希少鉱物の半分近くを手放すことを拒否したため、トランプが激怒しているようです。

そもそもゼレンスキーは、戦争が終わった後にウクライナの経済や都市を再建する方法の一つとして、国の貴重な地理的資源やエネルギー資源を活用するつもりであることを明言してきました。

アメリカの今回の提案は、トランプの外交政策に対する見解や、彼が戦争についてどのように認識しているかを理解する手がかりとなるでしょう。

トランプは、ガザから全パレスチナ人を移住させ、アメリカが「リビエラ」のビーチリゾートを建設できるようにする計画と同様、彼の動機は、アメリカにとって最良の利益を引き出すことに根ざしていると見られています。

現在、G7諸国は、侵略3周年(2月)を記念する共同声明を巡って交渉を行っていますた。アメリカの外交官は、文書に「ロシアの侵略」という表現を盛り込むことに抵抗したと報じられています。

トランプはプーチンが戦争を止めたいと確信しており、平和のために真剣に話し合いをする意向を示していると言っていますが、アメリカや同盟国の情報機関は楽観的ではないようです。もし停戦を得られたとしても、それはプーチンが休憩し、再武装して再び戻ってくるための時間に過ぎないと主要欧州諸国は思っているようです。

提案された鉱物取引は、その条件だけでなく、ウクライナ内の政治的ダイナミクスについてもホワイトハウスがどれだけ理解しているかに疑問を投げかけているようです。

ゼレンスキー大統領が、自国の地質資源の大部分を手放し、その将来の経済的存続に欠かせない鍵を提供する「取引」を受け入れることは不可能と言われています。

ゼレンスキーは、今月のミュンヘン安全保障会議で、アメリカとの鉱物取引に一人の大臣が署名することを許可しなかったと述べています。

それでも、アメリカの最初の取引案が将来の合意の枠組みを提供する可能性はあると指摘する人もいます。ゼレンスキーは、たとえば、自国の資源を使って、和平後にウクライナが生き残るための安全保障の保証を得ることを求めているようです。


Monday, February 17, 2025

年末年始はウエスト・パーム・ビーチで

  2024年のクリスマスと25年のニューイヤーは、次女とフロリダ州ウェスト・パームビーチで過ごしました。

 冬期間は、定宿であるThe Breakers に滞在。4つのプールと9つのレストラン、テニスコート10名、屋内外に17のトリートメントルームを有するスパがあります。近くには、ゴルフコースがたくさんあります。

 次女は大学学部2年生。化学を専攻するようで、研究に勤しんでいたので、久しぶりの休暇を楽しんでいました。友人を招待して、買い物にスパに満喫していたようです。

 私は私で、ニューヨークの友人とTrump International Golf Club West Palm Beachで連日ゴルフ三昧。ここは、2017年2月、2018年4月にトランプ大統領と安倍首相がプレイした場所です。

 年末・年始は、ゆっくりと休養できたので、2025年は良い年になるよう頑張れそうです。