Sunday, February 25, 2024

アメリカ大統領選挙 : ニッキーヘイリー候補(共)の地元での予備選敗北

アメリカ大統領選に向けた共和党候補指名争いで、南部サウスカロライナ州の予備選が1月24日に実施され、トランプ前大統領が勝利を確実にしました。

トランプ氏はこれまでアイオワ、ニューハンプシャー、ネバダ各州と米領バージン諸島で4連勝を収めてきています。

サウスカロライナは、トランプ氏と一騎打ちになったヘイリー元国連大使が知事を務めた州です。ヘイリー氏はここでも劣勢が報じられていました。

指名争いの次の舞台となるのは、1月27日のミシガン州予備選です。その1週間先には各州の予備選や党員集会が集中する「スーパーチューズデー」が控え、トランプ氏は3期連続の党指名獲得へさらに近づく可能性があります。

では、知事まで務めたサウスカロライナ州で、なぜヘイリー氏はトランプ氏に完敗したのでしょうか。

ヘイリー氏は、知事職を去って以来、ヘイリー氏を知事に押し上げた州の草の根活動家をほとんど無視してきたと言われています。


2010年、当時ティーパーティー運動のスターだったヘイリー氏は、極右と反体制の熱狂の波に乗り、共和党の混戦となった州知事選挙の予備選で勝利を収めました。その後、保守派活動家の大群が彼女を支持し、州知事に当選すると、この歴史に名を残す若き南部知事は、当時のバラク・オバマ大統領の政策に異議を唱え、減税し、歳出に拒否権を発動し、国内で最も厳しい不法移民法案のひとつを可決するなど、国内で最も保守的な州幹部のひとりとして称賛されました。


しかし、現在へイリー氏を支持しているのは、彼女を州知事に押し上げた活動家層とはまったく異なる層だそうです。


例えば、昨年、サウスカロライナ州共和党女性連盟が主催する複数の大規模イベントにヘイリー氏を招待しましが、ヘイリー選挙陣営からビデオさえ送ってもらえませんでした。ノースカロライナ州の女性連盟と協力して10月にウィンスロップ大学で大統領候補フォーラムを開催した際も、出席したのはフロリダ州のロン・デサンティス知事とアーカンソー州のエイサ・ハッチンソン前知事だけでした。


サウスカロライナ州以外では、ヘイリー氏は過去1年間、ニューハンプシャー州とアイオワ州の共和党女性連盟に出席していました。


ヘイリー氏は、州選出の他の共和党員とは異なり、長年にわたって同組織の大会や会合、資金調達パーティーに出席していませんでした。


州を離れ、国連大使として別の任務がありましたが、仮に、彼女がサウスカロライナとつながりをきちんと保っていれば、今回の予備選の結果も違っていたかもしれません。


ヘイリー氏は、国連大使としてニューヨークでの生活を経て、2019年にサウスカロライナ州に戻り、海岸沿いのリゾート地キアワ島に新たな根を下ろしました。そこは、彼女が州議会議員として政治キャリアをスタートさせた、共和党が多いコロンビア郊外のレキシントンから、数時間もの距離がありました。


保守的なサウスカロライナ州の中心部から遠く離れたキアワ島は、ゴルフとビーチの町であり、移住者や退職者の目的地であり、2020年にジョー・バイデン大統領が勝利した郡の一部でもあります。


ヘイリー氏は知事として、減税を行い、サウスカロライナ州に不法滞在している移民を取り締まり、有権者IDを義務づけ、35000人を失業から救ったという実績があります。2011年春、州議会議員の投票記録を義務付ける法案に新知事として署名しました。


しかし、2016年にヘイリー氏がマルコ・ルビオ上院議員を支持したとき、トランプの台頭に拍車をかけているポピュリスト運動を軽視しているとみなされるようになりました。いわば、彼女は体制側に行き過ぎたのでしょうか。


今月2月のウィンスロップ大学の世論調査では、トランプ氏への直接攻撃を強化した後、サウスカロライナ共和党員に対するヘイリー氏の好感度は11月の71%から2月には56%に低下し、共和党有権者における彼女の不支持率は2倍以上に上昇しました。


どうやらヘイリー氏は、州知事を辞めた後、地元のケアを怠っていたというのが真相のようです。







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